これまで本サイトでは、管理組合の運営や規約といった、やや専門的なテーマを中心に解説してきました。ただ一方で、「そもそもマンションの仕組みがよく分からない」という声も多くいただいています。そこで今回から、初心者の方でも読みやすい「基礎シリーズ」として、マンションの基本をシンプルに解説するコラムを継続的にお届けしていきます。
マンションには「分譲」と「賃貸」の2種類があります。見た目はほとんど同じですが、実は仕組みはまったく違います。「なんとなく聞いたことはあるけど、違いはよくわからない」という方も多いのではないでしょうか。この記事では、購入して自分のものになる分譲マンションに絞って、どのように作られ、どんな特徴を持つのかを、流れに沿ってわかりやすく説明します。
分譲マンションはこうやって作られる
分譲マンションは、土地探しから始まり、計画・建設を経て完成するまで、一つひとつの段階を積み重ねて作られていきます。
まずは土地を見つけるところから始まる
分譲マンションを作るのは、マンションを専門に手がける会社です。この会社は一般的に「デベロッパー」と呼ばれますが、この記事ではわかりやすく「マンションを作る会社」と呼びます。
その会社がまず行うのは、土地探しです。どこにマンションを建てるかは、とても重要な決断です。駅に近い場所か、学校や買い物施設が近いか、周辺の環境はどうかといったことを細かく調べながら、場所を決めていきます。
土地が見つかったら、次はその土地を購入します。これだけでもかなりの費用がかかるため、マンション作りは最初から大きなお金が動く事業になります。
どんなマンションにするかを考える
土地が手に入ったら、次はマンションの中身を考える段階に入ります。何階建てにするか、部屋の数はどのくらいにするか、間取りはどんな形にするかを決めていきます。
また、エントランスのデザインや共用の廊下、エレベーターの数、駐車場のスペースなども、この時点で細かく計画されます。「誰に買ってもらいたいか」を考えながら、家族向けの広い部屋を多くするか、一人暮らし向けのコンパクトな部屋を増やすかといった方向性も決まります。
計画が固まったら、建設会社に工事を依頼します。マンションを作る会社と、実際に建てる会社は別であることが多く、それぞれの専門家が協力して進めていきます。
建設して、ようやく形になる
設計が完成したら、いよいよ工事が始まります。まず地面を深く掘り、建物を支えるための土台を作ります。そこから少しずつ上に向かって階が積み上がっていき、だんだんとマンションの形が見えてきます。
工事には1年以上かかることも珍しくありません。その間、マンションを作る会社はすでに「買いませんか?」という案内を始めています。完成前から販売が始まるのは、分譲マンションならではの特徴です。購入を決めた人は、完成を楽しみに待つことになります。
こうして、ようやく建物が完成します。内装の仕上げが終わり、検査をクリアすると、いよいよ購入者に部屋が引き渡されます。そしてここから、分譲マンションならではの特徴が見えてきます。
分譲マンションは完成後が大きく違う
分譲マンションは完成した時点がゴールではなく、そこから住民による管理が始まる点に大きな特徴があります。
部屋ごとに所有者がいる
分譲マンションの大きな特徴は、部屋が「売られる」ことです。1棟の建物の中に、それぞれ異なる所有者がいます。101号室はAさんの部屋、102号室はBさんの部屋、というように、部屋ごとに持ち主が存在します。
賃貸マンションは、建物全体を1つの会社や個人が持っていて、住む人はお金を払って借りる形です。分譲マンションはその点が根本的に異なります。部屋を購入した人は、その部屋の「持ち主」になるのです。
管理組合ができる
部屋の所有者が集まると、全員で建物を管理する必要が出てきます。廊下やエレベーター、エントランスといった共用部分は、誰か1人のものではなく、全員で共有しているからです。
そのため、分譲マンションには「管理組合」という仕組みがあります。所有者全員が自動的にメンバーになり、建物をどう維持していくかを話し合いで決めていきます。修繕の計画や費用の使い道なども、みんなで決めることになります。
実は買って終わりではない
分譲マンションを購入した後も、毎月いくらかのお金を支払い続ける必要があります。共用部分の清掃や設備の維持にかかる費用、そして将来の修繕に備えて積み立てるお金です。
「買ったのにまだお金がかかるの?」と驚く方もいますが、建物を長く良い状態に保つために必要な仕組みです。賃貸では大家さんがその役割を担いますが、分譲では所有者みんなで担います。ここが賃貸との大きな違いのひとつです。
まとめ|分譲マンションはみんなで持つ建物
分譲マンションは作られる過程だけでなく、完成後の関わり方まで含めて理解することで、その特徴がよりはっきり見えてきます。
作られ方のポイント
分譲マンションは、マンションを作る会社が土地を探し、計画を立て、建設会社に工事を依頼して完成させます。完成前から販売が始まることも多く、購入者は完成を待って部屋を受け取ります。
一番大事な特徴
分譲マンションのもっとも大切な点は、「部屋ごとに所有者がいる」ということです。1つの建物を複数の人がそれぞれ持ち合い、共用部分はみんなで管理していく。これが分譲マンションの基本的な形です。
次に知っておきたいこと
分譲マンションを検討するときは、購入金額だけでなく、毎月かかる費用や管理組合の活動についても知っておくと安心です。建物全体のことを所有者みんなで考えるというのは、一戸建てとも賃貸とも違う、独特の暮らし方です。
意外と知らないことが多いですよね。「なんとなくわかった」という感覚が持てたなら、次はもう少し具体的な内容を知ってみるのがおすすめです。分譲と賃貸の違いや、管理費の仕組みを知ることで、マンションの見方が大きく変わってきます。

コメント