居住者に外国人がいる場合に管理組合で是非行いたい4つの工夫を紹介

マンション管理

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うちのマンションには外国人が住んでいて対応が必要ではないかと思うのだけど…

また、

外国人の居住者が困っていることが多く、私も回答に困ることがあった…

さらには、

区分所有者の中に外国人がいる場合はどのようなルールを考えればよいのか?

このような疑問を持つ管理組合やマンション居住者も多いと思います。

確かに、どこの地域でも外国人が増えている中、マンション管理組合においても同様の状況となっているでしょう。

管理組合としてどのような対応を心がければよいのか、今回はこのような疑問に対する解決策を紹介します。

居住者に外国人がいる場合に管理組合で是非行いたい4つの工夫を紹介

今回紹介する外国人のテーマについては、以下の通りです。

・管理組合運営における将来の不安は?
・居住者に外国人がいる場合の管理組合で確認したい注意点は?
・外国人居住者に対して是非行いたい4つの工夫を紹介

まず、データとして令和5年度マンション総合調査より、「管理組合運営における将来の不安」という回答に対して、外国人に関する回答がありますので紹介します。

次に、居住者(以下、区分所有者+区分所有者から借りている賃借人、さらにその家族を指す)に外国人がいる場合に、管理組合として確認しておきたい注意点があります。

そのための内容を紹介します。

さらに、注意点を受けて、管理組合として外国人居住者に対してできる工夫を紹介します。

管理組合運営における将来の不安は?

国土交通省による令和5年度マンション総合調査の中に、「管理組合運営における将来の不安」という質問に対する回答があります。

その中で、「外国人居住者とのコミュニケ―ション」という項目が入っています。

データをそのまま引用して紹介します。

全体ならびに完成年次別の回答傾向は?

まず、全体と完成年次別の回答傾向になります。

回答割合として「高齢化」「理事の選任」「組合活動に無関心」「大規模修繕工事」等が多い傾向にあります。

今回のテーマである将来の不安として「外国人居住者とのコミュニケ―ション」を挙げている回答割合については、以下の通りです。

・全体では4.3%と令和5年時点では問題視されていない
・完成年次別では昭和のマンションが比較的高い割合で10%前後の回答

昭和のマンションは、高齢化も高く、理事の選任が困難であるとの割合も高く、総合的に将来の不安を抱えているといえそうです。

マンションの形態別での回答傾向は?

続いて、マンションの形態別での回答傾向も見ていきます。

ここでは少し顕著な傾向が見られます。

・単棟型では20階以上のタワーマンションで11.1%と比較的高くなっている
・団地型では棟数が多いマンションにおいて割合が高くなっている

すなわち、大規模マンションにおいては、様々な国籍や価値観を持つ居住者が住む可能性が高くなります。

そのため、日本文化とは違った文化や考え方を持つ外国人が住む可能性も大いに考えられます。

そのため、管理組合の将来的な不安事項として挙げられてくるのではないかと推察されます。

居住者に外国人がいる場合の管理組合で確認したい注意点は?

次に、居住者に外国人がいる場合を想定してみます。

その際に管理組合として、具体的に注意したい点や気を付けておきたい点を紹介します。

ルールや文化の違い

国籍が違った場合には、その国で生まれ育った時からの文化に慣れ親しんでいることが一般的でしょう。

そのため、なかなか日本独自の文化や管理組合のルールがすぐに理解できない可能性もあるかもしれません。

例えばゴミ出しのルールで、どのごみも一緒に捨てても良いという考えのもとで育ってきた方が、日本では当たり前になっている分別収集というのに馴染めるかというのはあるでしょう。

管理規約や使用細則が当然に適用される

日本人や、入国して間もない外国人に限らず、管理組合のルールは遵守する必要があります。

区分所有者から借りて住んでいる外国人の賃借人であっても、管理組合のルールである管理規約や使用細則は例外なく守る必要があります。

役員への就任も考えられる

前述の通り、区分所有者に外国人がいる場合であっても、管理組合の規約は適用されることとなります。

そのため、役員への就任も当然考えられます。

各管理組合の規約が変更されていたら別ですが、外国人だからという理由で、除外することは区分所有者の平等という観点で管理組合内では考えているでしょう。

そのため、輪番制を敷いていた場合には、順番になればお願いすることも考えられます。

外国人居住者に対して是非行いたい4つの工夫を紹介

前章のとおり、文化やこれまでなじんできたルールの違いで、管理組合の規則が守ってもらえない可能性も考えられます。

その際に管理組合として実施してみたい、外国人居住者に対するおもな工夫を紹介します。

日本語と外国語の併記

まず考えられるのが、外国人で多い国籍を中心に、外国語を併記することが考えられます。

考え方としては、駅やショッピングモールなどに記載されているイメージです。

また、これは極端な例ですが、多国籍で有名な横浜市と藤沢市の境にあるいちょう団地の例です。

6か国語で紹介されていますが、英語の表記がないことから、英語圏の方が少ないことが想定されます。

また、ゴミ出しについては、日本人はこれまでの考え方により、指定の時間に指定のゴミを出すというのが習慣づいていると考えられます。

一方で、その習慣のない国もあったりするため、住民構成によっては工夫する必要もあるでしょう。

管理規約や使用細則、議案書等を翻訳してあげる

そもそも、日本語で書かれた管理規約や使用細則等のルールを理解できるのかという点も考えられます。

また、母国と違ったルールになっていないかも、規約や細則をしっかり見ないと気付かないかもしれません。

これは独自にやる必要がありますが、仮にWordやPDFで文書にしている場合は翻訳機能により、簡単に翻訳することができます。

一例として、標準管理規約第6条(管理組合)を挙げてみます。

そして、DeepLという翻訳サイトで、アメリカ英語に訳してみると、以下のようになります。

さらに、中国語(簡体字)で訳すと次のようになります。

正確な翻訳になるかはありますが、日本語の規約もより理解が深まると考えられます。

理事会や管理会社がどこまでできるかは分かりませんが、せめて普段使う重要なルールの部分だけでも、翻訳をしてあげてルールを守ってもらうことは必要でしょう。

もしくは、データで提供して、外国人居住者の方に母国語に翻訳して貰うことも考えられますが、管理組合として翻訳して提供することが丁寧かもしれません。

説明会や説明の機会の提供

外国語の併記や翻訳書面の提供だけでは、なかなか管理組合のルールが伝わらない可能性があります。

そのため、管理組合として対象者に対する、説明の機会を提供することも一つです。

外国人が入居する度に実施するのは難しいので、一定の期間に引っ越してきた方に対して、役員から説明することも考えられます。

居住者の中でも賃借人については、管理規約、使用細則等を渡して、管理組合のルールを守ってもらうことなどを不動産会社経由でお願いすることも考えられます。

対面コミュニケーションの機会を増やす

外国人に限ったことではないですが、マンション内のコミュニケーションを増やすことも重要です。

特に異国でなかなか勝手がわからない外国人は、マンションという居住形態に対しても不安なことも多いでしょう。

そのため、対面によるコミュニケーションの機会を増やしたり、困った際の相談窓口などを設定することも考えられます。

理事会や役員だけではなく、管理会社にも協力して貰うのも要検討です。

管理組合として工夫をすれば的確なコミュニケーションに近づく

今回は、管理組合として外国人が住んでいる場合を想定して、注意点や工夫を紹介しました。

冒頭の令和5年度マンション総合調査では、外国人居住者とのコミュニケーションについて不安を抱える管理組合は少数でしょう。

しかしながら、将来的にはますます増加する可能性もあります。

管理組合として、外国人に配慮しつつ、工夫をしながら管理組合運営をしていくことも求められてきそうです。

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