神奈川県マンション管理の現状と課題:管理費・修繕積立金の地域別傾向とマンションの賢い選び方

マンション管理

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神奈川県は、横浜市や川崎市といった大都市を擁し、首都圏への抜群のアクセスからマンション需要が絶えないエリアです。しかし、横浜市西区の平均価格7,576万円から秦野市の1,703万円まで、地域によって価格や管理費、修繕積立金に大きな差があります。特に、管理費と修繕積立金は購入後のランニングコストを左右し、長期的な住みやすさや資産価値に直結します。

この記事では、マンション管理新聞2025年3月25日号(第1298号)の記事から、横浜市、川崎市、相模原市、その他の市町村で流通した5,198件を対象としたデータを基に、管理費と修繕積立金の地域別傾向を詳しく分析します。

また、管理組合の視点から適切なコスト設定の重要性を解説しつつ、マンション価格を踏まえた住みやすさや購入しやすさも提案します。神奈川県でマンション購入を検討中の方必見の内容です!

全体感について触れた以下の記事

も是非ご参照ください。

各データについては、マンション管理新聞の記事を参照し、当研究室が独自集計・分析しています。

データから見る神奈川県のマンション管理費と修繕積立金の傾向

横浜市の管理費・修繕積立金:エリア別に見る特徴

まず、横浜市の管理費と修繕積立金の傾向を見てみましょう。

対象物件件数 平均戸数 平均価格(万円) 価格(万円/㎡) 平均専有面積(㎡) 平均管理費(円) 管理費(円/㎡) 平均修繕積立金(円) 修繕積立金(円/㎡)
鶴見区 262 98 3,503 53.1 65.95 12,549 190 13,839 210
神奈川区 205 88.8 4,920 75.5 65.14 13,789 212 14,005 215
西区 201 97.1 7,576 109.1 69.42 16,409 236 14,725 212
中区 185 85.7 6,131 92.8 66.09 15,519 235 14,389 218
南区 190 64.8 3,156 52.5 60.11 12,862 214 13,152 219
保土ケ谷区 131 87.7 2,922 43.8 70.05 13,097 187 14,304 204
磯子区 141 104.1 2,890 43.8 65.93 12,068 183 14,024 213
金沢区 112 136.9 2,859 37.6 75.95 12,192 161 14,012 184
港北区 303 85.8 4,454 66.1 67.42 13,064 194 14,393 213
戸塚区 171 140.7 3,374 46.4 72.69 12,248 168 15,420 212
港南区 129 83.2 3,131 45.1 69.44 12,321 177 14,852 214
旭区 82 67.7 2,832 40.9 69.25 12,849 186 15,544 224
緑区 98 82.3 3,427 50.1 68.43 12,333 180 13,411 196
瀬谷区 25 82.6 3,355 46.1 72.82 13,945 191 13,405 184
栄区 56 157.4 3,527 45.8 76.93 12,729 165 16,117 210
泉区 35 85.9 3,458 44 78.6 13,039 167 16,188 206
青葉区 154 69.5 4,922 67.1 73.4 13,749 187 17,887 244
都筑区 104 128.1 5,049 63.1 79.96 13,700 171 15,762 197
横浜市計 2,584 95 4,210 61.1 68.85 13,342 194 14,605 212

横浜市18区の平均データは以下の通りです:

  • 平均価格: 4,210万円
  • ㎡単価: 61.1万円/㎡
  • 平均専有面積: 68.85㎡
  • 平均管理費: 13,342円(194円/㎡)
  • 平均修繕積立金: 14,605円(212円/㎡)

高価格・高コストエリア:西区と中区

  • 西区: 平均価格7,576万円、㎡単価109.1万円、管理費16,409円(236円/㎡)、修繕積立金14,725円(212円/㎡)
  • 中区: 平均価格6,131万円、㎡単価92.8万円、管理費15,519円(235円/㎡)、修繕積立金14,389円(218円/㎡)
    みなとみらいや山手エリアに位置するこれらの区は、タワーマンションや高級物件が多く、管理費が突出。コンシェルジュや豪華な共用施設がコストを押し上げていると考えられます。

低価格・低コストエリア:金沢区と戸塚区

  • 金沢区: 平均価格2,859万円、㎡単価37.6万円、管理費12,192円(161円/㎡)、修繕積立金14,012円(184円/㎡)
  • 戸塚区: 平均価格3,374万円、㎡単価46.4万円、管理費12,248円(168円/㎡)、修繕積立金15,420円(212円/㎡)
    都市中心部から離れたこれらの区は、戸数が多い(戸塚区140.7戸、金沢区136.9戸)ためコストが分散され、管理費が抑えられています。

修繕積立金の注目ポイント:青葉区

  • 青葉区: 修繕積立金17,887円(244円/㎡)
    築年数が経過した物件が多く、大規模修繕の必要性が高まっているため、修繕積立金が突出しているのではと考えられます。また、国の基準等に従って適切に修繕積立金を貯めてきているともいえそうです。

川崎市の管理費・修繕積立金:再開発エリアの影響

続いて、川崎市の傾向を見てみましょう。

対象物件件数 平均戸数 平均価格(万円) 価格(万円/㎡) 平均専有面積(㎡) 平均管理費(円) 管理費(円/㎡) 平均修繕積立金(円)
修繕積立金(円/㎡)
川崎区 167 101.5 4,004 63.2 63.31 12,148 192 13,683 216
幸区 89 171.3 5,218 79.3 65.81 12,419 189 14,029 213
中原区 152 97.1 5,883 89.1 66.01 14,703 223 16,197 245
高津区 155 76.8 4,461 64.4 69.31 13,383 193 15,317 221
宮前区 107 74.6 3,404 49.8 68.32 12,703 186 14,066 206
多摩区 226 60.1 3,954 56.3 70.29 14,025 200 16,849 240
麻生区 85 74.9 3,837 52 73.87 13,830 187 15,163 205
川崎市計 981 88.5 4,386 64.5 67.97 13,402 197 15,261 225

川崎市7区の平均データ:

  • 平均価格: 4,386万円
  • ㎡単価: 64.5万円/㎡
  • 平均専有面積: 67.97㎡
  • 平均管理費: 13,402円(197円/㎡)
  • 平均修繕積立金: 15,261円(225円/㎡)

高価格・高コストエリア:中原区と幸区

  • 中原区: 平均価格5,883万円、㎡単価89.1万円、管理費14,703円(223円/㎡)、修繕積立金16,197円(245円/㎡)
  • 幸区: 平均価格5,218万円、㎡単価79.3万円、管理費12,419円(189円/㎡)、修繕積立金14,029円(213円/㎡)
    武蔵小杉周辺の再開発でタワーマンションが増加し、管理費と修繕積立金が上昇していることが想定されます。

低価格・低コストエリア:宮前区と麻生区

  • 宮前区: 平均価格3,404万円、㎡単価49.8万円、管理費12,703円(186円/㎡)、修繕積立金14,066円(206円/㎡)
  • 麻生区: 平均価格3,837万円、㎡単価52万円、管理費13,830円(187円/㎡)、修繕積立金15,163円(205円/㎡)
    都市部から離れたエリアで、管理コストが比較的抑えられています。

相模原市の管理費・修繕積立金:コスト抑えめの特徴

さらに、相模原市についても見てみましょう。

対象物件件数 平均戸数 平均価格(万円) 価格(万円/㎡) 平均専有面積(㎡) 平均管理費(円) 管理費(円/㎡) 平均修繕積立金(円)
修繕積立金(円/㎡)
緑区 57 73.5 2,779 44.5 62.47 12,486 200 14,354 230
中央区 145 71.4 2,515 38.5 65.33 11,655 178 13,819 212
南区 135 104.5 3,142 46.2 68.01 11,742 173 13,224 194
相模原市計 337 85 2,811 42.6 65.92 11,830 179 13,671 207

相模原市3区の平均データ:

  • 平均価格: 2,811万円
  • ㎡単価: 42.6万円/㎡
  • 平均専有面積: 65.92㎡
  • 平均管理費: 11,830円(179円/㎡)
  • 平均修繕積立金: 13,671円(207円/㎡)

区ごとの違い

  • 緑区: 管理費12,486円(200円/㎡)、修繕積立金14,354円(230円/㎡)
  • 南区: 管理費11,742円(173円/㎡)、修繕積立金13,224円(194円/㎡)
    横浜市や川崎市に比べ全体的にコストが低く、南区が特に抑えられています。

その他の市町村:リゾート地と郊外のコントラスト

その他の神奈川県の市や群についてもデータがありますので、確認してみましょう。

市・郡 対象物件件数 平均戸数 平均価格(万円) 価格(万円/㎡) 平均専有面積(㎡) 平均管理費(円) 管理費(円/㎡) 平均修繕積立金(円) 修繕積立金(円/㎡)
横須賀市 174 117.7 2,635 38 69.4 12,536 181 13,539 195
平塚市 98 90.2 2,842 40.7 69.81 12,468 179 14,251 204
鎌倉市 83 85 5,450 64 85.17 16,109 189 18,254 214
藤沢市 255 76.4 4,217 60.1 70.13 13,584 194 14,669 209
小田原市 26 60.2 3,441 47.4 72.63 14,414 198 15,018 207
茅ヶ崎市 114 83.4 3,891 50.7 76.79 13,472 175 15,680 204
逗子市 37 52.5 4,499 60.6 74.24 13,921 188 16,286 219
三浦市 17 113.1 2,346 33.2 70.7 13,802 195 13,172 186
秦野市 28 128.2 1,703 23.2 73.3 11,478 157 13,397 183
厚木市 82 80.4 2,599 36.1 71.94 12,419 173 14,222 198
大和市 126 69.9 3,008 44.9 67.07 12,591 188 15,126 226
伊勢原市 17 59.4 1,997 29.3 68.04 11,009 162 13,176 194
海老名市 59 148.7 3,174 46.4 68.38 11,967 175 13,429 196
座間市 88 83.5 2,124 32.2 65.99 11,542 175 13,689 207
綾瀬市 14 52.6 1,779 26.7 66.6 11,788 177 14,257 214
三浦郡葉山町 13 48.9 8,161 75.7 107.81 27,919 259 18,546 172
高座郡 3 469.7 1,887 25.6 73.63 7,200 98 15,037 204
中郡 8 79.1 4,310 47.2 91.27 15,567 171 16,436 180
足柄上郡 3 73.7 2,820 31.8 88.66 11,719 132 20,120 227
足柄下郡 51 63.7 1,703 22.3 76.29 31,510 413 12,774 167
市部 1,296 87.8 3,332 46.3 71.99 13,901 193 14,668 204

その他の市町村の平均データ:

  • 平均価格: 3,332万円
  • ㎡単価: 46.3万円/㎡
  • 平均専有面積: 71.99㎡
  • 平均管理費: 13,901円(193円/㎡)
  • 平均修繕積立金: 14,668円(204円/㎡)

高価格・高コストエリア

  • 葉山町: 平均価格8,161万円、管理費27,919円(259円/㎡)、修繕積立金18,546円(172円/㎡)
  • 鎌倉市: 平均価格5,450万円、管理費16,109円(189円/㎡)、修繕積立金18,254円(214円/㎡)
    リゾート地としての価値が管理コストに反映されていると想定されます。

低価格・低コストエリア

  • 秦野市: 平均価格1,703万円、管理費11,478円(157円/㎡)、修繕積立金13,397円(183円/㎡)
  • 綾瀬市: 平均価格1,779万円、管理費11,788円(177円/㎡)、修繕積立金14,257円(214円/㎡)

特異なケース

  • 足柄下郡: 管理費31,510円(413円/㎡)
    豪華な共用施設を持つリゾート型マンションが影響。

管理組合の視点:管理費と修繕積立金の適切な設定が鍵

管理費の設定:高コストの背景と戸数の影響

管理費は共用部分の維持管理に充てられる費用で、適切な設定が求められます。

  • 高管理費の理由: 西区(236円/㎡)や中原区(223円/㎡)では、コンシェルジュの配置や共用部分の豪華さがコストを押し上げ。
  • 戸数の影響: 栄区(157.4戸、管理費165円/㎡)や幸区(171.3戸、管理費189円/㎡)ではコストが分散。一方、横浜市南区(64.8戸、214円/㎡)や多摩区(60.1戸、200円/㎡)は負担が集中。

修繕積立金の重要性:不足リスクを回避

修繕積立金は大規模修繕に備える資金です。また、国が一定基準を求めていることから、極端に低い地域はありませんでした。

  • 高額エリア: 青葉区(244円/㎡)や中原区(245円/㎡)は修繕需要の増加を反映。
  • 低額エリアの傾向: 金沢区(184円/㎡)や相模原市南区(194円/㎡)では、大規模マンションが多く単価が抑えられる一方で、積立不足による一時金徴収のマンションが比較的多い可能性も。
  • 郊外リゾート地域の低さ:管理費が高めに設定されている地域である足柄下郡(167円/㎡)や三浦郡葉山町(172円/㎡)は修繕積立金単価が比較的低く抑えられている。

管理組合の透明性:信頼を築く運営

管理費や修繕積立金の使途を明確にし、定期報告を行うことで居住者の信頼を確保。修繕積立金の運用状況や計画見直しが重要です。

購入者向け:マンション価格と管理コストのバランスを考える

高価格エリアのメリットと注意点

  • メリット: 利便性が高い西区や中原区は資産価値が安定し、賃貸需要も高い。
  • 注意点: 70㎡の物件で管理費+修繕積立金が約3万円/月、年間36万円以上の負担に。

低価格エリアの魅力とリスク

  • 魅力: 秦野市や相模原市中央区は初期投資と管理費が低く、購入しやすい。
  • リスク: 修繕積立金の不足で将来の負担増が懸念。

バランスの良い選択肢

  • 港北区: 価格4,454万円、管理費13,064円(194円/㎡)、修繕積立金14,393円(213円/㎡)
  • 藤沢市: 価格4,217万円、管理費13,584円(194円/㎡)、修繕積立金14,669円(209円/㎡)
    コストと住みやすさが調和したエリアです。

住みやすさと購入しやすさ:ライフスタイル別おすすめエリア

ファミリー層におすすめ

  • 戸塚区: 管理費168円/㎡、戸数140.7戸、専有面積72.69㎡で子育てに最適。
  • 都筑区: 管理費171円/㎡、専有面積79.96㎡で広々快適。

単身者・DINKSにおすすめ

  • 西区: 高級感と利便性が魅力だが、管理費の高さに注意。
  • 川崎区: 価格4,004万円、管理費192円/㎡で手頃かつアクセス良好。

シニア層におすすめ

  • 鎌倉市: 静かな環境と修繕積立金214円/㎡で安定。
  • 泉区: 価格3,458万円、管理費167円/㎡で自然豊か。

賢いマンション選びのポイント:神奈川県で失敗しないために

神奈川県のマンション市場は地域差が大きく、管理組合の運営が成功の鍵。購入前に以下のポイントをチェックしましょう:

  1. 総負担を試算: 住宅ローン+管理費+修繕積立金の合計を確認。
  2. 戸数を重視: 大規模物件でコスト分散を活用。
  3. 管理状況を調査: 修繕積立金の積立状況や管理組合の透明性を確認。特に修繕積立金単価は安ければ良い訳ではない。
  4. ライフスタイルに合った選択: 家族構成や将来計画にマッチするエリアを。

神奈川県で理想のマンションを見つけるなら、価格と管理コストのバランスを見極め、快適な住まいと資産価値の両立を目指しましょう。今すぐ物件情報をチェックして、あなたにぴったりの住まいを見つけてください!

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