最近街中でLUUP(電動キックボードや電動アシスト自転車)を見ることが多くなったね
また、
小さな敷地内でもLUUPが置かれているけど、うちのマンションも設置可能なのだろうか…?
さらに、
LUUPを設置することによるメリットって何だろう??
このような疑問を持っている方も非常に多いと思います。
2024年に入ってから、都心部では急にLUUPの設置や乗っている人を見るようになってきました。
筆者もかつてスウェーデンに旅行したときに、街中で利用されている電動キックボードを見て、手軽で便利な乗り物だと思って見ていました。
これが日本にもあれば面白いな…と当時思っていましたが、暫くして日本でも導入されたことを覚えています。
今回はそのような急速に目立っているLUUPについて、マンション管理組合における設置やメリット、注意点等を紹介します。
※今回のコラムはLUUPから紹介依頼があった訳ではなく、マンション内での設置の観点から独自視点で紹介しています
マンションにLUUPを設置するメリットや注意点は?【便利な手段】
今回紹介する内容は以下の通りです。
・マンション管理組合におけるLUUP設置のメリットは?
・LUUPを設置する際の注意点とは?
若い方を中心に、LUUPを活用している方が増えていると思いませんか。
電動キックボードは、ポートが充実すれば自宅のそばで借りて、最寄りの駅で乗り捨てができるという、非常に便利な乗り物です。
また、スマホと連動しているため、若い方との親和性も高いと考えられます。
そしてマンションには、戸建てと違って比較的大きな敷地があります。
また、デッドスペースがある場合は有効活用できる可能性があるかもしれません。
さらに、これはマンション管理組合にとっても、新たな収益化手段となる可能性も秘めているでしょう。
一方で、導入においては管理組合内の合意形成が非常に重要です。
このような便利なLUUPについて、特にマンション管理組合で活用した場合のメリットや注意点等を紹介します。
今話題となっているLUUPとは?
まず初めに、今話題となっているLUUPについて紹介します。
サービス概要
などを参考に以下紹介します。
LUUPとは?
LUUPとは、時間貸しのレンタル電動キックボードと電動自転車を総称したブランド名であり、これらを提供するサービスです。
これらが置いてあるポートと言われるところで、電動キックボードや電動自転車をレンタルし、離れた他のポートに返却します。
考え方としては、
・年齢に関係なく誰もが安全に、シェア型でサステナブルな移動ができる未来のインフラをつくることを目指しています。
とのことです。
また後述しますが、サステナブル(持続可能な)という点では、電動で地球に優しい存在であることや、シェアするという考え方でモノを購入せずユーザー間で有効活用するという観点があるのではと考えられます。
現在展開しているエリアは?
ポートは順次拡大中とのことですが、都心を中心に以下のエリアで展開しているようです。
- 東京都(渋谷区・目黒区・港区・世田谷区・品川区・新宿区・中央区・千代田区・江東区・墨田区・台東区・文京区・豊島区・中野区・杉並区・荒川区・北区・大田区・板橋区・足立区・三鷹市・武蔵野市)
- 神奈川県横浜市(神奈川区・中区・西区)
- 大阪府(大阪市)
- 京都府(京都市)
- 兵庫県(神戸市)
- 愛知県(名古屋市)
- 栃木県(宇都宮市)
- 広島県(広島市)
都内や、横浜市の中心部ではかなり見るようになりました。
筆者の近隣にもモビリティのポートがあり、電動キックボードや電動自転車が日々増減しているのを見かけ、利用頻度が高くなっていると感じています。
また、乗っている人も必ず毎日見るようになり、有効活用されている方も増えている印象です。
LUUPが提供する価値は?
次章のメリットでも具体的に紹介しますが、LUUPが提供する価値としては、以下のようなものが挙げられています。
・人と乗り物と街が共生できる安全で安心な社会実装
・環境負荷の低い持続可能な社会の実現
日本の交通課題を解決するインフラと街の活性化
LUUPは不便である場所に対する移動の課題に向き合っています。
電車やバスが通っていない不便だった街であっても、LUUPを活用することにより、利便性が向上し、アクセスが良くなります。
結果的に、ポートがある街の魅力度を上げつつ、行き先の街の魅力も発見することができるとしています。
人と乗り物と街が共生できる安全で安心な社会実装
LUUPは段階的に実装実験を行って出来上がったサービスであり、政府が行う実証実験のもとで認可を受けています。
実証実験のデータやユーザーの意見をもとに、車両やサービスの改良を重ねて、安全に移動ができる社会を作っていくことに寄与していくとのことです。
環境負荷の低い持続可能な社会の実現
CO2排出量が少ない電動モビリティが普及すれば、社会全体でCO2の排出量の削減に寄与します。
LUUPは環境に優しい移動手段の提供を通じて、サステナブルに生活する街の未来の実現に寄与していく方針のようです。
LUUPの設置を検討するにはどうすればよいのか?
ホームページのトップには、「導入の相談・お問い合わせ」として、管理会社・不動産オーナーの方からの問い合わせ窓口があります。
そこから問い合わせて、導入の検討を行うことになります。
ただし、上述したとおり、サービスエリアを拡大している途上のため、対象外のエリアの場合は現時点で導入できない可能性があるでしょう。
LUUPの設置に対する収益や費用は?
費用については記載がありましたが、一方の収益については、ホームページやFAQを検索してもなかなか出てきませんでした。
そのため、他の情報も検索しながら確認したところ、以下の情報がありました。
・固定で施設協力費の支給
施設協力費については、立地や設置台数、稼働状況にもよるようですが、数千円~数万円が相場のようでした。
頻繁にLUUPが使用されるポートであり、その利用によって変動するなどの要素はなく、固定であるようです。
実際には、LUUP側が立地、設置台数等を検討して決めているのではと考えられます。
マンション管理組合におけるLUUP設置のメリットは?
マンションの敷地やデッドスペースにLUUPをもし設置した場合のメリットはどのようなことが考えられるのでしょうか?
これまでのLUUPの特徴を確認した中で、管理組合としても具体的に想定される効果を紹介します。
デッドスペースを有効活用しながら収益化に寄与できる
マンション管理組合としては、区分所有者からの管理費や修繕積立金以外にも、少しでも収益化手段があれば考えたいというところはあるでしょう。
これまで紹介した通り、LUUPは空きスペースやデッドスペースといった、少しの隙間であっても、モビリティ設置が可能であれば、設置することも検討できます。
そのため、そのようなスペースが多少ながらも収益を生むということになります。
区分所有者の利便性に貢献できる
マンションの居住者にとっては、自転車やバイク等を持っていない方にとっても、LUUPがあれば、それらを所有せずに移動手段を得ることができます。
自転車やバイク等の購入、駐輪場代を利用料に代えることができ、所有することに対する管理の手間もないでしょう。
LUUPのコンセプトに共感した居住者であれば、抵抗なく活用できる可能性があります。
1階が商店等の複合施設なら集客が期待できる
もしポート設置のマンションの1階が商店等の複合施設があれば、返却した方がついでにそこに立ち寄る効果も生まれる可能性があります。
直接的には、管理組合としては別の意図で導入した場合であっても、商店への集客に間接的に寄与することができるかもしれません。
また、逆に魅力的な商店があれば利用頻度も高まる可能性があります。
その場合、利用頻度が高い重要ポートとして、収益化に寄与するかもしれません。
LUUPのポートの設置により地域の活性化に貢献できる
LUUPのポートは、マンションの区分所有者だけではなく、地域に開かれた存在であるといえます。
そのため、ポートがあるマンションに住んでいなくても、近隣住民の利用によって、利便性の向上や、移動手段の提供等、町内や地域住民の活性化に貢献できるでしょう。
サステナブルな取り組みに共感している管理組合であるイメージやステータス
見る人が見れば、LUUPのコンセプトやシステムから、サステナブルな取り組みに共感している管理組合という捉え方もできるかもしれません。
これによって、そのような取り組みを意識ている管理組合として見られることから、マンションのイメージやステータス向上に寄与する可能性も考えられます。
特に利用頻度の高い方からすれば、「お洒落」「洗練されたマンション」などの印象を持つ可能性もあります。
LUUPを設置する際の注意点とは?
マンション管理組合にとって、LUUPを活用するメリットを紹介しましたが、逆に設置の際に注意すべき点もあります。
最後の章では、どのような点が考えられるのか、確認していきます。
管理組合内での合意形成が非常に重要
設置については、管理組合内である程度管理をする必要が想定されます。
敷地を有効活用して収益化するという、管理組合にとっては良い面がある反面、マンション住民以外の他の方もポートを利用することとなります。
そのため、後述する利用者がマンション敷地内に入ってくることについて良しとするのかなどについても、非常に重要な論点です。
よって、導入においては、総会承認はもちろんですが、規約や細則の充実等、管理組合内での合意形成が非常に重要であるといえます。
レンタサイクル利用細則等を準備してマンション内でもルールを守る
敷地内にポートを設置することによって、住民の利用も増えるでしょう。
そのため、レンタサイクル利用細則等を準備して、返却場所や敷地内の決められた場所以外に放置しないなど、利用上の注意点を取り決めておく必要があるかもしれません。
また、安全性確保のためにも、敷地内では乗らずに押して道路まで出てから乗るなどの注意も必要です。
自己責任で利用する
利用時の安全性確保は、利用者本人の責任で行う必要があります。
この点はマンション管理組合としても、責任が持てない所でしょう。
利用する際には、交通ルールや停車する際の取り決めなど、LUUPの利用上の注意を守りながら利用することが求められます。
ちなみに、LUUP利用ガイドには年齢制限や運転資格として以下のような記載があります。
・電動キックボード 特定小型原動付自転車扱いとなる。また、16歳以上であることが確認できる年齢確認書類の提出が必要。さらに、改正道路交通法に基づく交通ルールテストの合格が必要
これらのルールを自己の責任において遵守することが求められます。
区分所有者以外の近隣住民が敷地内に頻繁に入ってくる
基本的には、マンションの敷地内は区分所有者以外は用事がない方は立ち入り禁止となっていることが多いでしょう。
誰でも通行可能であったり、入ることができる敷地であればさほど問題ないでしょう。
もし、そうでない場所に設置をする場合は、導入検討時に入念に確認する必要があります。
そして、管理組合内での合意形成とともに、セキュリティ面でも注意する必要があります。
メリットや注意点を踏まえ管理組合で合意形成を取って検討することが重要
今回の記事を記載して、最近増えているポートを見たり、乗っている人が増えている人を見たりして、まずそのように感じました。
一方のマンション管理組合は、様々な価値観を持つ人の集まりです。
また、マンション敷地内での安全性確保を最優先にしなければなりません。
もし管理組合として設置を検討するなら、十分合意形成を図りながら対応することが重要であると言えるでしょう。
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