【YouTube解説】管理組合役員になれない人とは?(免除との違いも説明)【令和8年マンション法改正対応済】

管理規約解説

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管理組合において役員になれない区分所有者がいるって知ったけど、どういう内容なのだろうか…?

また、

役員の欠格事由ってどういう内容だろうか…?

さらには、

管理組合役員の欠格事由は免除されることとどう違うのだろうか…?

このように、役員就任に関する取り決めについて、細かな所は分からないという管理組合役員や区分所有者も多いでしょう。

そして、自分が対象なのかどうかも気になる所です。

確かに、どのようなケースが役員になることができない「欠格事由」であり、役員就任を免れることができる「免除」なのか分かりづらいですよね。

今回は、このような内容が明確化されている、マンション標準管理規約第36条の2「役員の欠格条項」を紹介します。

国土交通省が当該条文に対する補足・注意コメントとともに、そこには記載されていない、管理組合として気を付けておいた方がよい情報も、筆者の視点から付加します。

それによって、管理組合役員や区分所有者の理解をより深められるようになればと思っています。

【規約解説】管理組合役員になれない人とは?(免除との違いも説明)

今回紹介する内容は、以下のとおりです。

・マンション標準管理規約第36条の2「役員の欠格条項」を徹底解説!
・第36条の2「役員の欠格条項」の規定に対する補足・注意事項は?
・「役員の欠格条項」に対して管理組合や区分所有者が気を付けておくべき事項は?

まず、最初の章ではマンション標準管理規約第36条の2の条文から、「役員の欠格条項」について、そのままの文面を紹介します。

また、欠格とは必要な資格として欠けているという意味です。

続いて、この条文についての補足事項や、注意しておくべき事項について国土交通省より提示されています。

それらについて、全て抜き出します。

そして、最後の章では第36条の2「役員の欠格条項」の条文や補足事項を踏まえて、管理組合や区分所有者が気を付けておいた方が良い点を、マンション管理士である筆者独自の視点から具体的に紹介します。

特に、最後の章では「欠格事由」と「免除」「除外」の違いや、欠格事由に該当するかどうかのチェック方法等も紹介します。

マンション標準管理規約第36条の2「役員の欠格条項」を徹底解説!

まず初めに、最初の章では第36条の2「役員の欠格条項」の条文を紹介します。
※赤字は令和8年4月の改正箇所

第36条の2「役員の欠格条項」の条文

(役員の欠格条項)
第36条の2 次の各号のいずれかに該当する者は、役員となることができない。
一 破産者で復権を得ない者
拘禁刑以上の刑に処せられ、その執行を終わり、又はその執行を受けることがなくなった日から5年を経過しない者
三 暴力団員等(暴力団員又は暴力団員でなくなった日から5年を経過しない者をいう。)

具体的に、各項目を以下で細かく確認していきます。

第一号 破産者で復権を得ない者(令和8年4月改正)

この号は、破産手続開始の決定を受け、まだ復権していない者を、規約上の役員の欠格事由とするものです。

免責許可決定の確定などによって復権すれば、この号には該当しなくなります。反対に、復権していない間は、管理規約にこの欠格条項が定められている管理組合の役員には就任できません。

なお、令和7年改正前は、「精神の機能の障害により役員の職務を適正に執行するに当たって必要な認知、判断及び意思疎通を適切に行うことができない者」も第一号に含まれていました。

令和7年改正では、会社法や一般社団法人法等の規定を参考に、この部分が削除されました。そのため、現在の第一号は「破産者で復権を得ない者」のみです。

第二号 拘禁刑の執行が終わってから5年を経過していない者(令和8年4月改正)

第二号は、拘禁刑以上の刑に処せられた者について、一定期間の役員就任を制限する規定です。罰金刑などを含む、すべての刑事罰を対象とするものではありません。

具体的には、拘禁刑以上の刑に処せられ、その執行が終了した日、または執行を受けることがなくなった日から5年を経過していない場合は、役員に就任することができません。

流れとしては以下のとおりです。

・拘禁刑に処せられる
・執行が終了、または執行を受けることがなくなる
・その日から5年間は役員に就任できない

なお、刑法改正によって懲役と禁錮が廃止され、令和7年6月1日から拘禁刑に一本化されました。これを受けて、マンション標準管理規約でも「禁錮以上の刑」から「拘禁刑以上の刑」へ文言が改められています。

第三号 暴力団員等の反社会的勢力

第三号では、過去暴力団員等であったとして、暴力団員又は暴力団員でなくなった日から5年を経過しない者は管理組合の役員にはなれないとされています。

いわゆる「反社会的勢力」ではないかどうかと言い換えることもできます。

各号について、それぞれの制約が無くなった段階で、改めて管理組合役員に就任することができます。

そして、次章では、国土交通省が提示する補足・注意事項として、おもに外部専門家役員に対する欠格事由の具体例などがあるので、細かく紹介します。

第36条の2「役員の欠格条項」の規定に対する補足・注意事項は?

この章では、第36条の2「役員の欠格条項」の規定に対する、補足や注意点として国土交通省が考える内容が踏まえられています。

その内容を具体的に紹介します。

外部専門家や暴力団員等反社会的勢力の扱い

まず、外部専門家を役員とすることができる点は、マンション標準管理規約第35条「役員」の中でも解説したとおりです。

それも踏まえて、欠格事由として扱っています。

また、暴力団員等の範囲については、公益社団法人及び公益財団法人の認定等に関する法律(平成18年法律第49号)に定める欠格事由(同法第6条)を参考にしたとのことです。

外部専門家の欠格事由の具体的な内容

上述のマンション標準管理規約第35条「役員」における第4項には

4 組合員以外の者から理事又は監事を選任する場合の選任方法については細則で定める。

とあります。

この考え方で選任方法を定めている場合は、細則にて以下のような役員の欠格条項を定める必要があるとして、以下の通り紹介しています。

ア 個人の専門家の場合

個人事務所等に所属の外部専門家を外部役員として起用する際に、欠格事由として考えられるのは、以下のような場合です。

マンション管理に関する各分野の専門的知識を有する者から役員を選任しようとする場合にあっては、マンション管理士の登録の取消し又は当該分野に係る資格についてこれと同様の処分を受けた者

こちらは、採用例として多いと考えられる「マンション管理士」を挙げていると思われます。

したがって、採用する外部専門家が「建築士」や「弁護士」「税理士」であっても、同様の要件であると考えられます。

イ 法人から専門家の派遣を受ける場合(アに該当する者に加えて)

次に、法人に所属する外部専門家を役員として検討する場合に、欠格事由として考えられる例です。
※赤字は令和8年4月の改正箇所

次のいずれかに該当する法人から派遣される役職員は、外部専門家として役員となることができない。
・ 銀行取引停止処分を受けている法人
マンション管理業者の登録の取消しを受けた法人

「銀行取引停止処分を受けている法人」とは、おもに手形や小切手を2回以上不渡りにした法人が該当します。

会社の信用の問題として、そこからくる外部専門家は起用しないということになります。

さらに、「管理業者の登録の取消しを受けた法人」とは、マンション管理会社において、マンション管理業者としての登録の取消しを受けた法人に所属する専門家は起用しないということになります。

銀行取引停止処分と同様に、法人としての信用に関わる問題と考えられます。

最後の章では、第36条の2「役員の欠格条項」の条文ならびに国土交通省が指摘する補足・注意事項を踏まえ、マンション管理士の筆者から見た気を付けておくべき事項を紹介します。

「役員の欠格条項」に対して管理組合や区分所有者が気を付けておくべき事項は?

ここでは、これまでの章で紹介した内容に加えて、管理組合として気を付けておくべき点を、前述の中では紹介されていない、筆者独自の視点を踏まえて紹介します。

欠格事由と役員から免除・除外できる場合の違い

欠格事由とは、管理規約に定められた事由に該当するため、本人の希望や輪番の順番にかかわらず、役員に就任できないことをいいます。

これに対して「免除」は、本来は役員候補となり得る人について、管理規約や役員選任細則などに定めた条件に基づき、役員への就任を免れることを認める取扱いです。

免除の対象としては、例えば次のようなケースが考えられます。

・一定の年齢以上である場合
・病気や体調不良によって役員の職務を行うことが難しい場合
・遠隔地に居住しており、理事会への出席が難しい場合

ただし、何歳以上を対象とするか、本人からの申出を必要とするか、当然に候補者から外すかなどの取扱いは、それぞれのマンションの管理規約や細則によって異なります。

整理すると、

・欠格:管理規約上、役員に就任する資格がない
・免除:本来は役員候補となり得るが、規約や細則上の条件により就任を免れる

という違いです。

なお、「除外」は、一定の条件に該当する人を自動的に候補者の範囲から外す意味で用いられる場合があります。そのため、「免除」と「除外」は必ずしも同じ取扱いになるとは限りません。

反社会的勢力でないかどうかのチェック

役員候補者が欠格事由に該当するかどうかは、区分所有者名簿だけでは確認できません。一方で、居住者間のうわさや印象だけで判断することも適切ではありません。

実務上は、まず役員候補者本人から、第36条の2各号の欠格事由に該当しない旨の申告や誓約を受ける方法が考えられます。

外部専門家を役員に選任する場合には、資格登録の有無や行政処分歴など、公開情報による確認も有効です。さらに専門業者による反社チェックを行う場合には、その必要性や確認範囲、本人への説明、取得した情報の保管・廃棄方法をあらかじめ整理する必要があります。

特に、犯罪の経歴は個人情報保護法上の要配慮個人情報に該当し、その取得には原則として本人の同意が必要です。そのため、欠格事由の確認を理由として、必要以上に個人情報を収集しないよう注意しなければなりません。

外部専門家役員候補に対する信用調査

前の章で、外部専門家役員の採用を検討する際における、欠格事由として、

・士業としての取り消し処分
・会社としての信用問題

がある場合が紹介されていました。

また、これらを見極めるのもある程度の調査が必要になってきます。

・個人に対しては候補者への十分なヒアリングや客観的な信用調査
・法人から派遣される専門家に対しては、上記に加えて会社としての信用調査

が必要になるでしょう。

要配慮個人情報に抵触する可能性がある

仮に、区分所有者の方で役員となる予定だった方が欠格事由に該当する場合であっても、その方の情報の取り扱いには十分注意する必要があります。

個人情報の中でも、いわゆる要配慮個人情報に該当する可能性があるためです。

要配慮個人情報とは、個人情報の保護に関する法律第二条第3項に、

3この法律において「要配慮個人情報」とは、本人の人種、信条、社会的身分、病歴、犯罪の経歴、犯罪により害を被った事実その他本人に対する不当な差別、偏見その他の不利益が生じないようにその取扱いに特に配慮を要するものとして政令で定める記述等が含まれる個人情報をいう。

とあります。

これまでに紹介した通り、欠格事由に該当する役員候補者の中には、上記に該当する可能性も考えられます。

そのため、管理組合内においては、非常に丁寧に扱っていく必要があると言えそうです。

要配慮個人情報については、個人情報保護委員会の説明

もつけておきます。

また、マンション標準管理規約第64条の2「組合員名簿等の作成、保管」

でも個人情報の取り扱いについて記載していますので、合わせてご参照ください。

マンション標準管理規約やその補足説明だけでは分からない事項もある

今回は、第36条の2「役員の欠格条項」の条文とともに、国土交通省が補足・注意すべき事項について紹介するとともに、筆者独自の視点で管理組合や区分所有者が気を付けておいた方が良い点を紹介しました。

管理組合にとっても、今回の「役員の欠格条項」に限らず、マンション標準管理規約の条文や国土交通省の補足説明だけでは分からないことも多々あるでしょう。

その場合は、当該コラムも参考にしつつ、管理組合内でも対応策を十分に検討されることを推奨いたします。

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