【管理組合Q&A】1階住民はエレベーター費用を減額できるのか?他

マンション管理

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マンション管理について基本的な課題や質問を、質疑形式で紹介します。

今回は

・エレベーターの使用に関すること
・理事長や理事宛に問い合わせが多くなることに対する対策

について、説明します。

※Q&Aについては、筆者が所属する浜管ネット(横浜マンション管理ネットワーク)や、マンション管理センター等の切り口も参考にしながら記載しています。

【管理組合Q&A】1階住民はエレベーター費用を減額できるのか?他

今回紹介する内容は次のとおりです。

・1階の住民からエレベーターを使用しないので費用を減額して欲しいと言われたがどう対応すればよいか?
・理事長宛に度重なる質問があり対応に困っているがどう対応すればよいか?

このような課題に対する対応策を考えていきます。

エレベーターのあるマンションにおいて、1階住民は使わないこともあるでしょう。

1階の住民から、

エレベーターを使わないから、その分の管理費や修繕費用を減額して欲しい

という要請もあるかもしれません。

また、

一部の区分所有者から、繰り返し理事長や理事に対する質問があり、回答に困る

ことも考えられます。

どちらもマンションに住んでいると考えられる悩みです。

また理事長や理事に対して質問があればより悩むことになるでしょう。

今回はこれらの質問に対する対応方法を考えてみます。

1階の住民からエレベーターを使用しないので費用を減額して欲しいと言われたがどう対応すればよいか?

1階に住んでいる場合は、エレベーターを使わないという可能性はあります。

この点について検討の余地があるのか、確認してみます。

共用部分の使用は区分所有者にとって利害が一致しないことが多い

1階に住んでいる方にとっては、

「マンションのエントランスに入って、エレベーターや階段を使わずに自分自身の住戸にいける」

という便利な点が挙げられます。

一方で、

「1階に住んでいる場合はエレベーターは使わないから、そのエレベーターに使用する費用は除外して欲しい」

こんな要請も考えられるかもしれません。

しかしながら、1階の方が他の階の区分所有者を伝達等のために訪問することもあるでしょう。

また、2階に住んでいる人からすれば、

「エレベーターは使わず階段で上り下りするので、10階に住んでいる人よりも安くして欲しい…」

もあるかもしれません。

ロビーにソファがあるマンションなら、

「私はロビーのソファを一切使わないから、管理費を安くして欲しい」

なども考えられます。

このように、区分所有者の利害は挙げたらきりがありません。

区分所有建物においては、住んでいる人全員の利害は必ずしも一致しないでしょう。

共用部分における合理的な考え方は?

このように、共用部分においての個別の利害得失が数多くあるります。

そのため、

管理費等の負担は専有部分の面積に応じて負担することが一定の合理性がある

とされています。

具体的に、標準管理規約第25条2項では、

管理費等の額については、各区分所有者の共用部分の共有持分に応じて算出するものとする。

とあります。「共用部分の共有持分」とは、

共用部分の全体を1とした場合に、自分自身の住戸がどれぐらいの割合を所有しているか

ということです。

各戸ごとに管理規約に定められていることが一般的です。

その持分において管理費等を算出するということになります。

また、25条関係のコメントにおいて、

管理費等の負担割合を定めるに当たっては、使用頻度等は勘案しない。

と明文化されているため、前述の

「1階住民がエレベーターに関する費用の減額」は難しい

といえます。

マンションの管理においては、使用頻度において格差があったとしても、一律とすることが一般的な考え方となっています。

理事長宛に度重なる質問があり対応に困っているがどう対応すればよいか?

マンションの代表として位置づけられる理事長宛に、各区分所有者からの要請が集まることも多いでしょう。

「理事長に言えば、なんとかして貰える、また自分の主張が通る」

そのような印象を持って理事長に直談判してくる区分所有者もいると聞きます。

理事長は業務について総会で報告することは義務ではありますが、区分所有者に対して個別で報告することまでは求められていません。

場合によっては、区分所有者のことを配慮して他の理事を含めて理事会で討議して回答する場合も考えられます。

頻度が高く理事長の負担になる場合は、義務はないと考えられます。

具体的な判例として、東京地方裁判所平成4年5月22日判決の、

理事長は、区分所有法25条及び管理規約の規定により、区分所有者の過半数が出席した総会で議決権の過半数により選任された理事数名の中から、互選によって選出されたにすぎず、個々の区分所有者から直接管理者となることを委任されたものではないから、理事長が個々の区分所有者の受任者であるとみることはできない。

という判決がでています。
※参考:委任契約における報告義務(駒澤大学 土居俊平教授)132ページより

理事長は総会で業務上の説明を尽くせばよいでしょう。

必ずしも度重なる質問をする区分所有者個別に対する説明を尽くさなければならないことではありません。

管理組合内で管理規約をはじめとしたルールを守ることの重要性

マンションは区分所有者がエレベーターやエントランス等の共用部分を共同利用するなど、共同生活が基本となり、そのためにはルールの順守が重要です。

また、管理組合内では理事長という立場や理事という立場もあり、それぞれの役割を果たしていく必要があります。

それぞれの立場であっても、管理規約や使用細則等を遵守しながら、管理組合全体で適正なマンション管理を考えていくことが必要といえるでしょう。

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