今回は比較的多い、管理組合と自治会の関係についてです。
なかでも、管理費と自治会費についての区別がつかないことも多いでしょう。
まず管理費から自治会費を払うことができるのかについて紹介します。
そして、自治会コミュニティへの参加についても記載します。
管理費から自治会費を払うことは可能でしょうか?
マンション管理組合として、管理費を一括で徴収していることかと考えられます。
その中から地域の自治活動に活用される自治会費への支出は可能なのでしょうか。
規約の定めや総会の決議で可能
結論として、明確に規約に定めておいたり、総会で決議すれば可能と言えるでしょう。
曖昧な状態で管理費から自治会費を支払うとなった際は注意が必要です。
場合によっては管理組合内で問題となる可能性があります。
具体的には、標準管理規約の第32条(管理組合の業務)12号は、「マンション及び周辺の風紀、秩序及び安全の維持、防災並びに居住環境の維持及び向上に関する業務」というのも管理組合の中の業務として定められています。
この業務の中に、自治会に関する業務が含まれていれば、話は別となります。
その場合、管理費から充当することについても説明がつくかと考えられます。
管理組合員に対して説明をするための対策
さらに組合員に対して明確にする場合は、管理規約において
・総会において、「地域の自治会活動の中において、管理規約第32条12号に該当する業務が含まれており、管理組合として自治会にこの業務を委託することから、管理費から自治会費を充当する」
など、定めておくことが望まれます。
国土交通省はマンション管理適正化に関する指針において、以下のように記載されています。

また、曖昧にせずに明確に管理費と自治会費を区分して徴収するのがよいでしょう。
コミュニティ活動の管理組合員の関与は必要でしょうか?
続いて、地域のコミュニティ活動に関する内容です。
管理費の充当や、管理組合員の関与はどれぐらい必要なのか、確認していきます。
地域のコミュニティ活動に対する管理費からの充当
コミュニティ活動として、マンション、特に団地においては、ラジオ体操や、マンション住民を中心としたイベント等、任意参加が可能なものが比較的あるでしょう。
このような活動に対し、管理費から充当していることも大いに考えられます。
一方参加者の中には、管理組合員以外の地域の住民の参加もあるかもしれません。
この場合、管理組合員から管理費の適切な支出なのかという指摘も出そうです。
管理費は、管理組合が強制的に徴収するものに対して、自治会費や町内会費は、標準管理規約第27条コメント(全体の52ページ、コメントの18ページ)によると、
と記載されているため、支出においては留意する必要があります。
管理費と自治会費、町内会費の位置づけ
標準管理規約のコメントにおいては、以下のような指摘があります。
自治会費又は町内会費等を管理費等と一体で徴収している場合の注意点です。
以下の点に留意すべきであると指摘しています。
イ 自治会又は町内会等への加入を希望しない者から自治会費又は町内会費等の徴収を行わないこと。
ウ 自治会費又は町内会費等を管理費とは区分経理すること。
エ 管理組合による自治会費又は町内会費等の代行徴収に係る負担について整理すること。
標準管理規約第27条コメントより
管理組合員のコミュニティ活動への関与
マンションの管理組合も、地域と協力する必要がある地域や地区の一員として、トラブルや防災、防犯の観点からも近隣の自治会や町内会とも連携していく必要があります。
そのためには、普段からのコミュニティも必要とされる視点です。
前章で紹介した、マンションのコミュニティ形成とともに、管理組合としてどのような方針で臨んでいくのか、決めていくことが求められるでしょう。
上記の記事にて、管理組合と自治会・町内会の位置づけを明確にしております。
参考までにご確認ください。
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