【徹底解説】トランプ関税ショックと不動産市場の行方:専門家が語る資産防衛術

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興味深い動画を拝見したので、少々まとめてみました。

トランプ関税の影響で、不動産が今後どうなっていくのか、また購入を考えている方はどのように立ち回れば良いのか、専門家によって考え方が色々とありますが、今回はReHacQの動画から紹介します。

以下、重要な論点中心にまとめてみました。

はじめに:トランプ関税による経済の混乱と資産への影響

先週からのトランプ関税に関する動きは、まさにジェットコースターのような相場展開を見せ、多くの人が経済の先行きに不安を感じています。本動画では、このような経済の混乱が不動産市場にどのような影響を与えるのか、そして私たち個人がどのように資産を守っていくべきなのかについて、不動産と住宅ローンに詳しい2人の専門家が徹底的に議論しています。

株式会社MFS取締役CMOで住宅ローンに詳しい塩澤崇さんと、不動産投資家でありホームコンサルティングソリューションズ株式会社代表取締役の小林大祐さんが、それぞれの専門的な視点から貴重な意見を述べられています。

トランプ関税の再来とその影響

トランプ氏の保護主義政策は予測可能だった

不動産兄貴こと小林さんは、トランプ関税自体はトランプ大統領が選挙戦時から一貫して主張してきた政策であり、予測可能であったと指摘します。いわゆる「グレートアメリカアゲイン」という保護主義は以前から変わっておらず、今回の下落相場も特大暴落ではなく、予定通りの現象だと捉えています。

トランプ関税の真の狙いとは?

塩澤さんは、トランプ関税の狙いとして主に2つの側面を指摘します。

  • 今後の減税のための財源確保: トランプ氏は共和党であり小さな政府を目指す一方で、減税による国民への還元を考えている可能性があります。そのための財源を関税によって確保しようとしていると考えられます。
  • 中国経済への牽制と国内産業の回帰: 米中貿易摩擦のような状況を再び作り出し、中国経済を弱体化させ、アメリカ国内への製造業回帰を促す意図があると考えられます。

小林さんもこの意見に同意しており、トランプ関税は単なる通商政策ではなく、安全保障の観点も踏まえた外交カードであると分析しています。通商を緩やかにした結果、半導体などの高度な技術が中国へ流出した反省から、通商と安全保障をセットで考える政策への転換を図っていると見ています。

日本経済への影響は限定的か

塩澤さんは、日本経済も多少の影響は受ける可能性があるとしつつも、アメリカの巨大なマーケットを考えると、輸出企業も単価を上げて対応せざるを得ず、関税の一部は日本を含む輸出業者も負担することになると分析します。ただし、日銀の利上げペースは、輸出産業への逆風を考慮すると鈍化する可能性もあると見ています。

2. 世界経済の動向と「世界恐慌」のリスク

定期的に発生するリセッション

小林さんは、「世界恐慌」という表現の正確性はともかく、リセッションは定期的に発生するイベントであると指摘します。過去のリーマンショックや世界恐慌もアメリカ発であったことに触れ、今後も同様の事態がアメリカ発で起こる可能性を認識しておくべきだと述べています。

現在は世界恐慌の初期段階に似た状況?

小林さんは、現在の世界経済の状況が、過去の世界恐慌が起こった時の状況と似ている点があると指摘します。それは、一方の国(現在は中国)がデフレであるのに対し、他の多くの国がインフレであるという状況です。過去の世界恐慌時には、アメリカが世界の工場として復興を牽引し、過剰な需要によるバブルが崩壊した経緯があり、現在の中国の状況と重ね合わせて警戒感を示唆しています.

資産を守るための戦略:ステージ別の考え方

資産5000万円未満の層:入金力強化と長期投資

小林さんは、投資家のステージによって取るべき戦略は全く異なると述べます。資産5000万円未満の層は、まず入金力を高め、節約を徹底し、少額でも良いので常識的な金融商品を使ってお金に働いてもらうフェーズであるとします。

新NISAの登場によって、年利5%程度の投資は当たり前になったとし、時間を味方につけ、ドルコスト平均法による長期分散積立投資が有効であると強調します。

資産5000万円以上の層:現物不動産投資も視野に

一方、資産5000万円以上の層は、現物の不動産投資も視野に入れることができると述べます。ただし、都心部では最低1億円程度の資金がないと勝負が難しい現状も指摘しています。

インフレ時代の資産防衛:現金の価値減少を認識する

塩澤さんは、今はインフレの時代であり、現金を保有し続けることはリスクであるという認識を持つべきだと強調します。デフレ時代とは異なり、インフレ下では現金の価値は年々目減りしていくため、インフレの追い風を受ける資産(株や不動産など)へのシフトが必要であると説きます。

株価が下がっている局面でも、長期分散積立投資は有効であり、下がった時に安く買える投資方法であると改めて強調しています。

不動産市場の現状と今後の見通し

都市部と地方の二極化:都心部は無風、地方は下落圧力

塩澤さんは、不動産市場は二極化が進むと見ており、都心部はトランプ関税の影響はほとんどなく無風状態であると予測します。一方、郊外や地方は下落圧力が高まる可能性があると指摘します。

都市部高値維持の要因:海外投資家、特に中国の富裕層の存在

小林さんは、日本の都市部の不動産価格が高止まりしている要因として、中国の富裕層によるアセットアロケーション需要が大きいと指摘します。中国の政治や経済に対する不信感から、資産を海外の不動産に移す動きが活発であり、特に日本の不動産は魅力的な投資対象となっています。このトレンドは、中国経済が不安定な状況が続く限り継続すると見ています。

また、塩澤さんも、都心部や湾岸エリアなど、中国人コミュニティの周辺では、中国人の購入意欲が高く、価格が上昇しやすい傾向があると述べています。

地方不動産の厳しい現状:人口減少と空き家問題

地方の不動産については、2025年問題を背景とした人口減少が深刻であり、空き家問題も顕在化しているため、需要に対して供給が過剰になる傾向にあると小林さんは指摘します。今後は、生活利便性の高い都市部への人口集中が進むと見ています。

狙い目のエリア:都心へのアクセスが良い「城北デルタ」

塩澤さんは、都心部の不動産価格が高騰し一般の人が手を出しにくい現状を踏まえ、都心へのアクセスが良いにも関わらず、比較的価格が抑えられているエリア(例:城北デルタ:赤羽、池袋、田端周辺)を探すのも一つの手であると提案します。

住宅購入の考え方と住宅ローンの選び方

「欲しい」と思った時が買い時:住み替え前提で価値の減らない物件を

小林さんは、自身が住むための住宅に関しては、「欲しい」と思ったタイミングが絶対的な買い時であると断言します。人生のフェーズに合わせて住み替えることを前提に、価値が減りにくい(元本毀損しない)不動産を選ぶことが重要であると強調します. 借入れに対する考え方として、価値が毀損しないものへの借入れはリスクが低いという認識も示しています.

住宅ローンは変動金利が有利?:専門家の見解

塩澤さんは、現時点では住宅ローンは変動金利の方が有利であると考えています。固定金利との金利差がまだ大きく、日銀の利上げペースも緩やかであると予想されるため、変動金利のメリットが大きいと見ています。ただし、金利上昇リスクも考慮し、無理のない返済計画を立てることが重要であると注意を促します。

また、住宅ローンは借り換えが可能であるため、より低い金利のローンが見つかった場合は積極的に借り換えることも検討すべきだと述べています。繰り上げ返済については、低金利の住宅ローンであれば、投資に資金を回した方が効率的であるという考えを示しています。

持ち家か賃貸か:ライフプランと価値観で選択

家を買うことの幸せは、資産性だけではないと塩澤さんは強調します。家族構成やライフプラン、そして何を大切にするかという価値観によって、持ち家が良いか賃貸が良いかの判断は異なるとし、それぞれの家族にとって何が幸せなのかを考えることが最も重要であると述べています。

まとめ:変化を恐れず、賢く行動することが重要

本動画を通して、トランプ関税による経済の変動、そして不動産市場の今後の動向について、専門家の視点から深く理解することができました。重要なのは、変化を恐れず、それぞれの状況に合わせて情報を収集し、賢く行動することです。

資産を守るためには、インフレ時代の考え方にシフトし、長期的な視点を持つこと、そして不動産という選択肢も視野に入れながら、自分にとって最適な戦略を立てることが求められます。

【記事執筆・監修】
マンション管理士・1級ファイナンシャル・プランニング技能士 古市 守
yokohama-mankan

マンション管理全般に精通し、管理規約変更、管理会社変更、管理計画認定制度の事前審査、修繕積立金の見直し、マンション関連コラムの執筆など、管理組合のアドバイザーとして幅広く活動。
また、企業経営、とりわけ財務・経理分野にも精通し、上場企業やベンチャー企業でCFOや財務経理部長を歴任。経営・財務視点を活かし、マンション管理の実践的なサポートを提供している。

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