横浜市では、マンションの適正な管理を推進するための「管理計画認定制度」が注目を集めています。この制度は、管理組合が作成した管理計画が一定の基準を満たしている場合に認定を与えるもので、マンションの管理の質を向上させる取り組みとして全国的に広がっています。
マンション管理新聞の2025年3月15日の第1297号によると、横浜市は特にこの制度の普及に力を入れた結果、2025年3月4日には認定件数が200件を突破するなど、全国でダントツのトップ実績を誇っています。
※マンション管理センターの管理計画認定マンション一覧によると、2025年3月20日現在、横浜市:205件、川崎市95件、大阪市82件、名古屋市75件、京都市66件となっています
本記事では、横浜市の管理計画認定マンションの最新状況や、認定MAPの活用法、制度のメリットについて、同制度に精通しているマンション管理士の筆者が詳しく解説します。
横浜市で管理計画認定マンションが200件を突破!
2025年3月4日、横浜市は「マンション管理計画認定制度」において、認定を受けたマンションが200件を突破したと発表しました。この制度は、マンションの管理組合が作成した管理計画が一定の基準を満たしている場合に地方公共団体から認定を受けるもので、適正な管理が行われているマンションの“見える化”を進める取り組みです。横浜市では2022年11月の制度開始以来、全国トップクラスの認定件数を誇っており、今回の200件突破は大きな節目となりました。
横浜市住宅再生課は、「(管理計画認定制度について)積極的に広報をしてきた」「(筆者も所属する)NPO法人横浜マンション管理ネットワークなどの協力もあり、現在の成果に至った」とコメントしています。認定を受けたマンションは、市場での評価向上や組合員のマンション管理意識向上などのメリットが期待されるため、マンション管理組合や住民からの注目度も高まっています。
認定MAPとは?活用法をチェック
横浜市は認定マンションの認知度向上と市場評価の向上を目的とした「認定MAP」を作成しています。この認定MAPは、認定を受けたマンションの所在地を地図上で確認できるツールです。具体的には、横浜市内のどのエリアに認定マンションが多いのか、どのマンションが認定を受けているのかを一目で把握することができます。
認定MAPの活用法
- 管理組合向け: 自マンションが認定を受ける際の参考として、近隣の認定マンションの状況を確認できます。管理計画の改善点や認定基準を学ぶきっかけにもなります。
- 住民向け: マンション購入や賃貸を検討する際に、適正な管理が行われている物件を見極める指標として活用できます。認定マンションは管理がしっかりしているため、長期的な資産価値の維持が期待されます。
- 行政や専門家向け: 横浜市全体のマンション管理の状況を把握し、さらなる支援策や啓発活動に役立てることができます。
認定MAPは、横浜市の公式ウェブサイトや関連施設で公開されており、誰でも簡単にアクセス可能です。マンション管理に関心のある方は、ぜひ一度チェックしてみてください。
埋め込み可能なので、以下に埋め込んでおきますので、合わせてご参照ください。
戸数規模別・築年数別の認定マンション割合を分析
横浜市の認定マンションの特徴をより詳しく知るために、戸数規模別と築年数別の割合を見てみましょう。横浜市(認定件数201件)と全国(認定件数1414件)のデータを比較することで、横浜市特有の傾向が明らかになります。
戸数規模別認定マンションの割合
マンション管理新聞1297号から引用すると、横浜市の認定マンションの戸数規模別の割合は以下の通りです:
- 29戸以下:20.4%
- 30~49戸:20.4%
- 50~99戸:21.9%
- 100~199戸:18.9%
- 200~399戸:8.0%
- 400戸以上:10.4%
一方、全国のデータは以下のようになっています:
- 29戸以下:13.4%
- 30~49戸:25.7%
- 50~99戸:30.3%
- 100~199戸:15.8%
- 200~399戸:9.5%
- 400戸以上:5.2%
横浜市では、50~99戸の中規模マンションが21.9%で最も多く、小規模(29戸以下)から中規模(50~99戸)までのマンションが全体の6割以上を占めています。全国と比較すると、横浜市は400戸以上の大規模マンションの認定割合が10.4%と高く、大規模物件の管理改善にも積極的な姿勢が見られます。
築年数別認定マンションの割合
次に、築年数別の割合です:
- 築9年以下:17.9%
- 築10~19年:11.9%
- 築20~29年:33.3%
- 築30~39年:24.9%
- 築40~49年:8.5%
- 築50年以上:3.5%
全国のデータは以下の通りです:
- 築9年以下:22.3%
- 築10~19年:18.7%
- 築20~29年:33.5%
- 築30~39年:14.9%
- 築40~49年:9.0%
- 築50年以上:1.6%
横浜市では、築20~29年のマンションが33.3%で最も多く、次いで築30~39年が24.9%となっています。全国と比較すると、築30~39年のマンションの認定割合が横浜市では24.9%と高く、築50年以上の古いマンションも3.5%と全国(1.6%)より多いです。これは、横浜市の高経年マンションが管理計画認定を通じて管理の質を向上させようとする動きが活発であることを示しています。
管理計画認定制度のメリットとは?
管理計画認定制度には、マンション管理組合や住民にとって多くのメリットがあります。以下に主なポイントをまとめました。
管理の質の向上
認定を受けるためには、管理計画が一定の基準を満たしている必要があります。具体的には、修繕積立金の適切な設定や管理組合の運営状況などがチェックされます。このプロセスを通じて、管理組合は自らの管理体制を見直し、改善点を見つけることができます。
市場価値の向上
認定を受けたマンションは、適正な管理が行われている証明となるため、市場での評価が向上します。マンション購入や賃貸を検討する人々にとって、「管理がしっかりしている物件」は大きな魅力です。実際に、認定マンションは売却時の価格が上昇する傾向にあるというデータもあります。
住宅ローンの金利優遇
住宅金融支援機構では、管理計画認定を受けたマンションに対して住宅ローンの金利優遇を提供しています。これにより、購入者や住民の経済的負担が軽減され、長期的な資産形成にも寄与します。
住民の安心感
適正な管理が行われているマンションでは、修繕積立金不足や管理不全によるトラブルが起こりにくくなります。住民は安心して生活できる環境が整い、コミュニティの満足度も向上します。
横浜市の今後の目標と展望
横浜市は今後もこの制度を通じて、適正なマンション管理の普及を推進する方針を示しています。管理状況のチェックを強化する取り組みを進めることで、さらなる認定件数の増加を目指していると見られます。具体的には、以下のような取り組みが進められています:
- 啓発活動の強化: 管理組合向けのセミナーや相談会を開催し、認定制度のメリットや申請方法を周知。
- 支援体制の充実: 管理できていない一定数の要支援マンションの支援も継続。
- 認定MAPの活用促進: 認定MAPを活用した情報発信を強化し、市民が制度にアクセスしやすい環境を整備。
横浜市は、マンションの老朽化が進む中で、適正な管理の普及が住環境の向上に直結すると考えているようです。管理計画認定制度を通じて、住民が安心して暮らせるマンションが増えることで、横浜市全体の魅力も高まるでしょう。
まとめ:管理計画認定制度でマンションの未来を変える
横浜市の管理計画認定マンションが200件を突破し、認定MAPの作成など新たな取り組みが始まっています。戸数規模や築年数のデータからは、横浜市特有の傾向が見られ、特に築20~39年のマンションや大規模物件の認定が進んでいることが分かりました。
管理計画認定制度は、管理の質向上や市場価値の向上、住民の安心感など多くのメリットをもたらします。横浜市に住む方やマンション管理に関わる方は、ぜひこの制度を活用して、マンションの未来をより良くする一歩を踏み出してみてはいかがでしょうか。認定MAPをチェックし、近隣の認定マンションの状況を確認するところから始めてみるのもおすすめです。
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