管理会社変更のメリット・デメリット|失敗しない手順と成功のポイント

マンション管理

※当コラムでは商品・サービスのリンク先にプロモーションを含むことがあります。ご了承ください。

今回、管理組合からの質問で比較的多い管理会社の変更について紹介します。

管理組合として、どのようなことに注意したらいいのでしょうか。

今回は管理会社変更について、

・管理組合における管理会社変更の現状と実態
・管理組合が管理会社変更をする理由
・管理会社変更に向けて検討すべきポイントと手順
・管理会社変更の手続きと実際の流れ
・管理会社変更時に注意すべきポイントやリスク

このような内容について紹介します。

今回は筆者がコラム記載や監修をしている管理会社変更サービス

管理会社マッチ

についても、少し紹介します。

管理組合における管理会社変更の現状と実態

まずはじめに、管理組合における管理会社変更の実態を確認しておきましょう。

令和5年度マンション総合調査に見る管理会社変更の傾向

国土交通省が5年ごとに発表している、マンション総合調査では、「マンション管理業者の決定方法」として、分譲時からのマンション管理会社か、それ以降変更したかのリサーチ結果があります。

とりわけ、令和5年度のマンション総合調査の傾向として、

・全ての完成年次別の傾向として、約4分の1の24.5%の管理組合が管理会社変更を実施
・昭和49年以前の築50年以上の管理組合の53.5%と半数以上が管理会社変更を実施
・昭和55年~59年の築40年以上の管理組合でも43.2%が管理会社変更を実施
・さらに平成2年~平成6年の築30年以上でも36.4%が実施
・令和のマンションでも数%と少数ではあるものの管理会社の変更を行っている

という実態が浮かび上がっています。

対して、約7割の69.1%の管理組合が分譲後一度も管理会社変更を行っていないという傾向にあります。

マンション総合調査の傾向は以下の記事

でも紹介しています。

管理会社の種類:分譲デベロッパー系と独立系の違い

分譲マンションの開発デベロッパー系列には、マンションを建てた後に管理組合の支援を行う管理会社を持つところが一般的です。

対して、マンション分譲会社の系列ではなく、マンション管理のみを行う、いわゆる独立系というマンション管理会社も数多く存在します。

そして、この独立系管理会社に管理を委託している管理組合の多くは、もともと分譲系管理会社から変更を行った所も数多くあります。

独立系管理会社の傾向としては、以下の記事

で細かく取り上げています。

また、マンション管理会社のランキングも、デベロッパー系、独立系と傾向を分けて紹介しています。

さらには、どのような管理会社が、どれぐらいの戸数や棟数を管理しているかの傾向も分かるように紹介していますので、是非確認してみてください。

管理組合が管理会社変更をする理由

管理組合が管理会社を変更するおもな理由を紹介します。

今の管理会社に不満がある

不満がある理由として、この視点が考えられます。

・依頼対応が遅い・不十分
・管理員の対応や質に問題がある
・フロント担当者の業務過多で対応が後手に回る

など、様々な要因があるかもしれませんが、管理組合として、また区分所有者としての不満が溜まってきていることも考えられます。

管理委託費の値上げを要請された

次年度の管理委託費において、大幅な値上げを要請された場合も、管理会社変更を検討する要因になります。

値上げの背景にある業界の課題としては、

・管理員をはじめとするマンション管理人員の不足
・マンション管理業界の働き方改革による労働時間の制限
・修繕工事やメンテナンスにおける職人不足や資材高騰

などが考えられます。

管理組合の理事会や総会は、土日や平日の夜が中心となり、担当フロントも長時間労働となってしまうことが多くなります。

そのため、管理会社としても運営コストの上昇が避けられない状況にありますが、管理組合側としては予算の都合もあるため、交渉や変更を検討することが重要になります。

管理会社から契約更新をしないと言われた

管理会社における人員不足によって、これ以上管理業務を受託できないという事情も考えられます。

契約終了のおもな理由としては、

・人員不足による管理業務の縮小
・収益性の低い管理組合の選別
・営業エリアの見直しや撤退

などが想定されます。

管理組合としては、突然の契約解除に備えて、代替案を考えておく必要があります。

管理会社変更に向けて検討すべきポイントと手順

さらに、管理会社変更を検討するにあたり、管理組合としてなにを考えていかなければならないのでしょうか。

おもに検討すべき内容として、簡単に紹介します。

理事会で管理会社変更の可否を検討

検討に際して基本的な点ですが、

・現在の管理会社をそのまま継続するのか
・新たな管理会社にお願いすることを考えるのか

この点を理事会にて整理する必要があります。

あとあと、なぜ管理会社を変更するのかを総会等で説明することとなります。

そのため、着手する段階から、理事長をはじめ理事の間においても、理事会としての見解を明らかにしておく必要があるでしょう。

また、現管理会社に伝えるタイミングも上手く考えるべきです。

管理会社変更のための委員会組織

理事会の中で管理会社変更を検討してもいいでしょう。

しかしながら、

・理事に負担が掛かる
・多くの人を巻き込んで管理会社変更を検討することで合意形成を図りやすくする

などの観点から、管理会社変更を委員会方式で検討することも一つです。

理事会の分科会的な位置づけである委員会で検討した内容について、改めて理事会に上申することで、理事会で承認し進めていく、そのような流れで進める方法です。

これによって、忙しい理事の負担も減少し、業務を分担できることとなります。

こちらの記事

でも紹介していますが、理事会メンバーと委員会メンバーが兼務であれば理事会⇔委員会間の意思疎通も図りやすくなります。

ただし、兼務する理事に負担が掛かってしまう点に注意が必要です。

管理会社候補の選定基準と選び方

現管理会社からの変更する方向性を決め、委員会を組成したあとは、

どのような管理会社にするのかを検討する必要があります。

・新たに管理会社変更が得意なコンサルタントにお願いする
管理会社マッチ等の管理会社変更サイトから探す
・理事会や委員会自らで候補となる管理会社を挙げる

などの方法があります。

管理組合にとってより適した方法を選択して、考えていくとよいでしょう。

管理会社変更の手続きと実際の流れ

また、管理会社変更を考えるにあたって、どのような手続きを経て考えていく必要があるのか、簡単に紹介します。

委員会立ち上げから理事会決議までの手順

前章でも少し触れましたが、管理会社変更を検討することを理事会にて、決議することによって、具体的に進めていくことが必要です。

決議なく曖昧なまま進めてしまうと、責任の所在が曖昧になってしまいます。

・Aさんが変更したいって言ったから
・委員会メンバーが変更したいって言った

など、あとあと出て来ると、管理組合としても不幸な状態になります。

理事会内で管理会社変更を検討することを決議して、具体的に委員会を組成することが流れとして良いでしょう。

また、この場合、現管理会社が理事会を担当することとなるので、理事会内でも変更決議については、管理会社が出席しない場で、内々にやることも考えられます。

ただし、現管理会社側から契約継続しないと通達され検討する場合は、現管理会社からの事情であるため、無理を含めて協力して貰うことも可能かもしれません。

また、次期の管理会社が決まるまで、支援してくれるでしょう。

次章の「管理会社変更を検討する際に注意すべきこと」でも、

この点については記載します。

組合員向け説明会と管理会社候補のプレゼンテーション

委員会で管理会社候補を選定して、理事会でも承認を得たのちに、各管理会社候補から、変更後の管理会社の体制や業務内容について、プレゼンテーションを受けることが重要です。

プレゼンテーションにおいては、

・各参加管理会社の特徴
・予定されるフロント担当者やその上司
・業務内容と金額

が明確になるため、組合員は必ず出ておいた方がよいでしょう。

組合員としては、

・会社の特徴が管理組合と合うのか
・フロント担当者が業務をしっかりやってくれる誠実な方か
・上司はフォローしてくれそうな体制になっているか
・業務内容と金額のバランスは管理組合にとって適切か

など、各社比較しながら検討する必要があります。

管理会社候補を絞り込む方法

プレゼンを受けた候補管理会社の中から、1社に絞り込むことになります。

絞り込みにあたっては、

・当日の参加者からのフィードバック
・参加、不参加に関わらず幅広い組合員からのアンケートの回収

なども参考にしながら、委員会や理事会で検討することになります。

各候補管理会社の特徴、強みや弱み、財務情報などを比較するとともに、管理委託内容等、同じ切り口で比較検討することが望まれます。

とりわけ、財務情報や会社の特徴については、マンション管理業協会加盟の管理会社であれば、以下

から確認することができます。

おもな情報としては、

・資本金
・役員構成
・最近3年間の総合管理と部分管理の組合数、棟数、戸数の明細
・最近3年間の総資産、負債総額、自己資本、総売上高(内、マンション管理部門売上高)、営業損益、経常損益
・本社・営業所等
・管理業務主任者、マンション管理士、建築士等の資格保有者数の状況

など、細かな傾向を調べることも可能です。

これらにより、各候補管理会社の一般情報を入手するのが良いでしょう。

総会で管理会社変更決議をする

決まった新管理会社の1社に対して、理事会として内定を出したうえで、総会で決議する必要があります。

総会の決議においては、新旧管理会社の出席となることもあります。

そのような中で、なぜ管理会社を変更するのか、委員会や新管理会社プレゼン等に参加していない組合員に対して、改めて説明する必要があります。

また、総会に先立って新管理会社による重要事項説明会を開催して、新管理会社との管理委託契約の決議を行うことも考えられます。

さらに、引継ぎ期間を考えて、

・新管理会社といつから契約を開始するのか
・現管理会社に対して契約満了で終わることができるのか
・場合によっては現管理会社に契約延長を依頼する必要があるのか

なども合わせて検討する必要があるでしょう。

新旧管理会社の間で引継ぎを行う

これまでの管理会社と新管理会社との間で、齟齬が生まれないように必ず引継ぎ期間を設けて引き継ぐ必要があります。

そのためには、引継ぎ期間として3カ月程度見ておいた方がよいでしょう。

具体的には、

・管理業務の引継ぎ
・図書の引き渡しや確認
・これまでの管理員さんを継続するか否かの整合
・変更に当たり新たに発生する購入物などの整合

などが発生すると考えられます。

引継ぎ期間内は、新管理会社の管理費は原則発生せず、引継ぎ後から管理委託契約も新たに発生するのが一般的です。

このあたりも、十分確認することで、無駄に費用が発生しないように、注意していく必要があります。

管理会社変更時に注意すべきポイントやリスク

最後に、管理会社変更を検討するにあたって、注意すべき事項があります。

管理組合として是非気をつけておきたいこととして、具体的に挙げて紹介します。

管理会社変更は最小限に抑えるべき理由

これは管理会社を変更するかどうかの大前提となります。

できれば、管理組合は現在の管理会社と円満な関係を構築することで、管理会社の変更を行わずに管理組合運営を行うのが一番よいでしょう。

新たな管理会社に変えるということは、現管理会社にとっては売上の減少に繋がる一方で、管理組合として非常に大きな負担を強いられることとなります。

それでも、変更することが望ましいということであれば、変更を決議することも選択肢となります。

管理会社変更前に慎重に検討すべきポイント

管理会社を変更するかどうかの検討ならびに、変更することを決めるまでは、事前に管理会社に伝えることなく進めることが必要かもしれません。

理由としては、事前に知れると、管理会社として一気にやる気をなくす場合があり、管理組合運営に支障をきたす可能性もあるからです。

いずれ変更は知れることになるのですが、変更を決定するまでは慎重に、そして内々に進めていくことも考えておく必要があります。

管理会社変更の負担

これまで記載した通り、

・委員会の組成
・新管理会社候補のプレゼン会の開催と出席
・アンケート調査への協力やヒアリングへの参加
・新管理会社の重要事項説明会への参加

など、組合員としても新たな負担が発生します。

また、委員会に参加する委員も、新たに対応事項が発生するでしょう。

理事会においても、比較的重い検討事項が増えることとなります。

そして、総会に向けて、なぜ管理会社変更を行うのかを上手く説明する必要も出てくると想定されます。

これらによる負担が相応に掛かってくることも予め想定しておく必要があるでしょう。

新旧管理会社引継ぎの際に発生する手間

原則、新旧管理会社の引継ぎは、管理会社間で行うことが一般的です。

しかしながら、管理組合側の確認事項として、新管理会社から、新たに業務を開始するにあたっての質問に、対応する必要も出てくるかもしれません。

とりわけ、組合員含めた住民にとっての関心事は管理員さんでしょう。

新たな管理会社となった場合に、これまでの管理員さんはどうなるのかという、課題が必ず発生します。

マンションの事をよく知り、親切にしてくれた管理員さんは組合員にとっても、引き続き担当して欲しいと考えるのが普通です。

具体的には、

・引き続き現在の管理員さんが担当してくれるのか
・その場合の新たな管理員さんは新会社との契約となるのか
・それとも新たな管理会社から新たな管理員さんが着任するのか

などの課題も発生するため、丁寧に扱っていく必要があるといえるでしょう。

新管理会社運営後に起こりうるギャップ

最後に、新管理会社へ引継ぎ後に発生する事象です。

引き継いだ後、管理組合運営の中で、当初想定していたことと、新たな管理会社が実施することが違ってくるということです。

具体的には、

・新フロントマンの管理組合に対する対応
・新たに管理員さんが着任した場合の前任との業務や組合員への対応差
・前管理会社ではやってくれていた事項が新管理会社ではやってくれない

などのギャップが、もしかしたら組合員としても目に付くかもしれません。

このような事象が発生しないためにも、予め

・新旧管理委託契約内容の差異を事前に明らかにしておく
・差異がある場合には管理会社より重要事項説明会での組合員への説明を必ず行ってもらう
・フロント担当者に対する会社や上長のフォロー体制の確認

などを明らかにして、事前に不安な個所を潰しておく必要があるでしょう。

管理員と管理会社の違いを理解する重要性

組合員によっては、

管理員がいい人だから、管理会社が良い

と考える人も非常に多くあります。

これは、マンション管理の一面だけで判断しているということもあるかもしれません。

確かに、管理員さんがよければ、管理組合としてもコミュニケーションがしやすく、関係も良好に進むことでしょう。

逆に、

管理員の対応が悪いから、管理会社が良くない

と考えてしまう場合もあります。

これも必ずしも当てはまるとは限りません。

当然、管理会社側からは指導、教育は入りますが、その場合は交代を要請することを検討することも可能です。

したがって、管理員の一面だけを見て良し悪しを決めるのも難しい所です。

重要事項説明書や管理委託契約の内容に従って、業務を行っているかどうかを判断することが必要となるでしょう。

管理会社変更はリスクを踏まえながら慎重に

管理会社の検討から引継ぎ、引継ぎ後の管理組合運営について紹介しました。

できれば、管理会社の変更は実施したくないと思っている管理組合が大半かと思います。

管理組合として、管理会社の対応が

「我慢の限界」

として、関係性が崩れ変更がやむを得ない場合もあるでしょう。

その場合であっても、管理組合として議論を尽くしたうえで、慎重に変更を検討することが望まれます。

最後に少し宣伝です。

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