マンション管理計画認定を受けるまでの申請手続き

マンション管理

マンション管理計画認定制度について3回に分けて記載していますが、最後に申請手続きの流れを、横浜市の例を用いて簡単に紹介します。

マンション管理計画認定申請の流れ

認定を受けるための申請の流れは、横浜市「認定申請の手引き」によると、以下の通りとなります。

※横浜市 マンションの「管理計画認定制度」より抜粋

それぞれのステップについて確認していきます。

前回同様に、【解説】で申請マンションが満たすべき事項や注意点を、更に具体的に筆者が説明します。

ステップ1 事前確認

①管理計画認定申請決議

認定申請にあたっては、その旨を管理組合の集会(総会)で決議を得ます。

【解説】マンション管理計画認定制度の認定を受けるためには、必ず管理組合総会の承認を得てから手続きをスタートすることになります。

「③認定基準に満たしているか確認」でも説明しますが、この段階で承認を得た議事録を提出しなければなりませんので、必ず総会承認を得ている必要があります。

②管理計画認定のための申請書類の事前確認依頼

申請決議後、作成した管理計画が認定基準を満たしているかどうか、横浜市への申請の前に、(公財)マンション管理センターの事前確認講習を受けたマンション管理⼠による事前確認(※)が必要です。
※ 事前確認は4パターンあります。

【解説】作成した管理計画について、提出しても問題ないものであるか、事前に確認講習を受けたマンション管理士による事前確認を行うこととなっています。

次章で「【参考】事前確認の4パターン」として解説していますので、詳細はそちらをご参照頂ければと思います。

③管理計画認定基準に適合しているか確認

管理計画認定⼿続⽀援システム(※1)に必要事項を⼊⼒し、必要書類(※2)をアップロードします。⼊⼒された内容と書類について、(公財)マンション管理センターの事前確認講習を受けたマンション管理⼠が、認定基準を満たしているか確認します。
※1 管理計画認定⼿続⽀援システムの利⽤⽅法は、(公財)マンション管理センター作成の「利⽤案内」を必ずご確認ください。横浜市の HP にも掲載しています。
※2 必要書類は本⼿引き8ページ(3)必要書類(事前確認時に提出)をご確認ください。

【解説】※1にあるシステムの利用方法については、(公財)マンション管理センター作成の「利⽤案内」に記載があります。

しかしながら、マンション管理組合にとってはこの内容は分かりづらく、どういう形で手続きを取ったらよいのか、理事長や理事の手間になると想定されます。

(公財)マンション管理センターかもしくは弊所へお問い合わせ頂きましたら、対応方法等のご説明もすることが可能です。

また、※2 必要書類は本⼿引き8ページ(3)必要書類の内容は以下の通りとなります。

※横浜市 管理計画認定制度 認定申請の⼿引き  8ページより抜粋

認定計画申請について、総会で承認した場合であっても、これらの書類が予め管理組合として保管されているかを、確認しておく必要があるでしょう。

総会で承認したにも関わらず提出できないということが無いように、管理組合内でまずは当マンションとして申請できる状態にあるのかをご確認されたうえで、総会決議に諮ることが求められます。

④事前確認適合証の発⾏

事前確認の結果、認定基準を満たすと認められたものについては、システム上で(公財)マンション管理センターから「事前確認適合証」が発⾏され、メールで通知されます。

【解説】「管理計画認定手続支援サービス」のシステム上で、申請マンションが事前確認の結果認定基準を満たすと認められた場合には、「事前確認適合証」が発行されることとなります。

システムから適合証をダウンロードすることができます。

ステップ2 管理計画認定申請

続いて、認定のための申請について確認しておきます。

⑤横浜市へ管理計画認定申請

適合通知メールが届いたら、管理計画認定⼿続⽀援システムで「事前確認適合証」をダウンロードした上で、「認定申請」ボタンを押すことで、横浜市へ認定申請を⾏います。(※)
※ 認定申請書がシステム上で⾃動作成されます。

【解説】システム上の流れで横浜市に認定申請を行うことができます。

事前確認を行っていることで、そのあとの手続きは非常にスムーズにいきます。

⑥横浜市への事務⼿数料の⽀払

認定申請にあたっては、事務⼿数料(※)の納付が必要です。⼿数料の「納⼊通知書」を申請者様宛に郵送しますので、お近くの指定⾦融機関でお⽀払いください。
⼿数料が納付されたことを確認した後に、横浜市で内容確認を開始します。

【解説】忘れずに手数料を納付しないと、認定がなされないことになりますので、納入通知書が送られてきたら、遅滞なく納付をする必要があります。

⑦認定通知書の発⾏

内容に問題がなければ、横浜市から認定通知書(市⻑印⼊り)を郵送します。
※ 認定されると認定完了メールが届き、システム上でも認定通知書(⾒本)がダウンロードできるようになりますが、正式な認定通知書ではありませんのでご注意ください。

【解説】正式な認定通知書は、横浜市長印(自治体の長の印)入りのものが郵送されてきますので、それをもって正式認定となります。

事前確認の4パターン

事前確認方法には4パターンあって、このどれかを経由して申請することとなります。

横浜市への認定申請の前に、(公財)マンション管理センターの事前確認講習を受けたマンション管理⼠が、認定基準を満たしているか事前確認を⾏います。事前確認は、次の4パターンがあります。

※横浜市 管理計画認定制度 認定申請の⼿引き  5ページより抜粋

4パターンについて、それぞれ確認していきます。また、

※ 申請マンションの区分所有者及び管理委託先の担当者であるマンション管理⼠は、当該マンションの事前確認はできませんのでご注意ください。
と記載がありますが、申請マンションの区分所有者でもあるマンション管理士に直接依頼することや、管理委託先管理会社に所属するマンション管理士は、当然当該マンションの評価を良くしようという動きが働くことから、客観的な確認が取れないこととなります。
 
そのため、除外されており4パターンから依頼された、利害関係のないマンション管理士が事前確認を行うこととなります。
 
横浜市の例を用いていますが、基本各自治体も同様の流れになります。

パターン①︓(公財)マンション管理センターに直接依頼する

  

管理組合がマンション管理センターに直接システムで事前確認申請を行うパターンです。

マンション管理センターが受領後、確認講習を受けたマンション管理士に依頼します。

確認後、マンション管理センターからフィードバックがあり、事前確認適合証を発行して、管理組合が自治体(横浜市)に申請するパターンです。

パターン②︓マンション管理⼠(※)に依頼する

申請マンションの区分所有者である、確認することができる資格を持ったマンション管理士や、管理会社の担当マンション管理士は、客観的な判断ができないことから除外されます。

その他のマンション管理士に依頼することで、事前確認を行い完了したことを受けます。

その後、マンション管理士からのお墨付きをもらった形でマンション管理センターへ事前確認申請し、問題なければ事前確認適合証の発行を受けることとなります。

パターン③︓管理委託先(マンション管理業協会)に依頼する

身近に接している管理会社を通じて申請依頼をするケースが比較的多く想定されます。

その場合は、管理会社が所属している、マンション管理業協会では独自にマンション管理適正評価制度を制度化しています。

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管理会社に依頼することで、管理計画認定制度の認定とマンション管理適正評価制度による認定の双方の認定取得をワンストップで取得することも可能です。

間に管理会社を挟む形であり、その後の流れはパターン①②と変わりません。

パターン④︓⽇本マンション管理⼠会連合会に依頼する

最後のケースは、マンション管理士の団体である、日本マンション管理士会連合会に申請するケースです。

この場合で考えられるのは、管理計画認定制度に加え、同会が実施しているマンション管理適正化診断サービスと併用するパターンです。

こちらは同会所属のマンション管理士が、マンションの管理状況全般を診断し、診断結果で火災保険料を割引、さらに不動産・住宅情報サイトに診断結果を掲載(希望マンションのみ)することで、管理状態な良好な物件であることを開示することもできます。

詳しくはこちら

「マンション管理適正化診断サービス」のご紹介 | 日管連の事業 | 日本マンション管理士会連合会
「マンション管理適正化診断サービス」は、診断業務研修プログラムを修了した診断マンション管理士を管理組合に派遣し、「マンション共用部分診断レポート」を作成・提供するサービスです。

をご参照ください。

まとめ

管理計画認定制度の申請方法について、ご説明しました。

横浜市(または各自治体)から認定されるまでは準備も比較的行ったうえでの対応が必要となります。

一方で、マンション全体の管理状態を、管理組合や理事会として確認する非常に良い機会ともいえるので、余力のあるマンションは是非取り組んで頂ければ、将来に渡って良好な環境を築いていけることとなるでしょう。

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