マンション管理組合向け!防災・管理に役立つ名簿作成・利用術

マンション管理

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マンション管理組合としてどの程度の名簿を作成しなければならないのか?

または、

名簿を作成したけれど、どのように役立てればよいのか?

さらには、

名簿の更新はどのように運用すればよいのか?

このような疑問を持たれている管理組合も多いと思います。

今回は、災害時や管理組合の管理において重要な名簿について、具体的な対応策を紹介したいと思います。

マンション管理組合向け!防災・管理に役立つ名簿作成・利用術

今回紹介する内容は以下の通りです。

・マンション管理組合で作成すべき名簿は?
・作成した名簿の活用方法は?
・名簿作成時に遵守すべき事項とは?

災害時や総会対応時、さらには住民の高齢化や一人住まいケースの増加に備えて、マンションにおける名簿の存在が重要になってきています。

マンションの住民は都度変わることから、管理するのも大変でしょう。

小規模のマンションの場合はまだ住民の変更も少ないですが、数百戸のタワーマンションや団地であれば、その管理も大変です。

もちろん、管理組合だけではなく、担当の管理会社が支援することが一般的でしょう。

このようなことが想定される名簿ですが、マンション管理組合での活用方法や遵守すべき事項について紹介します。

マンション管理組合で作成すべき名簿は?

まず初めに、マンション管理組合としてそもそもどのような名簿を準備しておかなければならないのか、具体的に紹介します。

区分所有者名簿

マンションの各住戸の持ち主は誰なのかという、区分所有者の名簿が必要になります。

具体的には、以下の項目を織り込んでおく必要があります。

・号室
・区分所有者名(家族の情報もあれば尚可)
・電話番号(場合によってはメールアドレス)
・外部所有者の場合は住所

これらの情報について、新たに区分所有者となった時点で遅滞なく最新版にしておくことが必要です。

あとあと総会の直前に更新するなど不備があると、新たな区分所有者に情報がいかない可能性もあるため、注意が必要です。

また、この名簿は、管理組合総会の際に総会議案書を配布したり、議決権行使状況を確認したりしなければならず、必ず正確なものを保有しておく必要があるでしょう。

総会の際に、すでに所有者が移転してしまったにもかかわらず、前の区分所有者が残っていることがないように、更新しなければなりません。

また、所有者がマンション内に住んでいなくても、その区分所有者宛に議案書等郵送する必要があることから、外部の住所も把握しておく必要があります。

居住者名簿

区分所有者名簿に加えて、居住者名簿も準備しておく必要があります。

具体的には、以下の項目を織り込んでおく必要があります。

・号室
・居住者名(世帯主だけでなく家族の情報もあれば尚可)
・電話番号(場合によってはメールアドレス)

居住者名簿についても、新たに住民が賃貸等で入居した段階で更新しておくことが望まれます

マンション住戸の持ち主が賃貸に出していることもあり、区分所有者と居住者が違う場合も多く、現時点で住んでいるのは誰なのかを把握しておく必要もあるでしょう。

もし、災害で非難が必要な場合には、居住者の安否確認が必要となるかもしれません。

その際に備えて、居住者名簿も必要となってきます。

作成した名簿の活用方法は?

おもにマンション管理組合として作成が必要な区分所有者名簿と居住者名簿ですが、それぞれどのように活用するのでしょうか。

それぞれについて、用途が違うので確認していきます。

区分所有者名簿のおもな活用方法は?

まず、区分所有者名簿の活用方法についてです。

管理組合総会における議案書や議決権の行使状況の確認

区分所有者名簿として一般的なのは、総会議案書の配布やその後の議決権行使書や委任状の回収でしょう。

議決権行使書の行使状況や委任状の提出状況等は、誰が提出したのかのチェックが必要になります。

また総会当日の参加者が誰なのかも、名簿をもとにチェックをする必要があるでしょう。

さらには、外部所有者に対しては、マンション外の住所に議案書を郵送したり、電話連絡して回収したりすることも必要になります。

このように、区分所有者名簿は総会には欠かせないものとなります。

管理費や修繕積立金の滞納が発生した場合の請求先

管理費や修繕積立金が滞納している区分所有者に対して、回収のために請求が必要となります。

どの区分所有者が滞納しているのかは、未収金状況を見れば分かるものの、さらに名簿があればすぐに連絡がつきます。

速やかな滞納金の回収のためにも、名簿の充実は欠かせません。

空き住戸に対する確認先

区分所有者がしばらく空き住戸にしている場合、住戸がどのような状況になっているのか、確認のために必要になってくるでしょう。

また、窓サッシやドアの交換、ベランダの確認等、専用使用となっている共用部分に関する確認が必要な場合は必ず連絡が必要になります。

年1回に必ず総会を実施することを考えれば、最低でも年1回は連絡を取ることになるものの、常に空き住戸に対して確認できる状態にしておく必要があります。

居住者名簿のおもな活用方法は?

続いて、居住者名簿の活用方法として考えられるものを列挙します。

災害時の迅速な連絡体制

もし災害が起きた場合、各住戸に対して速やかな連絡体制が必要になります。

この場合は、電話やメールによる連絡も想定されることから、最新版に更新しておくことが望まれます。

安否確認や避難誘導、支援活動の円滑化

災害時の連絡体制同様に、安否確認や居住者への避難誘導にも名簿が必要となります。

また、居住者に支援が必要となった場合は、連絡をスムーズに行う手段として、居住者名簿が重要となるでしょう。

自治会に関する連絡や会費徴収

管理組合内に自治会組織があったり、地域の自治会との連携も考えられます。

その場合においては、連絡手段として名簿が有効に機能するかもしれません。

加えて、会費の徴収が必要な場合は、誰から徴収したかのチェックにも名簿が機能する可能性があります。

名簿作成時に遵守すべき事項とは?

区分所有者名簿、居住者名簿それぞれの重要性を確認したところで、各名簿を作成する際に遵守しておくべき事項を紹介します。

個人情報保護法に基づく適正な情報管理

区分所有者名簿と居住者名簿は個人情報が反映されているため、管理組合においては管理を徹底する必要があります。

基本的には、取り扱いは一部の対象者に限定され管理される必要があります。

また、取得の際には利用の目的とともに、個人情報保護に基づき管理を行う旨、区分所有者に対しても徹底することが求められます。

利用の目的の範囲内なら、第三者への提供は可能ですが、目的外である場合は、改めて同意を得ることも必要となります。

管理組合においては、個人情報管理をすることが多い管理会社に対しても確認が必要です。

とりわけ、管理委託契約書で個人情報の取り扱いや責任の所在を確認することが必要でしょう。

目的に合致した名簿利用

名簿作成の際に情報取得に関して利用目的を明確にしていることかと考えられます。

そのため、区分所有者、居住者は情報取得に対する理解を示したうえで提示していることと考えられます。

管理組合としては、利用目的に合致した名簿の使用が求められます。

定期的な見直しによって最新版の名簿を

国や自治体が実践するマンション管理計画認定制度では、

・管理組合が組合員名簿、居住者名簿を備えている
・一年に一回以上は内容の確認を行っている
・これらに対して理事長が実施していることを表明する

というチェックがあります。

すなわち、一年に一回以上は内容の確認を行い、最新版になっているということが必要であると考えられます。

一年に一回だと、内容確認直後に区分所有者または居住者になった方が反映されない可能性があります。

そのため、入居の際に都度更新することが望まれます。

基本的には、入居時に区分所有者、居住者は管理組合に対して居住者名、連絡先を伝えます。

入居時に漏れなく更新することが、常に最新版となることから、運用上良いでしょう。

定期、継続的な見直しとともに適切な運用を

区分所有者、居住者の各名簿は、最新版になっていないとその役割を果たせません。

そのため、誰が所有者なのか、また誰が住んでいるのか、災害等にも備えてタイムリーに把握しておく必要があります。

また、これらを管理組合として個人情報保護に則った適切な活用を行うことが求められます。

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