将来的に有望なマンション管理士試験とは【難易度や合格率など】

マンション管理

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マンションの高経年化や、住民の高齢化に伴い、マンションの管理に関して今後益々フォーカスが当てられるなかで、マンション管理士の試験が引き続き根強い人気資格となっています。

筆者も資格を取得して活動しているマンション管理士とは、具体的にどのような資格なのか、今回改めて紹介します。

マンション増で注目のマンション管理士試験とは【難易度や合格率】

マンション管理士試験について、以下の内容で紹介します。

・マンション管理士とは
・マンション管理士試験の概要
・これまでのマンション管理士試験の合格者数や合格率は
・マンション管理士試験の応募状況は

毎年一定数の受験があるマンション管理士試験ですが、合格者数は一定程度に抑えられている、難関資格として位置づけられる資格です。

今後のニーズも非常にあるマンション管理士ですが、どのような資格なのか改めてご紹介します。

マンション管理士とは

上記の固定ページ「マンション管理士とFP」でも少し触れていますが、マンション管理士とは、国土交通省のホームページによると

 マンション管理士とは、専門的知識をもって、管理組合の運営、建物構造上の技術的問題等マンションの管理に関して、管理組合の管理者等又はマンションの区分所有者等の相談に応じ、助言、指導その他の援助を行うことを業務とします。
マンション管理士になるには、マンション管理士試験に合格し、マンション管理士として登録することが必要です。

マンション管理士自体が、平成13年8月に施行された、マンション管理適正化法に基づく国家資格であり、歴史としても20年強という、他の資格に比べると比較的歴史が浅い資格です。

そのため、認知度はまだまだ他の士業資格に比べると低いですが、日本が都市圏を中心にマンションが終の棲家となっていることや、高経年マンションが増え続ける現状、今後ニーズが非常に高い資格として位置づけられています。

マンション管理士自体は、中小企業診断士や技術士、ファイナンシャル・プランナー(1級ファイナンシャル・プランニング技能士など)と同様に名称独占資格です。

しかしながら、最近では「管理計画認定制度」における事前確認業務は、一定の講習を受けたマンション管理士しか行うことができないという、いわゆる独占業務に近い形の業務も発生し始めています。

マンション管理士試験の概要

試験主催団体の公益財団法人マンション管理センターの情報では、以下の通り紹介があります。

令和5年度の試験の場合です。

1.想定されるマンション管理士試験の内容

(1)マンションの管理に関する法令及び実務に関すること 建物の区分所有等に関する法律、被災区分所有建物の再建等に関する特別措置法、マンションの建替え等の円滑化に関する法律、民法(取引、契約等マンション管理に関するもの)、不動産登記法、マンション標準管理規約、マンション標準管理委託契約書、マンションの管理に関するその他の法律(建築基準法、都市計画法、消防法、住宅の品質確保の促進等に関する法律等) 等
(2)管理組合の運営の円滑化に関すること 管理組合の組織と運営(集会の運営等)、管理組合の業務と役割(役員、理事会の役割等)、管理組合の苦情対応と対策、管理組合の訴訟と判例、管理組合の会計 等
(3)マンションの建物及び附属施設の構造及び設備に関すること マンションの構造・設備、長期修繕計画、建物・設備の診断、大規模修繕 等
(4)マンションの管理の適正化の推進に関する法律に関すること マンションの管理の適正化の推進に関する法律、マンション管理の適正化の推進を図るための基本的な方針 等

※出題に係る法令等については、令和5年4月1日において施行されている法令等です。

2.試験期日及び時間
令和5年11月26日(日) 午後1時~3時

3.試験地
札幌市、仙台市、東京都、名古屋市、大阪市、広島市、福岡市及び那覇市並びにこれらの周辺地域

4.受験資格
年齢、学歴等に関係なく、どなたでも受験できます。

2時間の試験の中で、50問4択式は、不動産関連の試験で一般的な内容ですが、マンション管理士試験は比較的重箱の隅をつつくような、突っ込んだ内容がでてくるため、回答を選ぶのにも一苦労します。

そのため、ある程度の学習を行って試験に臨むことも求められるでしょう。

これまでのマンション管理士試験の合格者数や合格率は

これまでのマンション管理士試験の合格者数や合格率、さらには合格点の推移は以下のとおりです。

ほぼ8~9%台の合格率で、ほとんどの年で10%を切る難関資格であることが分かります。

年度 受験者数 合格者数 合格率 合格点
2001年度 96,906 7,213 7.44% 38
2002年度 53,317 3,719 6.98% 36
2003年度 37,752 3,021 8.00% 38
2004年度 31,278 2,746 8.78% 30
2005年度 26,184 1,909 7.29% 34
2006年度 21,743 1,814 8.34% 37
2007年度 19,980 1,479 7.40% 36
2008年度 19,301 1,666 8.63% 37
2009年度 19,120 1,444 7.55% 34
2010年度 17,704 1,524 8.61% 37
2011年度 17,088 1,587 9.29% 36
2012年度 16,404 1,498 9.13% 34
2013年度 15,383 1,265 8.22% 38
2014年度 14,937 1,260 8.44% 36
2015年度 14,092 1,158 8.22% 38
2016年度 13,737 1,101 8.01% 35
2017年度 13,037 1,168 8.96% 36
2018年度 12,389 975 7.87% 38
2019年度 12,021 991 8.24% 37
2020年度 12,198 1,045 8.57% 36
2021年度 12,520 1,238 9.89% 38
2022年度 12,209 1,402 11.48% 40
合計 509,300 41,223 8.09% 36.32

※合格点の列の合計は全実施における平均点です

マンション管理士試験の応募状況は

令和5年度における、マンション管理士試験の応募状況は以下のとおりです。

東京、大阪会場が多く、この2地域で8割近くを占めています。

全体的に全国のマンションの分布状況に近い形でしょうか。

約4割が、試験の一部を免除される者で構成されています。

マンションのフロント資格である管理業務主任者の資格を持っていれば、46~50問目のマンション管理適正化法関連が免除されるというものです。

年齢別では、50代以上が半分以上を占めており、マンション管理士受験者は高年齢者が比較的多いことが分かります。

逆に40代以下で取得すると、その人数も少ないことから、早い段階でマンション管理士についてのスキルも積むことができるうえ、シニアになった将来的には有利に業務を進めることができるといえるかもしれません。

マンション管理士は色々な意味で一定の難易度がある資格

マンション管理士に合格するためには、ある程度の学習が必要であるうえ、合格してからも一定の経験を積んでいく必要があります。

マンション管理会社や不動産関連等でマンション管理のことに詳しい方は、問題内容や実務においても基本的なことは理解できるでしょう。

しかしながら、管理組合に対するコンサルティングはビジネスでもあり、ビジネスの基礎的な所やノウハウがないと、マンション管理の知識だけでは難しいともいえます。

逆に、筆者のようにマンション管理や不動産業界に所属していなくても、可能性があるといえるかもしれません。

今年の試験は既に締め切っていますが、来年以降受験を考えている方や、将来マンション管理士として活躍されたい方の参考にされば幸いです。

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