【総会決議】管理規約や使用細則変更時に気を付けたい確認ポイントは

マンション管理

定期総会に限らないですが、管理規約や使用細則の変更を行う時には、総会に議案をかける必要があります。

予めどこを修正するのか修正箇所の準備が必要になりますが、どのような手順で変更を行えばいいのでしょうか。

・管理規約や使用細則は総会にかける必要があるのか?
・管理規約と使用細則の違いは?
・制定や変更にはどのような手続きを取っていけばいいのか?

このような疑問を解消すべく、順を追って確認していきます。

【総会決議】管理規約や使用細則変更時に気を付けたい確認ポイントは

今回の記事は以下の様な内容を紹介します。

・管理規約や使用細則の変更にはどのような段取りが必要になるのか?
・管理規約変更時の確認ポイントと手続き
・使用細則変更時の確認ポイントと手続き
管理規約や使用細則といった管理組合の一定のルールは、必ず区分所有者全員が知っておく必要があるため、制定や変更、廃止などは総会の決議が必要となるでしょう。
管理規約の変更は特別決議という、より厳しい承認がないと変更もできないこととなりますが、管理規約に紐づく使用細則は普通決議(多数決)で変更することができます。
管理規約、使用細則それぞれの変更や制定のポイントとともに手続きについて、今回は確認していきます。

管理規約や使用細則の変更にはどのような段取りが必要になるのか?

管理規約や管理規約に紐づく使用細則を変更するためには、どのような流れで検討する必要があるのでしょうか。

一般的な流れを見てみましょう。

変更箇所を特定する

現在運用している管理規約や使用細則と、マンション内での管理方法や使用方法と乖離がでてくることが考えられます。

管理規約なら、最新の標準管理規約に準拠していない個所が見つかり、法改正に則った最新の標準管理規約に準拠した形で規約を定めていく必要もあるでしょう。

使用細則なら、例えば駐車場の空きが増えてきて、空いている個所の使用方法を見直したり、逆に増えてきた場合のルールの変更などが考えられるかもしれません。

共用部分の使用において、世の中の流れに伴う法改正等の実態と規約や細則と乖離が出てきた、使いづらくなってきているなど、合わなくなった場合、まずは規約や細則を見直すことを考える時期かもしれません。

変更内容を検討する

具体的にどこが現状と合わなくなってきているのか、現管理規約や使用細則と、変えるべき姿・あるべき姿の検討を行う必要があります。

一例として、駐車場使用細則の場合は、使用されていない空き区画があるにも関わらず、これまで同様の使用者用になっている場合は、空き区画をどのように活用するかを考える必要があるでしょう。

具体的には、マンション内に高齢者が増えてきた場合は、デイサービス用の車両が出入りすることもあるため、その車が優先的に駐車できるように、使用者限定から来客も使えるように工夫することが考えられます。

または、電気自動車の充電ができるように、一区画を充電ステーションとして開放するということも考えられるかもしれません。

規約や細則の記載も、ライフスタイルの変化に応じて変更していく必要も考えられます。

理事会決議を経て総会で決議する

規約や細則の変更箇所を特定し、変更内容を検討して新たな修正案が固まれば、まずは理事会の中で総会にかけるべく決議する必要があります。

上述の通り、変更する際には、ライフスタイルの変化により規約や細則が現在の時代と合っていないこともあるでしょう。

規約や細則を柔軟に変えていくことは、新たに住戸を購入する新規の区分所有者に対しても、住みやすさを提供するということにも繋がります。

逆に古いままの規約や細則では、新たな購入者であるファミリー層を呼び寄せることも難しくなってくるので、時代の流れとともに、規約や細則の継続的な見直しが必要であると言えるかもしれません。

その点は規約や細則の変更が必要な背景として、マンション全体の課題として理事会や総会で話していくことも重要でしょう。

管理規約変更時の確認ポイントと手続き

管理規約の変更は、管理組合にとってルールの変更になるため、多数の承認が必要となります。

総会の特別決議という、多数決で決まる通常決議ではなく、区分所有者及び議決権の4分の3以上の承認が必要になります。

区分所有法第31条(規約の設定、変更及び廃止)
規約の設定、変更又は廃止は、区分所有者及び議決権の各四分の三以上の多数による集会の決議によつてする。この場合において、規約の設定、変更又は廃止が一部の区分所有者の権利に特別の影響を及ぼすべきときは、その承諾を得なければならない。

さらに、規約を変えることにより、一部の区分所有者の権利に特別の影響を及ぼすときは、その承諾を得なければならないとされています。

承諾を得なければならない

ということですが、例えばよくある事例として、本来ならばペット飼育可のマンションがあって、規約によりペット飼育不可にする場合を考えてみます。

この場合は、ペットを飼っていた区分所有者に対して、特別な影響を及ぼすこととなります。

規約が改正されてしまうと、その方にとってはペットが飼えなくなる事態が発生します。

そのため、その方に規約を変更することに対して、承諾を得なければなりません。

令和4年6月に施行されたばかりの動物愛護法や、保護猫、保護犬等ペット飼育の問題が社会問題化する中で、急遽ペットを飼わないということは買主にもできないでしょう。

管理組合として、そのペットを飼育する間は可とするなど、調整が必要になってくるかもしれません。

使用細則変更時の確認ポイントと手続き

規約には含まれていないルールとして、細部にわたる取り決めを行う使用細則があります。

標準管理規約第18条(使用細則)
対象物件の使用については、別に使用細則を定めるものとする。

とあるので、規約の外で定められるものとなります。

おもな使用細則の種類

たとえば、先ほどのペットの例を挙げると、「ペットを飼っていい」「飼ってはいけない」は規約で定め、飼ってもよい場合のルールとして具体的に定めるのは使用細則(ペット飼育細則)にて定めるという具合です。

他にも、駐車場や駐輪場の使用方法を細かく定める「駐車場使用細則」「駐輪場使用細則」、集会室の利用方法を定めた「集会室使用細則」、専有部分をリフォームする際に定めたルールである「専有部分修繕細則」などが挙げられます。

特に何かを定めなければならないというのではなく、管理組合でルールとして必要となった場合で、規約の定めでは漠然としすぎる場合に制定することが多いです。

そのため、マンションによっては有り無しがあり、どこにでもあるという訳ではありません。

使用細則の制定、変更も総会の決議が必要

前述しましたが、使用細則もマンションの住民が守るべきルールです。

制定や変更には総会の普通決議が必要です。

標準管理規約に準ずると、区分所有者の半数以上が参加する総会での過半数という決議で決めるので、管理規約の改正に比べると決議しやすいものですが、こちらも総会で決める必要があり、理事会等で役員だけで決めたりすることはできない点に注意が必要です。

まとめ

時代の流れとともに、管理規約や使用細則といったルールも生活しやすさと乖離することとなります。

定期的な見直しをかけることで、マンション管理上、住みやすさを提供することも可能になります。

規約や細則がなにか現状と違うなと思ったら、いっそのこと変更を提案してみることも一案でしょう。

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