マンション管理適正評価制度の評価状況(マンション管理新聞)

マンション管理

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2022年4月にマンション管理業協会のマンション管理適正評価制度が開始されてから、2年程度が経とうとしています。

最新のマンション管理新聞に興味深いデータが掲載されていました。

一部紹介します。

マンション管理適正評価制度とは

上記のリンクにも一部記載がありますが、

マンション管理適正評価制度とは、マンションの管理状態や管理組合運営の状態を6段階で評価し、インターネットを通じて情報を公開する仕組み※です。
※専門家による評価を受け、総会で決議し、管理組合自らの責任(自己認証)で、情報開示を行うものです。

とホームページには記載があります。

マンションの管理会社のマンション管理業協会が独自で進めるマンションの評価制度です。

上記リンクから確認すると、2023年12月末の登録件数は2,624件とのことです。

6段階のうち、★5(最高)~★2までがマンション管理新聞に掲載されており、以下のような状況となっています。


※マンション管理新聞第1245号より

★5が291件、★4が444件、★3が457件、★2が167件とのことです。

そして、★1と★0の評価の登録はないとのことです。

またグラフにある「認定」というのが、この後にも触れる、自治体の管理計画認定制度も取得したマンションの数です。

★5が44件、★4が9件で合計53件とのことです。

マンション管理適正評価制度と管理計画認定制度の関係

管理業協会が進めるマンション管理適正評価制度と、名前が似ていてややこしいのですが、自治体が進める管理計画認定制度は同時に取得することも可能です。

マンション管理適正評価制度の取得をする際に、同時に管理計画認定制度の取得も狙っていくという形です。

同時に取得するいわゆる

「ワンストップ申請」はマンション管理新聞によると49件とのことです。

前章で双方取得しているのは53件と紹介しましたが、差し引き4件は各制度個別で取得したということでしょう。

個別に取得するということは、それぞれ別々で応募するということで、管理組合には相応の労力が必要となります。

それでも取得したいという、かなりの意識が高いマンションといえます。

マンション管理適正評価制度と管理計画認定制度の違い

筆者が気になったのはこの双方の違いで、管理計画認定制度で評価されたマンションであっても、管理計画認定制度の評価条件を満たしていない点があるということです。

データ化されたのを確認したことがなかったため、改めて気になった点を挙げます。

修繕積立金の平均額について適正評価制度マンションの3割以上が未達

マンション管理新聞では、

マンション管理適正評価制度の登録件数1,359件のうち、全体の32.3%は修繕積立金の「平均額」が管理計画認定制度の基準に達していなかった。

と記載されています。

さらに、新聞では

32.2%が「修繕積立金の額が著しく低額である」と評価された。
さらに「長期修繕計画全体での修繕積立金の総額から算定された修繕積立金の平均額」が国の基準を満たしている割合は65.9%。国の基準を満たしていない、または長期修繕計画がないため算出できないケースが32.3%に上った。

とあります。
※32.2%が「修繕積立金の額が著しく低額である」と評価された。のデータは不明

図3として、以下のグラフが付いていました。


※マンション管理新聞第1245号より

また、同号の別の記事ですが、国土交通省が8月10日に

「今後のマンション政策のあり方に関する検討会」の取りまとめを公表した

とあります。

恐らくは、こちら

のものを参照したのでしょう。

長期修繕計画の各要件に対する準拠状況の差

そして、新聞には、グラフ①として、以下の要件について紹介されています。


※マンション管理新聞第1245号より

長期修繕計画の準拠状況は?

おなじみの項目ですが、

・「長期修繕計画標準様式」に準拠しているか
・「推定工事項目」19項目の内容が含まれているか
・修繕積立金の月当たり㎡単価を記載した様式が含まれているか

について、マンション管理適正評価制度で評価されたマンションには含まれていない割合が多くなっています。

もちろん、管理業協会の基準と自治体(国)の評価基準に違いがあり、差異が出るのは考えられます。

管理計画認定制度の評価が進まない理由も、自治体の手間や負担とともに、評価内容の厳しさ等も含めてあるのかと、何となく感じた次第です。

今週同じくして発売した、週刊エコノミスト2023年8月29日号にも、

『昨年4月開始も……自治体の管理計画認定制度 「管理不全」のあぶり出し不発』

として紹介されています。

マンション管理適正評価制度と管理計画認定制度の各状況は?

マンション管理適正評価制度は★が付いて売買の際にも分かりやすいでしょう。

一方で、

評価マンションが1,359件(記事当時。直近では2,624件)

と多くのマンションで浸透し始めている中、自治体のお墨付きではない点はあります。

そして、管理計画認定制度の認定マンションで掲載されているのは、

8月16日時点で132件

と新聞には記載がありました。

※2024年2月23日時点では481件まで増加

徐々にこちらも増えている状況です。

ただ、マンション管理適正評価制度の10分の1程度といった感じです。

浸透については、まだまだこれからでしょうか。

自治体の取り組みなので、順次ということもあるかもしれません。

制度の浸透やマンションに対する制度のメリットなど認知されるでしょう。

更に管理健全マンションが増加することを願っています。

まとめ

マンション管理業協会のマンション管理適正評価制度の記事を中心に紹介しました。

関連で、自治体の管理計画認定制度についての評価状況についても紹介しました。

2022年4月に始まりましたが、評価されるマンションが今後増えてくるでしょう。

どちらの制度にせよ、マンションの管理組合としては資産価値向上の観点から取り組む価値はありそうです。

今後の動向を引き続き確認していきたいと思います。

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