大国インドにおけるマンションの実態は?【現地調査済】

マンション管理

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先日、インドのデリーを中心に出張する機会があり、マンションを調査しました。

実際に泊ったりもして、周辺の街中の状況を肌で感じたりしています。

大国インドにおけるマンションの実態は?【現地調査済】

今回はインドのマンションについて、以下のような内容で紹介します。

・急速に伸長するインドの現状
・インドのマンションの状況は?
・インドの不動産事情は?

今や中国を抜いて人口世界一ともいわれているインドです。

人口が増えれば、経済も活性化して、国としての成長も期待できます。

また、人口が増えれば都市部にも人口が集中することから、

住む場所の問題も発生するでしょう。

そこでマンションという需要も少なからず生まれます。

具体的に国の状況やマンション事情を含めて紹介します。

急速に伸長するインドの現状

マンション事情の紹介の前に、インドの現状を確認します。

インドについて

インドは以下のような国です。

・母国語はヒンディー語か英語
・首都はニューデリー
・最大都市はニューデリーではなくムンバイ
・国境はパキスタン、中国、ネパール、ブータン、ミャンマー、バングラディッシュ
・海を挟んでスリランカ、モルディブ、インドネシア、タイ、マレーシアとも近接
・インド北東部にはかの有名なガンジス川が流れる
・1947年にイギリスから独立
・人口は2023年に中国を抜き世界一(次項に詳細)
・面積は世界7位
・国内総生産(GDP)は名目で世界5位、購買力平価は世界3位
・カースト制度による差別は憲法で禁止されているが、まだ農村部には影響が残る
・中間層(年間世帯所得5000ドル以上3万5000ドル未満/日本円で75万円~525万円)は2000年の約22%から、2017年に約50%まで上昇

とこんな感じです。

所得中間層には幅がありますが、上限は日本の収入と遜色ないぐらいのレベルになっています。

人口推移

インドの人口は、中国を抜いて世界一になったと言われています。

外務省のインド共和国の基礎データ

では、2022年世界銀行の資料の引用で、14億1,717万人との記載があります。

また、国際連合人口部(United Nations Population Division)

のデータ(Datasets-World Population Prospects 2022

からビジュアルデータを抽出してみました。


引用:国際連合人口部(United Nations Population Division)人口データより

2060年代のピークには、17億人近くになるというデータが出ています。

今からさらに人口が3億人程度増えていくという予測となります。

一方で、経済成長に伴って、少子化の問題も発生します。

中国ではすでに少子化が始まっており、インドもその兆候が見られます。

同じく、国連のデータから人口ピラミッドを確認すると、

20代前半をピークとして、ややつぼ型になっています。

日本は典型的なつぼ型ですが、インドの場合は兆候が見られている感じで、

国の対策によりまだ修正がきく可能性があると言った感じでしょう。

経済成長

続いて、経済成長も簡単に確認します。

JETRO(日本貿易振興機構)の2024年4月15日のレポートによると、

インドの2024年度(23年4月~24年3月)の経済成長率は7.5%との予想です。

2025年度は6.6%に減速するとのことですが、

内閣府のデータでは日本が実質1.9%、名目6.7%の成長率

であることを考えると、大きな伸びであると言えます。

24年6月まで続く、インドでの総選挙期間中は経済活動全体、特に設備投資が落ち着く影響があると言われています。

しかしながら、中長期的な見通しはインフレの減速もあり明るいようです。

インドのマンションの状況は?

今回、インドの首都ニューデリーを中心にマンションを視察しました。

また民泊用のレジデンスを借りて宿泊し、実際のインド人の生活を体験しました。

インドのマンションの紹介

郊外に向かっているときに、大規模マンションが立ち並んでいました。

郊外は人口増に伴い、マンションの開発が続々と進んでいる印象です。

街中は比較的小規模の古いマンションが多く立ち並んでいます。

こちらはハウスカズの近くにある、1階が歯医者さんの比較的高級なマンションです。

セキュリティがしっかりしており、1Fは大体扉が閉まっています。

こちらも同じ地区のマンションで、昼間は開けられていることもありますが、

夜は完全に閉ざされているようで、セキュリティ対策がなされています。

日本風でいえば、ややビンテージなタイプのマンションです。

日本でいう大規模修繕工事が実施されているようなマンションは見当たらず、

マンションが建ったらそのまま住んでいる感じでしょうか。

このあたりは、日本のマンションのように、

長く、丁寧に住む

という価値観がまだないのかもしれません。

各住戸へのアクセス方法は?

10戸程度の小規模マンションは、扉の外側にポストと呼び鈴があります。

あとはここからは分からなかったのですが、スマホを使って直接家主を呼び出す形

もあると聞きました。

日本のマンションでもありますが、留守にしていても、実際いる感じで応答できるというあのタイプのものです。

車の後ろにも集合ポストがあります。

大体人が多くてにぎわっているデリー市内ですが、

このような感じで誰も人通りがない珍しい風景もありました。

下町風のマンションはどんな感じ?

次項で紹介する、宿泊地近辺のマンションです。

煩雑な感じなので、分譲というよりも賃貸のような気がしました。

インドの日常ですが、マンションの前にこのように果物を売っている人がいます。

リアカーで運ぶことができるので、どこでも売ることが出来ると言った感じでしょうか。

近くの住戸から子どもたちが珍しそうに見ていました。

日本人の風貌はこちらでは珍しいようで、みんな良く見て来たり、

写真を撮らせて欲しいと言ってきたりもします。

この時は、中国からインドへの渡航はできないこともあり、

世界中どこにでも見かける中国人は誰もいませんでした。

子どもたちに手を振ると、嬉しそうにみんな手を振ってくれたのが印象的でした。

インドでの宿泊地を紹介

今回宿泊したのは、デリーの南側、ハウスカズという地区です。

デリーの中心地から車で2~30分ほどかかります。

地図を小さくしてもらうと確認できますが、ニューデリーの中心地まで10㎞強という感じです。

デリーの中心地には住宅地はなく、有っても高級官僚が住んでいる様な、お金持ちのお屋敷がちらほらある程度。

ほとんどの方は郊外におすまいのようです。

ハウスカズ

ハウスカズはデリー郊外の住宅街という感じです。

こちらは宿泊したマンションのベランダからの風景です。

これでも、まだ静かな地区で、マンションの裏には、13世紀の王家の墓がを含んだ大きな公園もありました。

ハウスカズの中でも、ハウスカズビレッジという、老舗のギャラリーやブティック、飲食店など立ち並ぶ、日本で言えば下北沢に近いような感じでしょうか。

若い人たちが集まってくるエリアです。

奇麗なマンションに宿泊しましたが、まわりはかなりごちゃごちゃしています。

真ん中の木に隠れている、白い所が宿泊したところです。

手前の赤と白のマンションも比較的高級感漂う感じです。

こちらは近隣にあった、外国人御用達の高級民泊のようなところでした。

ネットの情報でも見ましたが、私が宿泊した所同様に、

外観の見た目以上に部屋が豪華で、ギャップが結構あるようです。

近隣の地域

ちなみに、このハウスカズからさらに車で4~50分ぐらい行ったところに、

グルガーオンという、日系企業が進出している地域があります。

パナソニックやオムロン、ダイキンなど、日本の有名製造業の拠点があるようです。

ダイキンの空調機はインドでは存在感がありました。

自国の製品と並んで使われているようです。

インドの不動産事情は?

最後に、インドの不動産事情について説明します。

中々日本と比較できる情報はありませんが、一般的な情報含め記載します。

不動産の所有権

国土交通省が紹介している、インドの不動産関連情報

によると、インドには不動産そのものを登記する制度は存在しないそうです。

所有権の有無は、権利証ではなく、過去の売買契約を通じて確定するそうです。

また、不動産取引書類が登記されるという形態なのだとか。

土地、不動産の所有権は認められるようですが、土地の所有はかなり困難を伴うもののようです。

土地の所有者が容易に特定できないためです。

また、政府が所有しているはずであっても、個人が所有していたりすることも。

そのため、トラブルや訴訟になって、政治が介入する事例も多いらしいです。

分譲マンション

日本では、マンションの管理組合名が注意書きとして看板等に書かれているため、

分譲マンションか賃貸マンションかの区別はすぐつきます。

しかしながら、インドの場合は、分譲なのか賃貸なのか、区別はつきません。

また、それらが混在しているのかも分かりませんでした。

しかしながら、色々と調べてみた所、日本でいう管理組合にあたる、ソサエティという団体が存在するようです。

この団体に承認されないと、住むこともできないとか。

賃貸マンション

賃貸マンションが多くを占めるようですが、日本人の進出が多いグルガーオンの物件が比較的挙がってきました。

しかしながら、サイズ的には日本の2~3倍程度の、200㎡クラスが多いようです。

さらに、家賃も比例しており、都内に住むような値段です。

参考サイト

まとめ

最後に簡単にまとめです。

こちらは非常に人が多く集まるオールドデリー市街地です。

オールドデリーは極端な例ですが、デリー市内を見ていると、非常に多くの人がいます。

これだけの人、どこから来ているのだろうか、と思いました。

中心地近郊にはそんなに住むところがなく、商店が中心です。

経済や人口成長と住宅事情が追い付いていない、そんな感じもしました。

今後、2060年迄人口が増え続け、インフラも整備され、凄まじい成長が期待されるインドですが、住宅の課題は引き続きありそうな感じがしました。

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