ユニテ・ダビタシオン(Unité d’Habitation)は、フランスの建築家ル・コルビュジエによって設計された、20世紀建築を代表する集合住宅(マンション)です。特にマルセイユに建てられた第一作は、現代建築の金字塔とも称され、現在はユネスコの世界遺産にも登録されています(ル・コルビュジエの建築作品-近代建築運動への顕著な貢献-2016年登録)。コンクリート打ち放しの無骨な外観とは裏腹に、内部には繊細で人間的なスケール感が保たれ、革新的な居住空間として高く評価されています。
本記事では、ユニテ・ダビタシオンの概要や設計思想、建築的特徴、住民の生活、世界遺産としての意義、そして観光情報や日本への影響まで深掘り解説します。
※ユニテ・ダビタシオンのアイキャッチ画像は無料画像より引用
ユニテ・ダビタシオンの基本情報

※ユニテ・ダビタシオンの無料画像より引用
まずはじめに、ユニテ・ダビタシオンの基本的な情報について共有します。
建物の概要
- 所在地:フランス・マルセイユ(南フランス・プロヴァンス地方に位置し、地中海性気候で温暖)
- 建設期間:1947年〜1952年(戦後の復興期にあたる)
- 設計者:ル・コルビュジエ(近代建築の巨匠)
- 階数:18階建て(高さ56メートル、地上に浮かぶようにピロティで支えられている)
- 住戸数:337戸(単身者から家族まで多様な世帯に対応)
- ユネスコ世界遺産登録:2016年(ル・コルビュジエの建築作品群の一つとして登録)
この建築物は単なる住宅ではなく、ひとつの「生活都市」として構想されており、建物自体が一種の自立した社会空間として機能するよう設計されています。住居だけでなく、商業施設やレクリエーション設備を内包することで、住民の移動を最小限に抑え、より快適な暮らしを提供することを目指しています。そして、敷地内には緑地や広場もあり、都市計画的な視点も含まれています。また、建物全体が東西に長く配置されており、すべての住戸が南向きとなるよう配慮されています。これは太陽光の取り入れを最大化するための設計上の工夫です。
さらに注目すべきは、当時としては画期的な断熱性と遮音性を備えていた点です。厚いコンクリートの壁と床が外気の影響を抑えると同時に、隣室の生活音が響きにくい構造となっており、集合住宅にありがちな騒音問題にも配慮が行き届いていました。
コルビュジエの都市計画といえば、インド北部のチャンディガールにある、キャピトール・コンプレックスが非常に有名です。アジアでは、日本の国立西洋美術館とともに、4つの建物が世界遺産に登録されています。そしてなんといっても、このチャンディーガルは、コルビュジエが数多く構想した中でも、唯一実現したものです。筆者はこのチャンディーガルへは2024年に訪問しましたので、また機会あれば紹介したいと思います。

※2024年3月筆者撮影
ユニテ・ダビタシオンの語源
“Unité d’Habitation”とはフランス語で「住まいの単位」を意味します。これは、単なる住戸の集合体ではなく、居住空間そのものを社会的単位として捉えるというル・コルビュジエの思想を反映しています。彼の提唱した建築理念の中核にあるのは、「住まいは機械である(La maison est une machine à habiter)」という概念であり、機能性を重視しながらも人間らしい生活の質を向上させることが追求されました。
この名称には、個人の生活を守りつつ、集団としての調和を実現するという目標が込められています。つまり、建築を通じて人々の暮らしに秩序と快適さを提供し、自然な社会関係を育む「装置」としての集合住宅を具現化しようとしたのです。実際に、住民が日常的に顔を合わせる共用部やサービス施設が効果的に配置され、偶然の出会いや交流が促進される設計となっています。
このように「Unité d’Habitation」という言葉は、単なるネーミングを超えて、20世紀モダニズム建築が掲げた社会的理想を体現する象徴的なコンセプトとなっているのです。
設計思想と背景
社会理想とモダニズム建築の融合
ル・コルビュジエがユニテ・ダビタシオンに込めた最も本質的な思想のひとつが、「住まいを通じた社会の再構築」です。彼は建築を単なる物理的な構造体としてではなく、人間の行動や社会構造そのものに深く関わる“社会装置”と捉えていました。
特に、ユニテ・ダビタシオンでは「水平・垂直の都市機能の統合」を通じて、新しい共同生活の形を模索しました。これにより、人々が孤立せず、同じ建物内で生活、買い物、レクリエーションなどを完結できるようにし、都市生活の断片化を防ぐという明確なビジョンがあったのです。
また、従来の都市構造では貧富や階層によって明確に分断されていた居住区を、同じ空間内で共存させるという試みもありました。住戸はほぼ均質に設計されており、所得や職業に関係なく「人間の基本的な生活ニーズ」に対応するという、福祉的かつユートピア的な思想が感じられます。
このように、ユニテ・ダビタシオンは機能主義と人間中心主義、さらには社会的連帯の精神を融合させた、20世紀モダニズム建築の理想が凝縮されたプロジェクトだったのです。その意義は、建築の歴史だけでなく、現代における住まいの在り方や、共生社会のあり方にも深く通じるものがあります。
近代建築の五原則
ル・コルビュジエは、近代建築の五原則を提唱し、ユニテ・ダビタシオンにその理念を具現化しました。
- ピロティ(建物を持ち上げて空間をつくる)
- 屋上庭園(緑の確保と休息空間)
- 自由な平面(構造から独立した間取り)
- 水平連続窓(光と景観を取り込む)
- 自由な立面(構造とデザインの分離)
この五原則は、いずれも従来の伝統的建築とは異なる発想を示しており、20世紀における建築のあり方に大きな変革をもたらしました。特にピロティによって1階部分に開放的な空間を確保することで、敷地の有効活用や自然環境との共存が可能となり、都市に新たな地表空間を提供しました。
地震の多い日本ではこのピロティ構造はマンションにおいてはリスクを伴うものとなりますが、コルビュジエ建築ではこのピロティ構造が特徴となっています。日本にある唯一のコルビュジエ建築である、国立西洋美術館もピロティ構造が特徴的です。

※2019年4月、国立西洋美術館でコルビュジエ展開催時に筆者撮影
屋上庭園については、当時の都市における緑地不足を補う機能を果たしており、住民の癒しや社交の場としても重要な役割を担っています。これにより、高層住宅であっても人間的スケールの自然との関係性を保つことができます。
また、自由な平面と立面の実現は、鉄筋コンクリートによる柱と床スラブの構造があってこそ可能となりました。これにより壁の配置が自由になり、生活様式に応じた柔軟な間取り変更ができるようになっています。水平連続窓もまた、室内全体に均等な自然光を届け、居住空間に明るさと開放感を与える重要な要素となりました。
ユニテ・ダビタシオンは、これら五原則を単に取り入れるだけでなく、建築空間全体として調和させた初の試みであり、それが単なる理論ではなく「生活できる現実の都市空間」として実を結んだことが、今なお世界中の建築家に影響を与え続けている理由です。
戦後の住宅不足への対応
第二次世界大戦後のフランスは、国土の広範な破壊と経済的疲弊により、深刻な住宅危機に直面していました。特に都市部では爆撃により住居の大部分が損傷を受け、多くの人々が不十分な仮設住宅や過密な集合住宅に暮らさざるを得ない状況でした。帰還兵や戦災者の住まいを早急に確保する必要があり、国家的な課題として住宅建設が急務となったのです。
このような背景のもと、政府主導による大規模な住宅政策が進められる中、ユニテ・ダビタシオンはその解決策の一つとして登場しました。設計者ル・コルビュジエは、単なる量の確保にとどまらず、「質の高い暮らし」を提供するという理想を掲げ、ユニテ・ダビタシオンの構想を提案しました。その実現には、工業化による施工スピードの向上と、モジュール化による設計の効率性が活かされました。
具体的には、プレハブ的な施工法や標準化された建材、繰り返し使用できる設計パーツを採用することで、短期間で大量供給が可能な構造を実現しました。また、建築のプロセスに合理化を取り入れることで、建築コストを抑えつつ、居住空間としての機能性や快適性を損なわない工夫が随所に施されています。
このような取り組みの背景には、戦後フランスの都市人口の急増や、近代都市の再編といった大きな社会的課題が横たわっており、ユニテ・ダビタシオンはそれに対する建築的・思想的な回答でもありました。ル・コルビュジエの思想は、建築の枠を超えて都市論や社会政策とも密接に結びついており、彼の作品は単なる建物ではなく「社会を再構成するための装置」として機能することを目指していたのです。
建築的特徴

※ユニテ・ダビタシオンの内部画像。無料画像より引用
垂直都市としての構造
ユニテ・ダビタシオンは、単なる高層住宅ではなく、“都市機能を内包する建築”です。以下のような要素を包括的に備えており、居住空間にとどまらない「都市の縮図」として設計されています。
- ショッピングモール階(7階):パン屋、書店、郵便局、保育施設、ギャラリー、食堂など、多様な店舗やサービス機能が配置されています。これにより、住民は建物から外に出ることなく、生活必需品の購入や公共サービスの利用が可能となり、高齢者や子育て世帯にも優しい構造となっています。
- 屋上(18階):子供用プール、体育館、日光浴スペース、屋上庭園が整備されており、都市部では希少なレクリエーション空間を提供します。さらに、屋上には教育目的の小規模な野外劇場も存在し、住民主催のイベントやワークショップが開催されることもあります。これにより、文化活動の拠点としての機能も持ち合わせているのです。
- 共用スペース:ラウンジ、談話室、廊下、エントランスホール、子供の遊び場、さらには住民のための小規模図書スペースなども設けられており、住民の交流を促進する空間が至る所に配置されています。こうした空間は単なる動線ではなく、コミュニティ形成を促す“社交の場”として活用されています。
また、内部には災害時の避難対策として設けられた避難経路や非常用設備も完備されており、防災面にも配慮された設計となっています。これにより、長期的かつ持続可能な都市居住のモデルとしての信頼性も高まっています。
このように、ユニテ・ダビタシオンは単なる居住の場ではなく、生活のすべてを包括する“住まいの機能都市”を実現しているのです。生活、仕事、教育、レクリエーション、そしてコミュニティ活動が一体となったこの構造は、今日の都市開発においても示唆に富む先進的なモデルといえるでしょう。
住戸の構造
- メゾネット型(2層構造)で、上下階に分けてリビングと寝室を配置し、生活にメリハリをつけた設計。内部階段により空間の変化があり、暮らしに立体感が生まれます。
- 南北貫通の開口部で採光と通風を確保し、省エネかつ快適な室内環境を実現。パッシブデザインの先駆けといえます。
- 互い違いの住戸配置により、視線や生活音の干渉を抑制。プライバシーに配慮した空間構成です。
- 隔階ごとの廊下設計で、通行量や騒音を軽減し、落ち着いた住環境を提供します。
内部には、ル・コルビュジエが提唱した“モデュロール”寸法体系が活用され、人にとって自然で快適なスケール感が追求されています。キッチンや浴室、収納も使いやすさを重視して配置され、生活の流れに沿った動線設計が特徴です。
また、各住戸にはバルコニーが設けられており、開放感や自然とのつながりを提供。断熱・遮音性能にも優れ、快適な暮らしが実現されています。
このように、ユニテ・ダビタシオンの住戸は、合理性・快適性・人間性を融合させた集合住宅の先駆例といえるでしょう。
住民の暮らしと社会的反響
入居当初の状況
完成当初、ユニテ・ダビタシオンの革新的なデザインと生活設計は、当時の社会に大きなインパクトを与えました。一部の住民や市民からは「コンクリートの塊」「冷たい建物」といった否定的な声も上がりました。特に、従来のパリ郊外の低層住宅に慣れていた人々にとっては、高層で巨大な構造と無機質な外観が受け入れがたく、機能性を優先した設計に対する不安の声もありました。
しかし次第にその居住性の高さや、交流の生まれる空間構成などが実感されるようになり、住民自身もその設計意図を理解し始めました。建築関係者や都市研究者の間では、「新しい生活空間のモデル」として注目されるようになり、視察や研究対象として多くの専門家が訪れるようになりました。また、フランス国内外の建築雑誌や専門誌でも頻繁に取り上げられるようになり、建築界においては世界的なマスターピースとしての評価が定着しました。
さらに、住戸の明るさや通風、共用空間の快適さが口コミなどを通じて広まり、一般の市民の中にもポジティブな評価をする層が増えていきました。中には長年住み続けることで、建築がもたらす豊かな生活環境に魅力を感じ、「二世代居住」を選ぶ家族も登場しています。
現在の居住状況
- ほとんどの住戸は現役の住宅として使用されており、多様な年齢層とライフスタイルをもつ住民が共存しています。
- 一部住戸は事務所やギャラリー、建築関連のショールームに転用され、訪問者が内部空間を体験できる場にもなっています。
- 建物内に設けられた設計資料館では、模型や図面、当時の生活風景を再現した展示があり、建築史の学びの場として活用されています。
- 世界中から見学者が訪れ、観光資源としても大きな役割を果たしています。中には建築を学ぶ学生の団体ツアーや、国際的な建築学会のフィールドワークに取り入れられることもあります。
住民の中にはアーティストや建築家、デザイナーなど創造的な職業に就く人々が多く、独自のコミュニティ文化が育まれています。週末には住民によるフリーマーケットやアートイベントが開催されることもあり、外部の訪問者と住民が交わる交流の場ともなっています。また、季節ごとにラウンジスペースでの読書会や子ども向けのワークショップなども行われ、単なる住まいを超えた“文化的な暮らしの場”として機能しています。化が育まれています。イベントやセミナーも開催され、知的交流の場としても機能しています。
世界遺産としての価値
2016年ユネスコ登録の背景
ユニテ・ダビタシオンは、ル・コルビュジエの他の16作品とともに「ル・コルビュジエの建築作品群」として2016年にユネスコの世界遺産に登録されました。これらの作品は、近代建築運動を牽引したル・コルビュジエの思想と実践を具現化した建築群であり、建築と都市計画における世界的な転換点として位置づけられています。
ユニテ・ダビタシオンが登録された理由は以下の通りです。
- 20世紀建築の根幹を成す革新性と思想性(従来の装飾性を排した合理主義的アプローチ)
- 戦後社会の住宅難という課題に対する建築的アプローチ(生活の質の向上を目指した設計)
- 世界中の集合住宅設計に与えた深遠な影響(都市型集合住宅の概念を刷新)
- 人間の身体に基づいたモジュール設計(モデュロール)の先駆性と普遍性
登録後、ユニテ・ダビタシオンは保存・修復活動の重要性が再認識され、地域・国家レベルでの保存計画が強化されました。建物の文化財的価値を維持するための専門家チームによる監修が行われ、建築素材の劣化防止や原状復帰のための研究も進められています。これにより、単なる過去の遺産ではなく、“生きた建築遺産”としての位置づけが確立されつつあります。
また、世界遺産としての認知拡大に伴い、ユニテ・ダビタシオンを舞台としたドキュメンタリーや研究書も多く出版され、国際的な建築教育の現場でも取り上げられる機会が増加しました。特に建築学生にとっては、理論と実践の融合を体感できる格好の教材とされています。
他のユニテ・ダビタシオンとの比較
ユニテ・ダビタシオンは、マルセイユ以外にも以下の地域に建設されています:
- ナント(Rezé)
- ベルリン(Berlin)
- フィルミニ(Firminy)
- ブリーヴ=ラ=ガイヤルド(Briey)
これらの建築は、それぞれの立地条件や時代背景に合わせて微調整が施されており、気候や敷地形状、地域住民の生活スタイルに配慮した多様なバリエーションが見られます。
たとえば、ベルリン版ではドイツの建築基準法や気候条件に合わせた構造改良が行われており、色彩や素材にも現地の要素が取り入れられました。ナント版はよりコンパクトな規模ながら、同様の生活機能を内部に集約した垂直都市としての概念を継承しています。
しかしながら、マルセイユに建てられた第一作は、ル・コルビュジエ自身が最も多くのエネルギーと情熱を注ぎ込んだ作品であり、建材の選定、色彩の配置、内部機能の構成に至るまで、彼の理想が最も純粋なかたちで結晶化されています。住戸数、施設の多様さ、全体構成の統一性といった観点から見ても、マルセイユ版は完成度の高さにおいて群を抜いており、世界遺産群の中でも象徴的な存在として位置づけられています。
観光情報とアクセス
見学方法
- 一般公開されており、予約制でのガイドツアーあり。建築の構造や背景に詳しい案内人が同行し、設計意図や歴史的文脈を解説してくれる。
- 建物内の設計資料館、展示室では、コルビュジエの設計図や模型、写真、当時の資料などが展示されており、時代背景とともに理解を深めることが可能。
- 設計当初の住戸を忠実に再現したモデルルームあり。家具やインテリアも当時のままに再現され、当時の生活様式をリアルに体験できる。
- デザインホテル「Hôtel Le Corbusier」に宿泊も可能。実際に建築の一部に泊まることで、空間の質や動線、モデュロールのスケール感を体感できる貴重な機会となる。
- 建物内には小規模ながらカフェスペースもあり、見学後に一息つくことができる。イベント時には限定メニューが提供されることも。
アクセス
- マルセイユ市内中心部からバスで約20分とアクセスも良好。
- 最寄りバス停「Le Corbusier」下車すぐで、徒歩1分以内に建物エントランスに到着。
- 自転車レンタルやタクシーでもアクセス可能で、地元の観光プランに組み込まれていることも多い。
- 駅や空港からの案内板も整備されており、建築観光スポットとしての利便性が高い。
観光としてだけでなく、建築を学ぶ学生や専門家にとっても学びの多い施設です。建築史や都市計画、集合住宅の未来を考える上で、実際に現地で空間を体験することの意義は非常に大きく、研究者向けの特別公開日やワークショップも開催されています。
日本に与えた影響
丹下健三や黒川紀章らへの影響
日本の建築界にも大きな影響を与え、特に丹下健三の「中銀カプセルタワー」や黒川紀章の「メタボリズム運動」にその思想が色濃く反映されています。
また、磯崎新や槇文彦といった建築家も、機能と美を融合させた設計手法や都市への視点において、ユニテ・ダビタシオンから多大な影響を受けています。
日本国内の類似建築

※筆者撮影
ダビタシオンのような、メゾネットを採用した類似建築として、以下のようなアパート、マンションがあります。各階に停止せずに、1階以外は偶数または、奇数階のみに止まるもの(晴海高層アパートや永山団地4-1-1号棟)などがあります。
- 東京・晴海の「晴海高層アパート」(現存せず)
- 東京都多摩市永山の「UR都市機構永山団地4-1-1号棟」
- 横浜市神奈川区の「南深大寺団地」
マンションの各部屋がいわば「2階建て」になっており、入り口はエレベーター階であり、住戸の中に階段があるものです。
これらは日本の風土に合わせてアレンジされたものであり、日本のスキップフロア型団地(例:晴海、永山)は、ユニテのアクセス階設計や動線効率性の思想を応用・変形したものといえます。
以下
に、晴海高層アパートを解説した記事があるので、これを見るとイメージが沸きます。
まとめ:未来に続く建築の可能性
ユニテ・ダビタシオンは、単なる集合住宅を超えた“人間の生活を包摂する建築”として、今なお多くの示唆を与えてくれます。都市化が進む現代において、持続可能な居住空間のモデルとして再評価されるべき建築です。
- 建築の社会的意義に着目する人への教材
- 持続可能な都市計画を模索する自治体への示唆
- 建築学生や研究者への貴重な調査対象
これからの住まいや都市のあり方を考える上で、ユニテ・ダビタシオンは理想像のひとつといえるでしょう。フランス・マルセイユを訪れる際は、ぜひその全貌を体感してみてください。
ユニテダビタシオンを音声解説
今回のコラムを音声で解説しています。
コルビュジエの特徴や、ユニテダビタシオンの思想等、概要を説明している分かりやすい解説となっています。
※永山は「えいやま」ではなく「ながやま」です。
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