中古マンション価格、どこまで上がる?2025年春の市場を読み解く

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主要ポイント

東京カンテイより、2025年2月の中古マンションの価格動向データが発表されています。

発表データを踏まえて、傾向を分析してみます。

  • 中古マンションの価格は、特に東京23区や大阪市で上昇傾向にあり、東京23区では前年比26.8%増
  • 価格上昇の要因には、円安による外国人投資の増加、低金利政策、都市部の高い需要が含まれている可能性
  • 地域差があり、地方都市では価格上昇が緩やかである可能性

現在の価格とトレンド

2025年2月のデータによると、首都圏(東京、神奈川、埼玉、千葉)の70㎡の中古マンションの平均価格は約5,218万円で、前月比0.7%、前年比10.9%増加しています。特に東京23区では9,135万円で、前年比26.8%の大幅な上昇が見られました。

他の地域では、近畿地域(大阪、兵庫、京都など)の平均価格は2,969万円で前年比3.4%増、中部地域(愛知、岐阜、三重など)は2,295万円で前年比1.9%増となっています。

価格上昇の要因

価格上昇の背景にはいくつかの要因があるようです。

まず、円安(現在USD/JPYは約149-150)により、外国人投資家が日本の中古マンション市場に参入しやすくなっている現状があります。これは不動産投資の魅力を高めていると考えられます。

また、日本銀行の低金利政策により住宅ローンの金利が歴史的に低い水準に留まり、購入意欲を高めていることもあります。さらに、都市部では仕事の機会や生活の質の高さから需要が高く、特に東京や大阪での価格上昇が顕著になっています。

そして、建設コストの上昇と労働力不足により新規供給が制限され、既存物件の価格を押し上げている可能性も考えられます。

地域差と将来展望

地域差が大きく、首都圏と大阪市中心部では価格上昇が顕著であるのに対し、地方都市では成長が緩やかである。例えば、兵庫では2,433万円で前年比-3.4%と低下している。将来的には、経済状況や政府の政策変更(例えば税制優遇の変更)により価格動向が影響を受ける可能性がある。現在のトレンドから、主要都市での価格上昇は当面続く可能性が高いが、需要と供給のバランス次第では変化するかもしれない。


詳細な調査ノート

このレポートでは、2025年3月23日時点の最新データに基づき、日本の中古マンション市場の動向を分析してみます。

東京カンテイの2025年2月報告書(東京カンテイプレスリリース中古マンション価格2025年3月24日)を主な情報源とし、価格トレンド、影響要因、地域差、将来展望について詳しく考察してみました。

データ収集と背景

東京カンテイのデータは、中古マンションの「売却希望価格」を基に行政区ごとに計算され、70㎡基準で標準化されています。対象は家族向け住居(専有面積30㎡未満、事務所・店舗用途を除く)であり、2025年2月のデータは首都圏、近畿圏、中部圏の主要都市をカバーしています。

具体的には、首都圏では42,138件(2024年12月-2025年2月合計125,271件)、近畿圏では21,193件(合計62,512件)、中部圏では7,787件(合計23,092件)の取引例が含まれています。

価格レベルの詳細

以下は、主要地域および都市の2025年2月の平均価格と変化率を示す表となります。


地域/エリア 価格
(万円、70㎡)
月次変化率(%) 年次変化率(%) 備考
首都圏 5,218 +0.7 +10.9 7か月連続上昇、全1都3県でプラス
東京 7,811 +1.3 +21.6 10か月連続上昇
神奈川 3,795 +0.1 +4.0 前回の増加後わずかな上昇
埼玉 2,933 +0.3 -0.4 2か月上昇後低下
千葉 2,734 +0.9 +0.5 継続的な上昇、程度は異なる
近畿圏 2,969 +0.6 +3.4 2か月上昇、大阪エリア強め、最近の高値更新
大阪府 3,341 +1.1 +8.6 3か月連続上昇、前年比8%レベルで3か月連続
兵庫 2,433 -0.9 -3.4 継続的な低下、率は拡大
中部圏 2,295 +0.8 +1.9 3か月連続上昇、上昇率拡大
愛知 2,427 +1.0 +1.3 3か月連続上昇、安定した前年比
東京23区 9,135 +1.3 +26.8 10か月連続上昇、中央エリアで強い
横浜市 4,116 -0.1 +7.3 連続上昇後停止
埼玉市 3,646 0.0 -0.7 横ばい、上昇停止
千葉市 2,590 +1.0 +0.2 わずかな上昇、2024年12月レベル以下
大阪市 4,618 +2.7 +19.0 3か月上昇、前年比ほぼ20%
神戸市 2,624 +0.1 -2.4 2か月わずかな上昇、2024年12月レベル以下
名古屋市 2,859 +1.2 +3.0 3か月上昇、2024年12月以降前年超え
東京中心6区 15,107 +2.3 +32.8 25か月連続上昇、一部エリア弱め
東京南/西6区 8,043 +0.8 +11.4 上昇継続、エリアによる違い
東京北/東11区 6,094 -0.6 +13.9 2024年4月以来初の低下
大阪市中心6区 7,147 +3.0 +28.1 14か月連続上昇、新築例増加によるブースト
名古屋市中心3区 3,869 +3.3 +6.2 前回横ばい後2か月上昇

東京カンテイの2025年2月報告書より筆者が独自集計

この表から、東京23区や大阪市中心部での価格上昇が特に顕著であることがわかりました。東京中心6区では15,107万円で、前年比32.8%の増加が見られ、都市部の需要の高さを反映しています。

価格トレンドと影響要因

価格はほとんどの地域で月次および年次で上昇していますが、一部地域(例えば兵庫や埼玉市)では低下または横ばいが見られます。価格上昇の要因として、以下の点が考えられます:

  • 外国投資の増加: 弱い円(日本の不動産市場分析2024)により、外国人投資家が日本の中古マンション市場に参入しやすくなっている。
  • 低金利政策: 日本銀行の緩和的な金融政策により、住宅ローンの金利が歴史的に低い水準に留まり、購入意欲を高めている。
  • 都市化と需要: 東京や大阪などの都市部は経済的・文化的中心地であり、若いプロフェッショナルや外国人居住者の需要が高い。
  • 供給制約: 新規建設の制約(建設コスト上昇、労働力不足)により、既存物件の価格が押し上げられている可能性がある(日本の住宅市場分析2024)。
  • 人口動態: 高齢化と出生率低下により全国的な需要は減少するが、都市部では依然として強い需要が見られる。

地域分析

地域差が大きく、首都圏では東京23区が9,135万円で最も高く、前年比26.8%の増加を示しています。対照的に、地方都市では価格上昇が緩やかで、例えば兵庫では2,433万円で前年比-3.4%と低下しています。こうした地域差は、経済活動の集中と人口密度の違いを反映しているとも言えそうです。

将来展望

価格上昇の持続可能性は、経済状況や政府政策に依存します。低金利政策が続く場合、価格上昇は当面続く可能性が高いが、金利上昇や経済の減速が起こると需要が減退する可能性も考えられます。また、供給が増加すれば価格上昇が抑えられる可能性もあります。

現在のトレンドから、主要都市での価格上昇は2025年以降も続く可能性が高いが、長期的なバランスは不確定といえます。

結論

中古マンション市場は、主要都市部で価格上昇が続いています。

特に東京23区や大阪市中心部での需要は強く、外国投資や低金利が後押ししている傾向が顕著です。

地域差を考慮しつつ、将来の経済動向に注目する必要があるといえます。

【記事執筆・監修】
マンション管理士・1級ファイナンシャル・プランニング技能士 古市 守
yokohama-mankan

マンション管理全般に精通し、管理規約変更、管理会社変更、管理計画認定制度の事前審査、修繕積立金の見直し、マンション関連コラムの執筆など、管理組合のアドバイザーとして幅広く活動。
また、企業経営、とりわけ財務・経理分野にも精通し、上場企業やベンチャー企業でCFOや財務経理部長を歴任。経営・財務視点を活かし、マンション管理の実践的なサポートを提供している。

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