とある日の週末に時間があったので湯河原~熱海間をリゾートマンション探訪のために散策してみました。
ルートは湯河原駅を出て、135号線沿いを歩いて熱海駅まで行くという感じです。
GoogleMapで検索すると、最短距離にして7.6㎞、所要時間としては1時間46分で、散策するにもちょうどよい距離です。
しかしながら、マンションを確認・調査しながらのため、実質3時間ぐらい掛かったと思います。
また、今回はこのルート上にあったマンションや遠くに見えたマンションを含めて、筆者が気になったマンションを概要含めて11棟紹介します。
そして、最後に番外編として熱海の重要文化財「旧日向家熱海別邸」についても紹介します。
※各マンションの情報はコラム記載時点のものです
湯河原~熱海間を歩いて気になったリゾートマンション11棟+番外編
以下のマンションを、湯河原駅→熱海駅の順路に従って、確認した順番で紹介します。
・レーベンリゾシアヴェスティブルー
・東熱海マリンハイツ
・フェアモンドビュー伊豆
・プラザ伊豆山
・サンヴェール熱海伊豆山
・熱海リゾート伊豆山
・熱海サニーハイツ
・ライオンズマンション熱海マリンビュー
・ザ・クレストタワー熱海
・パサニアクラブ
横浜から東海道線で出発地点の湯河原駅までやってきました。
ここがスタート地点です。
熱海のリゾートマンションの市況感は?
まず、マンションを紹介する前に、熱海のリゾートマンションの市況感について確認しておきます。
熱海のリゾートマンションの物件調査から
当サイトマンション管理・FP研究室と連携しているLinksの記事に、「熱海編〜リゾートマンションの物件調査」という記事があります。
この内容は2年前と少し前の情報ですが、リゾートマンションの管理費は比較的高額になっている傾向があります。
また、後述する各マンションの施設の説明にある通り、施設がかなり充実していることも関係しています。
一方で、新幹線の停車駅ということもあり、東京からのアクセスも非常によいことから、最近では若い世代が熱海を訪れることも多いようです。
箱根の玄関口の箱根湯本も、新宿から1本で来れるため同様の印象があります。
そして、筆者も熱海駅で昼食をとりましたが、駅前商店街は若い方が多く目立った印象です。
熱海は日帰りで手軽に行ける旅行地として、支持を得ているようです。
suumoで見る熱海市のマンション売却価格相場は?
次に、実際の売買の動向としてsuumoのマンション売却価格相場のデータを見てみます。
売買相場では、2023年11月時点で1,200万円強だったものが、2024年11月では1,500万円程度で推移しています。
また、2024年11月は前年比116.4%というデータが出ていることから、売買単価が上がってきている状況にあるようです。
次章より、具体的に歩いて気になったマンションの詳細を紹介します。
サンクタス湯河原ラ・ヴュー
駅前にあり、駅の構内からも非常に目立つのがサンクタス湯河原ラ・ヴューというマンションです。
マンションの概要は、
・交通:JR東海道本線「湯河原」駅下車、徒歩約2分(約160m)
・総戸数: 170戸
・階数:地下1階、地上8階建
・建築:2009年3月
・管理会社:大京アステージ
・施設:温泉大浴場、ゲストルーム、足湯、プレイルーム、トランクルームなど
・中古の販売価格例:6,480万円(71.68㎡)
となっています。
都内からも新幹線を乗り継いでアクセス可能であり、駅前立地と非常にアクセスもよいため、定住または別荘需要もありそうです。
そして、車を所有していない層や、高齢で運転を辞めた層に対する別荘需要としても利便性が高いと考えられます。
レーベンリゾシアヴェスティブルー
目的地に向かうべく、湯河原駅から海の方向に歩いて行きます。
そして、丁度このあたりは、神奈川県と静岡県の県境、関東地方と中部地方の境でもあります。
この橋で神奈川県が静岡県かが分かれる形です。
少々逆光で見づらいですが、県境に比較的大規模な海沿いのマンションが見えてきます。
また、湯河原から熱海を結ぶ、熱海ビーチラインの入り口にあります。
さらに、写真左手がマンションの熱海寄りの物件です。
ここからのイメージですが、オーシャンビューが非常に素晴らしい立地だと思います。
マンションの概要は、
・交通:JR東海道線「湯河原」駅下車、徒歩約14分(約1120m)
・総戸数:221戸
・階数:地下1階、地上7階建
・建築: 2012年2月
・管理会社:東急コミュニティー
・施設:温泉大浴場、サウナ、家族風呂、露天風呂
・中古の販売価格例:7,280万円(80.71㎡)
となっています。
車で来るアクセスとして非常に便利な場所にあることから、電車よりも車の利用が多そうです。
東熱海マリンハイツ
さらに熱海方面へ進んでいきます。
遠くには、熱海から船で渡ることができる初島も確認することができました。
建物全体を確認することが出来なかったのですが、ここから入って行くようです。
戻って物件を地図等で確認したところ、屋上が駐車場でその下が住戸になっていたためでした。
マンションの概要は、
・交通:JR東海道本線「湯河原駅」約2.5km 車で約4分
・総戸数:98戸
・階数:地上5階建て
・建築:1974年7月
・管理会社:合人社計画研究所
・施設:大浴場
・中古の販売価格例:850万円(40.07㎡)
となっています。
築年数ならびに駅からの距離を考えると、価格がかなり下がってきているのが分かります。
また、部屋の間取りも小規模なのも考えられます。
フェアモンドビュー伊豆
東熱海マリンハイツの隣に、フェアモンドビュー伊豆というマンションがありました。
ちょうど大規模修繕工事中のようで、足場が組まれていました。
一方で、足場が組まれていないところもあるので、壁面の状況を見るとこれから工事開始なのかと思われます。
他のマンションと同様、高台に建っていることから、海側に面した住戸はオーシャンビューが広がっていることでしょう。
マンションの概要は、
・交通:JR東海道本線「湯河原駅」約2.5km 車で約4分
・総戸数:77戸
・階数:5階建て
・建築:1975年12月
・管理会社:自主管理
・施設:大浴場、屋外プール、エレベーターは無し
・中古の販売価格例:770万円(100.29㎡)
となっています。
5階建てでエレベーター無しの住戸から、当時郊外に建てられた団地のようなイメージを持ちました。
さらに、100㎡と比較的大きなマンションで770万円という価格です。
駐車場にも車が止まっていたので、住戸も比較的埋まっている感じでしょうか。
高経年マンションにある自主管理形態ということで、管理組合がしっかりと管理しているマンションという印象を持ちました。
大規模修繕工事も、修繕委員会等を組成して実施しているのではと思われます。
プラザ伊豆山
このマンションまではしばらくは海側にリゾートマンションは確認できなかったので、しばらく歩きました。
東急ハーヴェストクラブというリゾートホテルの隣に、こちらのマンションがありました。
位置的には東海道線で湯河原から熱海に向かう間の、長いトンネルを抜けたあたりにあります。
マンションの概要は、
・交通:東海道線「熱海駅」バス約8分「伊豆山」バス停徒歩1分
・総戸数:247戸
・階数:地上12階建
・建築:1975年10月
・管理会社:合人社計画研究所
・施設:温泉大浴場、家族風呂、屋外プール(夏季のみ)、レストランほか
・中古の販売価格例:3,480万円(93.09㎡)
となっています。
バスで比較的便利にアクセスできるとあって、建築年代が前述の2つのマンションと近いにも関わらず、販売価格がかなり違っています。
リゾートマンションは築年数とともにアクセスの良さも非常に加味される所です。
また、この形態であると、全戸がオーシャンビューのバルコニーが付いているのではという感じです。
改めて確認してみると、44㎡のワンルームマンションもあるようで、こちらは1,180万円という金額となっていました。
住戸の形態や広さ、リフォームの状態等で価格差があるようです。
サンヴェール熱海伊豆山
プラザ伊豆山の坂を下っている時に、お寺の奥に斜面上に建っているマンションが非常に気になりました。
遠くなので、この時点ではどういうマンションか分からなかったのですが、帰って調べたところ、サンヴェール熱海伊豆山というリゾートマンションでした。
マンションの概要は、
・交通:東海道線「熱海駅」バス約15分「熱海自動車学校」バス停徒歩1分/車12分(約5.5km)
・総戸数:88戸
・階数:地下1階、地上12階建て
・建築:1992年1月
・管理会社:日本ハウズイング
・施設:温泉大浴場、屋外プール(夏季のみ)、アスレチックルーム、ミニパターゴルフコース、多目的ルームほか
・中古の販売価格例:2,380万円(84.49㎡)
となっています。
ちなみに、サンヴェールブランドは、横浜でも横浜永田グランテラス、保土ヶ谷マンションといった、斜行エレベーター付きマンションを得意としているようです。
熱海は斜面エレベーターが付いている、斜面マンションが比較的多く見られます。
時間があれば事前確認して、改めて訪問してみたいと思っています。
熱海リゾート伊豆山
プラザ伊豆山を左手に、伊豆山交差点の坂を少し下ったところの右上にあるのが、こちらのマンションです。
マンションの概要は、
・交通:東海道本線「熱海」駅 バス約4分、「東谷」バス停 徒歩約1分
・総戸数:87戸
・階数:地上8階建て
・建築:1978年9月
・管理会社:自主管理
・施設:大浴場、ラウンジほか
・中古の販売価格例:480万円(31.58㎡)
となっています。
こちらのマンションも自主管理の様で、管理組合の体制が出来ていると想定されます。
また、情報では委託(常駐)という表記があることから、管理員さんが常駐しているのではと思われます。
熱海サニーハイツ
さらに熱海駅方面に向かって歩いて行くと、正面にルーフバルコニーが海側に向かって並んでいるマンションを確認しました。
大規模なマンションで、大分駅に近づいてきていることがここからも感じました。
遠くから見ると、古さを感じませんでしたが、戻って情報を確認したところなんと築50年だそうです。
マンションの概要は、
・交通:東海道線「熱海駅」徒歩約5分
・総戸数:439戸
・階数:地下2階、地上13階建て
・建築:1974年12月
・管理会社:双日ライフワン
・施設:温泉大浴場、屋内・屋外プール、ゲストルーム、プレイルーム、娯楽室ほか
・中古の販売価格例:2,260万円(42.27㎡)、1,290万円(40.00㎡)など
となっています。
駅から徒歩5分という比較的便利な立地に加えて、上階では非常に眺めがよいオーシャンビューが確認できそうです。
ライオンズマンション熱海マリンビュー
さらに熱海方面へ坂を下っていくと、赤い棟屋が特徴的なマンションを確認しました。
この日は非常に良い天気だったため、逆光が多くなって見づらくなっています。
遠くから見るとこのような感じで、海側は高い所から海が一望できそうです。
手前にある日本家屋が非常に印象的であり、実はこちらをメインで撮影しました。
マンションの概要は、
・交通:東海道線「熱海駅」徒歩約15分
・総戸数:68戸
・階数:地下1階、地上8階建て
・建築:1992年2月
・管理会社:大京アステージ
・施設:温泉大浴場、サウナ、温泉プール、フィットネスルーム、コインランドリー、ジョイフルルーム(麻雀・ビリヤード)など
・中古の販売価格例:3,280万円(87.60㎡)
となっています。
また、温泉施設は露天風呂も備えているようです。
さらに、オーシャンビューが堪能できるロビーや、屋内プール、フィットネスジム等も併設されており、ホテルのようなマンションといえそうです。
ザ・クレストタワー熱海
熱海駅前にたどり着く前に、ひときわ目立つタワーマンションが目に入ってきました。
ちょうど駅への帰り道でもあったため、前を通ってみました。
31階建てのタワーマンション「ザ・クレストタワー熱海」です。
遠くからでも非常に目立つ外観で、上階であれば天気の良い日であれば、初島はもちろんのこと、大島やさらにはるか向こうまで見渡せそうです。
マンションの概要は、
・交通:東海道線「熱海駅」徒歩約2分
・総戸数:335戸
・階数:31階建て
・建築:2017年1月
・管理会社:ゴールドクレストコミュニティ
・施設:温泉大浴場、家族浴場、ゲストルーム、パーティールーム、BBQコーナー、ランドリールーム、スカイデッキなど
・中古の販売価格例:12,800万円(73.46㎡/14階)
となっています。
駅近のタワーリゾートマンションとなると、桁が違い1億を超えてきています。
11階63.49㎡の部屋で9,300万円とのことから、上階ではかなりの値段で販売されることが想定されます。
また、28階75.17㎡の部屋で19,000万円との情報もありました。
最上階になるといくらになるのでしょうか。
貴重なビューが堪能できるため、かなりの高額になるのではと想定されます。
パサニアクラブ
最後に紹介するのが、斜面マンションでは最大級のパサニアクラブというマンションです。
熱海駅から山沿いに向かったところにあります。
今回はこちらへは行けなかったのですが、前述のサンヴェール熱海伊豆山とともに、是非確認しておきたい斜行エレベーター付きマンションです。
マンションの概要は、
・交通:東海道線「熱海駅」徒歩約12分
・総戸数:279戸
・階数:28階建て
・建築:1989年10月
・管理会社:日本ハウズイング
・施設:ロビー(図書室)、トランクルーム、プール、スポーツジムなど
・中古の販売価格例:6,600万円(188.20㎡)
となっています。
マンション全体的に非常に大規模な間取りであり、通常のマンションの2~3倍はあるサイズ感です。
また、この斜面上にある建物であることから、大浴場はなく、温泉を各戸に引き込む形になっています。
番外編 旧日向家熱海別邸
最後に、リゾートマンションではありませんが、ザ・クレストタワー熱海からほど近い、重要文化財の旧日向家熱海別邸を紹介します。
旧日向家熱海別邸訪問
海沿いの135号線から熱海駅方面へ、さらに坂を上り切るとその住宅はあります。
登り切ったところに、左手に海側へ向かう階段があります。
さらに、そこを降りたところに、日向邸の日本家屋があります。
休みかなと思いながらも、開館中と書いてあるので扉を開けるとスタッフの方が出てきました。
本日予約されていますか?とのこと言われましたが、もともと来る予定は無かったので、
予約はしていません
と伝えたところ、完全予約制で中に入ることはできませんでした。
今から10年以上前に、一度この日向邸には訪問したことがあります。
確かに、その際も事前予約していたことを改めて思い出しました。
残念ですが、パンフレットを貰って今日は退散しました。
旧日向家熱海別邸詳細
旧日向家熱海別邸の上屋は、横浜のホテルニューグランド(1927年)や、銀座のランドマーク服部時計店(1932年/現在の和光)などの作品で有名な建築家・渡辺仁によるものです。
ちなみに、ニューグランドは渡辺仁が設計した現存する建物で一番古いものです。
そして、地下室はかの有名建築家、ブルーノ・タウトによって日本に唯一現存するものです。
今回中に入れなかったため、画像は紹介できないのが残念ですが、地下室から海を眺める風景は非常に素晴らしいものがあります。
また、要所要所に竹や桐が使用されているとともに、釣り電球が非常に印象的な社交室があり、熱海に行ったら必ず見ておきたい建築物です。
作品が世界遺産にもなっている建築家、ブルーノ・タウト
ちなみにブルーノタウトは、同時代に活躍した建築家の3大巨匠、ル・コルビュジエ、フランク・ロイド・ライト、ミース・ファン・デル・ローエとともに、世界遺産に登録されている建築作品もあります。
日本ではタウトよりも
・帝国ホテル(中央玄関を明治村に移築・登録有形文化財)、自由学園明日館(池袋・重要文化財)で有名なライト
の知名度が高くなっています。
タウトの作品は熱海だけなので、是非確認しておきたい所です。
湯河原~熱海間は楽しめるマンションが多い
今回はたまたま散策した湯河原~熱海間のリゾートマンションを紹介しました。
昭和の後半~平成のはじめにかけて建てられたリゾートマンションが数多く活躍しています。
また、熱海駅前には最近できたタワーマンションも立っており、旅行客も相まって活気づいています。
湯河原、熱海は温泉以外にも楽しめる要所があると改めて実感しました。
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