【横浜のマンション事情】分譲マンションは何棟・何戸ある?居住人口と18区の特徴を解説

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横浜のマンションと聞いて、みなとみらいのタワーマンションを思い浮かべる方も多いでしょう。しかし、横浜の住まいを支えているのは、臨海部の高層マンションだけではありません。駅の周辺に建つ中高層マンション、丘陵地に広がる大規模団地、斜面を利用した独特の建物など、市内にはさまざまな分譲マンションがあります。

東京カンテイの調査によると、2025年末時点の横浜市の分譲マンションストックは531,266戸。政令指定都市の中では最も多い戸数です。これだけの住まいがあることを考えると、マンションの維持管理は、個々の建物だけでなく、横浜の暮らしを支える大きなテーマでもあります。

それでは、横浜にはマンションが何棟あり、どの区に多く、どれくらいの人が暮らしているのでしょうか。この記事では、公表資料を基に横浜の分譲マンションの全体像を整理し、自分の住まいの将来を考えるための基礎情報を紹介します。

※本記事は分譲マンションを対象としています。棟数・戸数などは資料ごとに集計対象と時点が異なります。また、ストック戸数と実際の居住世帯数・居住人口は同じではありません。

▼今回のコラムの全体像です(画像クリックで拡大します)

横浜市には分譲マンションが何棟・何戸ある?

分譲マンションは約53.1万戸、政令指定都市で最多

東京カンテイが2026年1月29日に公表した2025年末のデータでは、横浜市の分譲マンションストックは531,266戸です。主要な政令指定都市と比較すると、次のようになります。

都市分譲マンションストック戸数
横浜市531,266戸
大阪市455,441戸
名古屋市253,610戸
福岡市252,016戸
神戸市227,448戸
川崎市216,934戸

出典:東京カンテイ「2025年のマンション化率ランキングおよびマンションストック戸数」

東京23区は1,684,322戸とさらに多いものの、23の特別区を合計した数値です。一つの市を単位とする政令指定都市では、横浜市が最多となっています。

ここでいう「ストック」は、現存する分譲マンションの住戸の蓄積です。その年に新しく販売された戸数や、中古市場で売り出されている戸数を示すものではありません。新築から高経年の建物まで、横浜に積み重なってきた住まいの規模を表しています。

棟数は市の計画に9,585棟という参考値がある

棟数については、横浜市が2022年4月に策定した「横浜市マンション管理適正化推進計画」に、非木造・6戸以上のマンションが9,585棟、439,382戸という参考値が掲載されています。固定資産税台帳を基に集計した数値です。

出典:横浜市マンション管理適正化推進計画・全体版(冊子12ページ)

この9,585棟は、2025年末や2026年現在の棟数を示したものではありません。また、前述の約53.1万戸とは出典・集計時点・対象が異なるため、「9,585棟に53.1万戸ある」と同じ調査の結果のように並べることはできません。

現時点で確認できる公表資料からは、戸数は東京カンテイの2025年末データ、棟数は市の計画に掲載された参考値として、それぞれ区別して捉える必要があります。

棟数と管理組合数は違う

マンションの規模を知る際には、「棟」「戸」「管理組合」を分けて考えることも大切です。

棟数は建物の数、戸数は住戸の数です。一方、管理組合は建物や敷地などを管理するための組織であり、建物の数と一致するとは限りません。

例えば、一つの建物に100戸あるマンションなら、建物は1棟、住戸は100戸です。団地では、10棟・500戸を一つの団地管理組合が管理する場合もあります。さらに、団地全体の管理と各棟の管理を区別するなど、管理の仕組みもさまざまです。

「横浜にマンションがいくつあるか」という問いでも、建物の数を知りたいのか、住宅の数を知りたいのか、管理組合の数を知りたいのかで、答えは変わります。

横浜の分譲マンションには何人が住んでいる?

約53万戸という戸数から、人数は直接分からない

戸数の大きさを見ると、「そこで何人が暮らしているのか」も気になるところです。ただし、本記事で確認した公表資料からは、横浜市内の分譲マンション居住者を合計した人数を直接確認できませんでした。

1戸に住む人数は、単身者、夫婦、子育て世帯などによって異なります。空き住戸もあります。したがって、約53万戸に仮の人数を掛けて、その結果を実際の居住人口として紹介することは適切ではありません。

人数を推計する場合には、分譲マンションのうち何戸に人が住んでいるのか、その住戸に平均何人が暮らしているのかという情報が必要です。市全体の平均世帯人員をそのまま当てはめても、分譲マンションの世帯構成を十分に反映できるとは限りません。

分譲マンションには、借りて住んでいる人もいる

居住人口を考える際に、もう一つ気をつけたいのが「分譲マンション」と「持ち家の共同住宅」の違いです。

分譲マンションは、住戸が区分所有される建物です。所有者が住んでいる住戸もあれば、所有者が貸し出し、賃借人が暮らしている住戸もあります。借りて住んでいても、その建物が分譲マンションであることは変わりません。

一方、住宅統計で「持ち家の共同住宅に住む世帯」を集計すると、賃貸に出された分譲住戸の居住者はその集計に入りません。逆に、共同住宅全体の居住人口を使えば、一棟所有の賃貸マンションやアパートなども含まれます。

横浜市の従来資料では、住宅・土地統計調査の「持ち家・共同建・非木造・3階以上の専用住宅」を分譲マンションの指標として使用しています。これは東京カンテイのストック戸数とは違う捉え方です。

出典:横浜市「マンション管理適正化推進計画」説明資料

現段階では、居住人口を一つの確定した人数で示すことはできません。ただ、約53万戸もの分譲住戸があるという事実から、マンションが横浜の住宅を支える重要な存在であることは分かります。

マンションが多いのはどこ?横浜市18区の違い

戸数が最も多いのは港北区

横浜市内でも、分譲マンションの分布には大きな違いがあります。2025年末データで戸数が最も多いのは港北区で、52,398戸。次いで鶴見区、中区、神奈川区が続きます。

以下は、同じデータによる18区の戸数とマンション化率です。

区分譲マンションストック戸数マンション化率
港北区52,398戸29.56%
鶴見区46,913戸32.17%
中区41,840戸50.99%
神奈川区41,681戸32.23%
戸塚区38,292戸29.64%
南区38,200戸35.45%
青葉区35,518戸25.80%
西区32,281戸55.67%
港南区27,949戸27.43%
磯子区27,783戸34.31%
金沢区27,575戸29.87%
都筑区26,609戸29.18%
保土ケ谷区25,401戸25.03%
旭区21,804戸18.81%
緑区21,678戸25.97%
栄区12,673戸22.02%
泉区8,268戸11.71%
瀬谷区4,403戸7.66%
横浜市全体531,266戸29.19%

出典:東京カンテイ2025年末データ。マンション管理新聞2026年2月25日号掲載データを基に、当研究室の神奈川県のマンションストック解説記事で整理した数値。

港北区や鶴見区の戸数の多さを見ると、横浜のマンションが都心・臨海部だけに集中しているわけではないことが分かります。都心部のマンションに加え、鉄道沿線や郊外の住宅地にも大きなストックが存在しています。

マンション化率が高いのは西区と中区

マンション化率を見ると、西区が55.67%、中区が50.99%となっています。

東京カンテイのマンション化率は、「分譲マンションストック戸数÷世帯数」で算出する指標です。西区であれば、世帯数に対する分譲住戸のストックが約55.7%に相当するという意味です。「西区の住民の55.7%が分譲マンションに住んでいる」という居住人口割合ではありません。

それでも、地域の住まいの中で分譲マンションがどの程度の規模を持つかを比較する手掛かりになります。横浜市全体の29.19%に対し、西区・中区は高く、泉区や瀬谷区は低いなど、同じ横浜でも住宅の構成は大きく異なります。

戸数の多さとマンション化率の高さを分けて見る

港北区は戸数が最も多い一方、マンション化率は西区・中区ほど高くありません。これは、戸数の順位と、世帯数に対する割合の順位が異なるためです。

マンションの絶対量を知りたい場合は戸数、地域の住宅構成を比較したい場合はマンション化率を見ると理解しやすくなります。購入や住み替えを考える際も、こうした地域差を知っておくと、その街の住まいの特徴を捉えやすくなるでしょう。

神奈川県内の他市との比較や、築40年超マンションの分布については、神奈川県の「築40年マンション」はどこに多い?ストックデータで見る老朽化の実態と管理組合の課題で詳しく解説しています。

横浜のマンションは、どのように増えてきた?

郊外の団地も、横浜の住まいを支えてきた

現在のマンションストックは、長い時間をかけて形成されてきました。横浜市の計画では、昭和40年代以降に多くのマンションが建設されたこと、1990年代後半から2000年代前半には年間1万戸を超える供給があったことが示されています。

出典:横浜市マンション管理適正化推進計画・全体版

横浜の住宅地を歩くと、複数の住棟と緑地、歩行者通路などがまとまった団地を目にします。こうした住宅地は、建物だけでなく、地域の暮らしを支える空間としても捉えられます。

ただし、「団地」は分譲マンションだけを指す言葉ではありません。分譲住宅と賃貸住宅が混在する地区もあるため、地区全体の住宅戸数を、そのまま分譲マンション戸数として扱うことはできません。

丘陵地に広がるマンションは横浜らしい風景

横浜のマンションを語るうえで、坂や丘陵地も外せません。平地の駅前に建つマンションとは違い、斜面や高台に建つマンションには、地形に応じた建物配置や移動の工夫が見られます。

眺望や緑の豊かさは魅力になりますが、駅からの高低差、日々の買い物、将来の移動のしやすさなどは、実際の暮らしに関わります。住まいを選ぶ際には、室内や建物の外観に加え、周辺の道を歩いて確認することも大切です。

横浜の地形と住宅開発の関係は、なぜ横浜は“崖の街”なのか|地形とマンション開発の歴史で紹介しています。

また、斜面に沿って移動する斜行エレベーターを備えたマンションもあります。現地で見られる特徴的な建物については、横浜市と周辺の斜行エレベーター付きマンション【地下室マンション】をご覧ください。

住宅の形が違えば、管理するものも違う

団地、中高層マンション、タワーマンション、斜面に建つマンションでは、共用部分や設備の構成が異なります。

例えば、団地では広い敷地や通路、植栽などの管理が重要になります。設備の多いマンションでは、エレベーターや機械式駐車場などの維持更新が資金計画に関わります。斜面に建つ建物では、擁壁や排水施設、敷地内の移動設備なども確認したいところです。

同じ「横浜の分譲マンション」でも、必要な維持管理や費用を一律に考えることはできません。約53万戸という全体像の中には、それぞれ異なる条件の住まいが含まれています。

横浜のマンションは、どれくらい築年数が経っている?

築40年超は約13.6万戸、全体の約4分の1

東京カンテイの2025年末データによると、横浜市の築40年超の分譲マンションは136,342戸です。総ストック531,266戸に占める割合は、約25.7%となります。

築年帯別では、次のような構成です。

築年帯戸数総ストックに占める割合
築10年以内63,353戸約11.9%
築11〜20年87,702戸約16.5%
築21〜30年136,237戸約25.6%
築31〜40年107,632戸約20.3%
築40年超136,342戸約25.7%
合計531,266戸100.0%

出典:東京カンテイ2025年末データ。割合は筆者計算。

築31〜40年と築40年超を合わせると、全体の約46%です。新しいマンションの供給に目が向きやすい一方、既存の住まいをどう維持していくかも大きな課題であることが分かります。

築年数だけでは管理状態は分からない

築40年を超えたからといって、すぐに住めなくなるわけではありません。一方で、築年数が浅ければ、将来の修繕資金や管理運営に問題がないとも言い切れません。

確認したいのは、これまで何を修繕してきたか、今後どのような工事が予定されているか、その費用を準備できるかという点です。建物の劣化状況、設備の更新履歴、長期修繕計画、修繕積立金の残高と今後の収支を、合わせて見る必要があります。

住まいの将来を考える際には、「何年経ったか」とともに、「どのように維持されてきたか」「これからどう維持するか」が重要です。

工事費の上昇は、一人ひとりの負担に関わる

横浜に多くのマンションがあるという話は、毎月の家計ともつながります。共用部分の修繕費は、最終的には各区分所有者の積立金などで賄うためです。

長期修繕計画を作成したときと、実際に工事を行うときでは、必要な費用が変わることがあります。修繕積立金が不足すれば、増額、一時金、工事範囲や時期の調整などの検討が必要になります。

近年の大規模修繕工事費の動向については、【2026年最新】マンション修繕費指数166.8|大規模修繕費は1戸156万円へで解説しています。なお、そこで紹介している調査結果は、横浜市だけの平均工事費を示したものではありません。

横浜でマンションに住む人が確認しておきたいこと

管理費と修繕積立金の使い道を知る

管理費や修繕積立金は、毎月引き落とされる金額だけを見ていると、その役割が分かりにくいものです。

管理費は日常の管理を支える費用、修繕積立金は将来の修繕や設備更新に備える資金です。自分のマンションが何を管理し、どのような工事に備えているのかを知ると、費用の必要性を考えやすくなります。

まずは総会資料や決算書、長期修繕計画に目を通し、今後の積立額や工事予定を確認してみてください。基本的な仕組みは、修繕積立金って何?なぜ値上がりするのかをわかりやすく解説にまとめています。

管理状態を確認するきっかけとして認定制度を使う

建物を維持していくには、お金だけでなく、管理組合の意思決定や記録の保管なども必要です。

横浜市の管理計画認定制度は、マンションの管理計画が一定の基準を満たすかを確認する制度です。認定の取得状況に加え、どのような項目が確認されるかを知ることも、自分のマンションの管理を考える参考になります。

認定があれば将来の問題がすべてなくなるというものではありませんが、管理状態を点検するための一つの手掛かりになります。制度の考え方やメリットは、管理計画認定制度でマンションはどう変わる?資産価値・金融優遇など11のメリットを解説をご覧ください。

災害時にも暮らしを続けられるか確認する

マンションでは、住戸内だけでなく、共用設備の状態が暮らしに影響します。停電でエレベーターが止まる、給水設備が使えなくなるなど、災害時には日常と違う状況が生じます。

飲料水や食料、携帯トイレなどの備蓄に加え、管理組合の連絡方法、設備が停止した場合の対応、支援が必要な住民への配慮なども確認しておきたいところです。

横浜市には、防災に関する取り組みを評価する制度もあります。よこはま防災力向上マンション認定制度の概要を、自分のマンションの備えを考える参考にしてください。

横浜のマンションを知り、自分の住まいの将来を考える

横浜市には、2025年末時点で約53.1万戸の分譲マンションがあります。都心部や臨海部に加え、鉄道沿線、丘陵地、郊外の団地など、多様な場所に暮らしが積み重なってきました。

18区の戸数やマンション化率を比べると、同じ横浜でも住まいの構成は異なります。また、築40年超の住戸が約4分の1を占める今、既存のマンションを長く使い続けるための維持管理は、ますます身近なテーマになります。

自分のマンションについて、築年数、修繕の履歴、積立金の見通し、管理組合の運営、防災の備えを確認してみてください。横浜全体の数字を知ることが、その中にある自分の住まいを見直すきっかけになればと思います。

当研究室では、横浜の実際の街並みや建物を見ながら、100年続くマンションに向けた管理と暮らしを考えていきます。

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