今回、リゾートマンションの事例を確認しながら、普段住む分譲マンションについて考えてみます。
リゾートマンションのみならず、都会の分譲マンションにおいても遠くない将来に発生してくるでしょう。
非常に興味深く感じましたので、今回リゾートマンションと照らし合わせながら紹介いたします。
湯沢町のリゾートマンション事例から
よくマンション管理の話題に挙がってくるのが、リゾートマンションの事例です。
リゾートマンションは、常にそこに住んでいる訳ではなく、別荘として購入されるパターンが多いことが考えられます。
そのため、比較的動けるときに購入しその後歳をとってしまった、また今回のコロナ禍で移動が制約されることなどから、行かなくなってしまうことが多くなっていることが挙げられそうです。
さらに、引退後の終の棲家としても考えた場合、温泉もあり静かで、自然も多く、余生にとって良かれと思って購入したとしても、近隣に買い物できる所がなかったり、余暇として楽しめる所が少なかったり等、実際には高齢者にとって不便なこともあります。
結果的に、施設に入ってしまうこともある一方で、亡くなられたりすることで空き家となってしまうことも考えられます。
新潟県湯沢町のリゾートマンションの位置づけ
首都圏から比較的近い場所のリゾートマンションは、逆にコロナ禍で一時期活況であったと言われました。
特に、首都圏から1時間圏内である熱海は典型的な例でしょう。
そのような中で、興味深い動画として、YouTubeで以下の様な新潟県越後町のリゾートマンションの実情が挙がっていました。
湯沢町の玄関口でもある越後湯沢駅は、東京駅から新幹線で1時間強とあり、先ほどの熱海駅の40分程度に比べて倍近く時間は掛かります。
しかしながら、新幹線で直接アクセスできるという所では、非常に便利な場所であると言えます。
加えて、熱海同様、越後湯沢(湯沢町)も温泉が湧く人気のスポットであり、温泉付きマンションという形態をとっているところも比較的多く見られます。
越後湯沢にリゾートマンションが多くなった背景として、バブル時代に都市部の土地価格が高騰しすぎたことがあり、地方にマンションを建てる場所を探していた中、空前のスキーブームとも相まって、この地域にリゾートマンションが乱立したということです。
バブル崩壊後、供給過剰による価格崩壊を起こしてしまい、越後湯沢駅から離れた、湯沢町の苗場スキー場周辺では10万円で販売されているマンションも一部あるようですね。
ただ、リゾートマンションは、管理会社は比較的しっかりした大手企業が多く、廃墟化していることはなく、管理状態としては問題ない状況です。
この第一部の事例として、管理組合や管理会社の許可を得て取材されているとのことで、興味深い内容となっています。
区分所有という迷宮というテーマの動画の中で、①築年数が古いこと、②管理費が高いことが課題として挙げられています。
リゾートマンションの築年数が古い
事例の湯沢町のリゾートマンションは時代がバブル期の1980年代後半~1990年代前半に建てられたものが多く残っているようです。
数は少ないですが、それ以前の旧耐震のものもあるようですね。
先に述べた通り、管理会社の管理が比較的行き届いていることから、外壁のメンテナンスを含めた修繕等は比較的適正に行われているとのことです。
しかしながら、年式の古さからくる、修繕積立金の高さなどがあるのでしょうか、比較的安価に売られていても、売れない事情もあるようです。
リゾートマンションは管理費が高い
またこのバブルの時代に建てられた物件の特徴として、エントランスをはじめとした共用部分は、贅の限りを尽くしたものとなっており、そこへの維持費が非常にかかるようです。
スキー場が近いため、共用設備としてスキーロッカーや共用の温泉大浴場があるのが一般的であり、ゲストルームがあったりもするようですね。
リゾートということで、マンションと言えどもホテル並みの設備を備えているとなると、それらを維持管理するためのコストが比較的掛かってくると想定されます。
その他、管理組合法人を取り巻く管理費滞納事例の興味深い話も出ていました。
管理費が高騰すると、滞納の問題もセットになるので、合わせて注意しなければならない事例と言えるでしょう。
リゾートマンション事例を将来の分譲マンションに照らして考えてみる
リゾートマンションと都会の分譲マンション
リゾートマンションは定住するというのは少なく、機会を見つけて特定シーズンなどに訪問するタイプのものが一般的でしょう。
そのため、都会の定住している分譲マンションと比べ、用途が違うことは考えられます。
しかしながら、リゾートマンションにおける現状は、将来的に人がいなくなる地域における、分譲マンションの姿を想定できるかもしれません。
湯沢町のリゾートマンション事情と違い、スキーロッカーや大浴場という環境はないにしても、バブル期に建てられたマンションは経年が進んでいるとともに、比較的豪華な造りが多く見られます。
そのため、日々の管理のための費用や、修繕コストも重くのしかかってきます。
都会の分譲マンションの将来
遠いようで近い将来のことになりそうですが、非常に豪華なエントランスとなっている最近のマンションはどうなるのでしょうか。
その時まで筆者が生きているかは分かりませんが、人口が大幅に減る数十年後には変わり果てた姿になっていることも想定されます。
また、耐震基準前後である昭和の終わりに建てられた高経年マンションは、高齢者が多く住んでいます。
新たな家族の入れ替え需要進まずに空き家が増えていくこととなると、究極の話ですが、先述の湯沢町の事例も他人事ではなくなってきます。
そのためには、修繕含めた日頃からの管理をしっかりしておくこと、そして管理費や修繕積立金が適正であるか、管理組合で考えていかなければならない課題が多いでしょう。
100年続くマンションを
マンションに住み続けている限りは、一部の好立地マンションを除き建て替えることは非常に難しく、経年劣化する共用部分を維持管理していかなければなりません。
これはある意味分譲マンションの宿命であるといえるでしょう。
しかしながら、長期修繕計画を適切に作成して、随時見直しながら必要なお金を積立て、実施すべき時に大規模修繕工事やメンテナンスをしっかりと行えば、非常に長く住むことも可能となります。
管理組合においても一日でも早くこの点に気づいて、マンションとして対応することが大切です。
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