トランプ関税が日本の不動産市場に与える影響:3つのポイントと投資戦略

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前回に引き続き、PIVOT動画の要約です。2つ目はこちらの動画に関する記事です。興味深く拝見したので、文字に落としてみました。

【トランプ関税、不動産市場への3つの影響】①金利上昇の抑制→実需面プラス/②円高の進行→外国人需要減退/③輸入建材価格の高騰→新築の減少が加速/買い時は来るか/日本の不動産は割安/不動産投資戦略の展望

トランプ関税の導入が世界経済に波紋を広げる中、日本の不動産市場への影響が注目されています。この記事では、関税が不動産市場に及ぼす3つの主要な影響—金利上昇の抑制円高進行による外国人需要の減退輸入建材価格の高騰—を詳しく解説し、投資家や住宅購入希望者に向けた戦略を提案します。

最新の市場動向を踏まえた構成でお届けします。

金利上昇の抑制:実需にプラス

景気後退で金利はどうなる?

トランプ関税が世界経済に不透明感をもたらす中、景気後退懸念が高まっています。景気後退局面では、中央銀行が金利引き上げを控える傾向にあり、日本でも日銀の金融政策が緩和的になる可能性が高いです。2025年4月時点で、住宅ローンの固定金利は上昇傾向にありましたが、関税による経済停滞が金利上昇を抑制する見込みです。

実需にとってのメリット

金利が抑えられると、住宅ローンの借入コストが低下し、マイホーム購入を検討する層にとって追い風となります。特に、変動金利を選択する購入者には有利な環境が続くでしょう。首都圏の中古マンション市場では、過去のリーマンショック時でも価格下落が5%程度にとどまった歴史があり、需要の底堅さが確認されています。したがって、金利抑制は実需層にとって「買い時」を後押しする要因となりそうです。

円高進行:外国人需要の減退

円高がもたらす影響

関税導入に伴う世界経済の混乱は、円を安全資産として押し上げ、円高を進行させています。2025年4月時点で、円相場は一時的にドルに対して上昇。これにより、外国人投資家にとって日本の不動産価格が相対的に高く感じられるようになります。特に、東京都心3区(中央区、港区、千代田区)リゾート地(ニセコなど)で顕著な影響が予想されます。

都心タワマンの動向

都心のタワーマンションは、外国人投資家や富裕層による金融商品化が進んでおり、株価や為替の変動に敏感です。円高が進めば、外国人需要が減退し、一時的に価格が下落する可能性があります。ただし、日本の不動産はグローバル比較で依然として割安(香港の1/3、ロンドンの1/2程度)であり、暴落に至る可能性は低いとされています。リーマンショック時も、都心部の価格下落は限定的で、1年程度で回復傾向を示しました。

投資家の視点

円高による影響は一時的と見られ、中国や香港の富裕層は依然として日本の安定性や税制優遇に魅力を感じています。したがって、都心物件を狙う投資家は、短期的な価格調整をチャンスと捉え、長期保有を前提に動くのが賢明です。

輸入建材価格の高騰:新築減少が加速

建築コストの上昇

トランプ関税により、輸入建材(特に米国産木材など)の価格が上昇する見込みです。日本は木材輸入の約3割を米国に依存しており、関税が上乗せされれば建築コストがさらに高騰。2015年比で既に1.4倍に達している建築費は、2025年以降も上昇が続く可能性が高いです。

新築市場への影響

建築費の高騰は、新築マンションや戸建ての供給減少を加速させます。首都圏では、新築マンションの供給戸数が10年前の約6万戸から3万戸以下に激減。この傾向が強まれば、需給バランスが崩れ、中古市場への需要シフトが顕著になるでしょう。特に、東京など人口流入が続くエリアでは、中古物件の価格が底堅く推移する見込みです。

住宅購入の戦略

新築価格の上昇は、中古物件の相対的な割安感を高めます。購入希望者は、建築費高騰が本格化する前に、資産性の高い中古物件を検討するのが得策です。また、賃貸需要も底堅いため、投資用途で中古物件を購入し、賃料収入を得る戦略も有効です。

不動産は割安か? グローバル比較での魅力

日本の不動産市場は、グローバルな視点で見ると依然として割安です。東京の高級住宅価格は、香港の1/3、ニューヨークの4割程度にすぎません。治安の良さや政治的安定性も加味すれば、外国人投資家にとって日本の不動産は魅力的な選択肢であり続けます。円高や関税の影響で一時的な調整があっても、長期的な成長余地は大きいと評価されています。

不動産投資戦略の展望

実需層へのアドバイス

住宅購入を検討する実需層は、金利上昇が抑制される今、資産性の高い物件を早期に購入するのが賢明です。特に、年収が安定し、住宅ローンを無理なく組める層は、変動金利を活用し、都心やその近郊の中古マンションを狙うべきです。歴史的に、首都圏の不動産はリーマンショックやコロナ禍でも大幅な下落を免れており、早期購入が賃料コストの節約にもつながります。

投資家へのアドバイス

投資家は、都心タワーマンションの短期的な価格調整を注視しつつ、長期保有を前提に動くべきです。円高による外国人需要の減退は一時的であり、グローバルな割安感が再び注目を集める可能性が高いです。また、建築費高騰で新築供給が減る中、賃貸需要が強いエリア(例:国道16号線内側のアパートなど)への投資も有望。利回り6-7%程度の物件は、銀行融資を活用すれば安定した資産形成が可能です。

注意点:リスク管理

不動産投資は「簡単な儲け話」ではありません。変な業者に惑わされず、信頼できるプロと相談しながら物件を選ぶことが重要です。また、借入を伴う投資はリスクを伴うため、自己資金の余裕度やキャッシュフローを慎重に評価しましょう。

買い時は来るのか?

株価が2-3割下落すれば、都心部の不動産価格も10%程度調整する可能性があります。これは、高値で手が出なかった層にとって参入のチャンスとなり得ます。ただし、不動産は株価ほどボラティリティが高くなく、取引に時間もかかるため、「押し目買い」のタイミングを見極めるのは難しいです。賃料コストや金利環境を考慮すると、待つよりも早く動く方が合理的といえるでしょう。

結論:冷静な判断でチャンスを掴む

トランプ関税は日本の不動産市場に多面的な影響を及ぼしますが、暴落のリスクは低いと見られます。金利抑制は実需層にプラス、円高は都心物件に一時的な調整をもたらす可能性があり、建築費高騰は中古市場をさらに押し上げます。投資家も実需層も、市場の動きを冷静に見極め、資産性の高い物件をタイミングよく購入することで、長期的な資産形成につなげられるでしょう。

不動産市場は、短期的な波に惑わされず、長期視点で取り組むべき領域です。2025年の今、情報収集と専門家との対話を重ね、賢い一歩を踏み出してください。

このような形で紹介されていました。前回の動画と対比して、異なる視点もありますが、不動産動向の参考になるため、双方ご確認頂ければ幸いです。

【記事執筆・監修】
マンション管理士・1級ファイナンシャル・プランニング技能士 古市 守
yokohama-mankan

マンション管理全般に精通し、管理規約変更、管理会社変更、管理計画認定制度の事前審査、修繕積立金の見直し、マンション関連コラムの執筆など、管理組合のアドバイザーとして幅広く活動。
また、企業経営、とりわけ財務・経理分野にも精通し、上場企業やベンチャー企業でCFOや財務経理部長を歴任。経営・財務視点を活かし、マンション管理の実践的なサポートを提供している。

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