定期借地権付きマンションが急増? 首都圏で過去最大規模に【2025年最新】

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今回紹介する記事は、最近話題になっている定期借地権のうえにマンションを建てるという記事です。

NHKの記事によると、2025年、首都圏での定期借地権付きマンションの供給が過去最大になる見込みです。

通常の分譲マンションとは異なり、購入後に資産価値が下がるリスクがあるため、慎重な検討が必要です。

本記事では、その背景やリスク、購入のポイントを詳しく解説します。

定期借地権付きマンション供給数 首都圏で過去最大規模見通し

マンションの価格高騰を受けて、期限付きで借りた土地に建設する「定期借地権付きマンション」の供給数がことし首都圏で過去最大規模となる見通しとのこと。

定期借地権付きマンション供給数 首都圏で過去最大規模見通し | NHK
【NHK】マンションの価格高騰を受けて、期限付きで借りた土地に建設する「定期借地権付きマンション」の供給数がことし首都圏で過去最大…

割安で購入できる利点がある一方、資産価値が下がるリスクもあると専門家は指摘しているようです。

マンション価格の高騰を背景に、期限付きで借りた土地に建設される「定期借地権付きマンション」の供給が急増。2025年の首都圏供給数は2000戸と見込まれ、過去最大規模となる可能性もあるようです。

増加の背景とメリット

  • 地主:土地を手放さずに有効活用できる
  • デベロッパー:地価高騰の中、開発用地を確保しやすい
  • 購入者:周辺相場より1割程度安価で購入可能

リスクと注意点

  • 解体積立金や地代の負担が継続的に発生
  • 借地期限が近づくと資産価値が下落する可能性
  • 物件の割安感にとらわれず、慎重な検討が必要

専門家は、今後もマンション価格の上昇が続く中で、定期借地権付きマンションが「購入の選択肢の一つ」となると予測している模様です。

マンション管理士による記事解説 定期借地権付きマンションの注意点

上記の記事の通り、定期借地権付きマンションはメリット、デメリットがあります。

しかしながら、実際購入して住むこととなった場合には、以下のような点も十分検討すべきであると考えられます。

リスクや注意点は購入者側である区分所有者にある

記事のなかでも、リスクは購入側である区分所有者にあると考えられます。

すなわち、

・便利の良い立地
・1割程度安い価格で購入可能

というメリットに対して、

・解体積立金(≒修繕積立金)
・地代負担(所有権ではないため)
・借地期限による資産価値低下(期限前は定期借家のような位置づけになってしまう)
・それでもローンを組めば返済は必要
・将来必ず出ていかなければならない

というデメリットや注意点もあります。

定期借地権付きマンションは「分譲と賃貸の中間的な存在」

定期借地権付きマンションの購入者は、土地の所有権を持たず、建物のみを所有するという特性上、通常の分譲マンションと比べて制約が多く、賃貸住宅に近い側面もあると言えます。

所有権がないため、資産形成がしづらい

一般の分譲マンションは、土地と建物の両方を所有するため、資産価値が維持されやすいですが、定期借地権付きマンションは、契約期間の終了とともに建物の所有権も消滅します。

そのため、住宅ローンを完済しても、最終的に手元に何も残らないという点は、賃貸と共通しています。

売却や相続のハードルが高い

借地期間が短くなるにつれて資産価値が下がるため、売却しづらくなるリスクがあります。

また、相続時には相続人が引き続き住めるものの、長期的な資産として残すことはできません。

毎月「地代」が発生する

通常の分譲マンションでは管理費や修繕積立金のみですが、定期借地権付きマンションでは地主に支払う「地代」が発生します。

これは賃貸住宅の家賃と同じような性質を持ち、ローン完済後も払い続ける必要がある点で、分譲マンションとは異なります。

契約満了時に退去・解体が必要

一般の分譲マンションは、適切な管理を行えば100年以上住み続けることも可能です。

対して、定期借地権付きマンションは契約満了時に建物を取り壊し、更地にして地主に返還しなければなりません。

これは定期借家契約の賃貸住宅と似た性質を持ち、「終の棲家」としては適さない可能性があります。

そもそも、人間の寿命を考えると、それに合わせて住むという考え方はあるかもしれません。

50~70年で解体するという資源の無駄や持続可能な都市づくりに反する

筆者のテーマでもある、「100年続くマンション」という考え方に対して、借地権で建てたマンションは、50~70年で解体することとなります。

すなわち、借地であるが故に、使えるかもしれないマンションを解体せざるを得ない状況となります。

よって、建物の寿命を全うする前に取り壊されるケースが想定されます。

本来、鉄筋コンクリート造のマンションは適切な維持管理をすれば100年以上使用可能とされており、50~70年で解体することは社会的な資源の無駄遣いにつながる可能性もあります。

また、将来的に環境負荷の問題も指摘される可能性があります。

建築時の資材調達、施工そして解体や廃棄にかかるCO₂排出は決して少なくなく、短いスパンで解体を前提とした開発が進めば、持続可能な都市づくりに逆行する恐れもあります。

定期借地権付マンションは安くて便利な所に住めるもののリスクもある

記事を見ながら他の切り口も考えてみましたが、上記のような区分所有者や社会的な課題も発生すると考えられます。

都心に近く便利ではあるものの、社会的な意義や将来を想定して住むことが求められそうです。

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