【要約・解説】マンション、改修・解体の合意要件緩和 賛成5分の4以上(日経)

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日経の記事

マンション、改修・解体の合意要件緩和 賛成5分の4以上 - 日本経済新聞
政府はマンションの改修や取り壊しなどに必要となる住民の同意のハードルを下げる。現在は区分所有者全員の賛成が求められる1棟丸ごとのリノベーションや解体を、5分の4以上の賛同で可能にする。老朽物件は年々増加しており、要件緩和で再生を後押しする。...

から、記事全体のネタバレがしないように簡単に要約解説です。

【要約・解説】マンション再生の合意要件が緩和へ

■ 改正のポイント

政府は、老朽化したマンションの 改修や解体をしやすくするため、住民の合意要件を緩和 する方針を発表しました。現在は 区分所有者全員の賛成 が必要ですが、今後は 5分の4以上の賛成 で実施可能になります。

さらに、耐震不足やバリアフリー不適合の場合は、4分の3以上の賛成 での再生が認められるようになります。

■ 合意要件が緩和される再生手法(7種類)

  1. 1棟丸ごとリノベ(柱・梁を残して改修)
  2. 取り壊し・売却(建物を解体し、土地を売却)
  3. 敷地と建物をセットで売却
  4. 定期借地権付きマンションの取り壊し など

これまで所有者全員の同意が必要だったものが、すべて5分の4以上の賛成で可能になります。

■ なぜこの改正が必要なのか?

マンションの老朽化と所有者の高齢化が進んでおり、適切な維持・管理が困難なケースが増えています。例えば、築40年以上のマンションは2023年末に137万戸でしたが、2043年末には3.4倍の464万戸に増加 すると予測されています。

また、所有者が高齢化し、再生の決議が進めにくくなる問題 も深刻です。築40年以上のマンションでは、住戸の55%で世帯主が70歳以上となっています。

■ その他の重要な改正点

  • 建て替え時の税制優遇措置を拡大
  • 隣接地の所有者に建て替え後の区分所有権を付与する仕組みを導入
  • 管理不全マンションへの自治体の関与を強化(管理組合への報告義務、専門家派遣の支援)
  • 新築時から適切な管理計画を策定する仕組みを導入(不動産会社が管理計画を作成し、国が認定 → 管理組合へ引き継ぎ)

■ 施行時期

改正案は今国会に提出予定で、2026年4月にも施行される見込み です。

■ 管理組合が今からできること

  • マンションの長期修繕計画や建て替え計画を見直す
  • 所有者の意向を確認し、再生に向けた合意形成を進める
  • 行政の支援制度や税制優遇措置を活用できるか検討する

この法改正により、管理組合が主体的に動ける環境が整いつつあります。今後の動向を注視しながら、早めに準備を進めることが重要です。

改正案 まとめ

区分 建て替え 1棟リノベーションや
取り壊し・更地
現在の状況 所有者の5分の4以上の同意 全員の同意
改正後 5分の4以上の同意 5分の4以上の同意
問題があれば 4分の3以上の同意 4分の3以上の同意
【記事執筆・監修】
マンション管理士・1級ファイナンシャル・プランニング技能士 古市 守
yokohama-mankan

マンション管理全般に精通し、管理規約変更、管理会社変更、管理計画認定制度の事前審査、修繕積立金の見直し、マンション関連コラムの執筆など幅広く活動。
また、企業経営、とりわけ財務・経理分野にも精通し、上場企業やベンチャー企業でCFOや管理部長を歴任。経営視点を活かし、マンション管理の実践的なサポートを提供している。

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