今回、リゾートマンションの事例と共に普段住む分譲マンションについて考えます。
都会の分譲マンションにおいても、同様の問題が将来的に発生してくる可能性があるかもしれません。
非常に興味深く感じたため、リゾートマンションと照らし合わせながら紹介します。
湯沢町のリゾートマンション事例から
よくマンション管理の話題に挙がってくるのが、リゾートマンションの事例です。
リゾートマンションは、常にそこに住んでいる訳ではありません。
休みに利用する別荘として購入されるパターンが多いでしょう。
そのため、所有者が比較的動けるときに購入しその後歳をとったケースもあります。
また今回のコロナ禍で移動が制約され、行かなくなったことも挙げられそうです。
さらに、引退後の終の棲家として考える場合です。
温泉もあり静かで、自然も多く、余生にとって良かれと思って購入しました。
しかし近隣で買い物できなかったり、実際楽しめる所が少なかったりもありそうです。
そうなると、高齢者にとって不便ですね。
結果的に、施設に入ってしまうこととなり、空き家となることも考えられます。
新潟県湯沢町のリゾートマンションの位置づけ
首都圏から比較的近い場所のリゾートマンションはコロナ禍で一時期活況と言われました。
特に、首都圏から1時間圏内である熱海は典型的な例でしょう。
中でも興味深い動画として、新潟県越後町のリゾートマンションが挙がっていました。
湯沢町の玄関口でもある越後湯沢駅は、東京駅から新幹線で1時間強で到着します。
先ほどの熱海駅の40分程度に比べて倍近く時間は掛かります。
しかしながら、新幹線で直接アクセスできるのは、熱海同様非常に便利な場所といえます。
加えて、熱海同様、越後湯沢(湯沢町)も温泉が湧く人気スポットです。
温泉付きマンションという形態をとっているところも多く見られます。
【2024年12月3日更新】
苗場のリゾートマンションの別の動画も出ていましたので、共有します。
管理規約で民泊が禁止されているとのことです。
ということは、民泊業法施行で一斉に規約改正が行われた2017年8月以降なので、そんなに古くないです。
改めて規約改正して、民泊可にすると、もう少し使い勝手が良くなる可能性はあります。
居住者が少ない場合はそのような施策も検討が必要になるのではと思いました。
越後湯沢にリゾートマンションが多くなった背景は?
越後湯沢にリゾートマンションが多くなった背景についです。
バブル時代に都市部の土地価格が高騰しすぎたことがあり、地方にマンションを建てる場所を探していた中で、空前のスキーブームとも相まって、この地域にリゾートマンションが乱立したとのことです。
バブル崩壊後、供給過剰による価格崩壊を起こしてしまいました。
越後湯沢駅から離れた湯沢町の苗場スキー場周辺では、10万円で販売されているマンションもあるようですね。
ただ、リゾートマンションは、管理会社は比較的しっかりした大手企業が多いです。
そのため、廃墟化していることはなく、管理状態としては問題ない状況です。
動画第一部の事例は、管理組合や管理会社の許可を得て取材しているとのことでした。
区分所有という迷宮というテーマの動画の中で、①築年数が古いこと、②管理費が高いことが課題として挙げられています。
リゾートマンションの築年数が古い
事例の湯沢町のリゾートマンションは時代がバブル期の1980年代後半~1990年代前半に建てられたものが多く残っているようです。
数は少ないですが、それ以前の旧耐震のものもあります。
先に述べた通り、管理会社の管理が比較的行き届いていますので、外壁のメンテナンスを含めた修繕等は比較的適正に行われているとのことです。
しかしながら年式の古さからくる、修繕積立金の高さなどが見られます。
そのため、比較的安価に売られていてもなかなか売れない事情もあるようです。
リゾートマンションは管理費が高い
また、このバブルの時代に建てられた物件の特徴として、維持費の高さがあります。
エントランスをはじめとした共用部分は、オーバースペックとなっているためです。
スキー場が近いため、共用設備としてスキーロッカーや温泉大浴場があるのが一般的です。
そして、多人数で宿泊できるゲストルームがあったりもするようですね。
マンションとは言え、ホテル並みの設備を備えているようです。
そのため、維持管理するためのコストが比較的掛かってくると想定されます。
その他、管理組合法人を取り巻く管理費滞納事例の興味深い話も出ていました。
管理費が高騰すると、滞納の問題もセットになってくる傾向があるようです。
滞納は合わせて注意しなければならない事例と言えるでしょう。
リゾートマンション事例を将来の分譲マンションに照らして考えてみる
リゾートマンションと都会の分譲マンション
定住するというのは少なく、機会を見つけて特定シーズンなどに訪問するのがリゾートマンションとしては一般的でしょう。
そのため、都会の定住している分譲マンションと比べ、用途が違います。
しかしながら、リゾートマンションにおける現状は、将来的に人がいなくなる地域における、分譲マンションの姿を想定できるかもしれません。
湯沢町のリゾートマンション事情と違い、スキーロッカーや大浴場という環境はないにしても、バブル期に建てられたマンションは経年が進んでいるとともに、比較的豪華な造りが多く見られます。
そのため、日々の管理のための費用や、修繕コストも重くのしかかってきます。
都会の分譲マンションの将来
将来、豪華なエントランスとなっている最近のマンションはどうなるのでしょうか。
数十年後には変わり果てた姿になっていることも想定されます。
また、耐震基準前後である昭和の終わりに建てられた高経年マンションは、今となっては高齢者も多く住んでいます。
新たな家族の入れ替え需要進まずに空き家が増えていくこととなると、究極の話ですが、先述の湯沢町の事例も他人事ではなくなってきます。
そのためには、修繕含めた日頃からの管理をしっかりしておくこと、そして管理費や修繕積立金が適正であるか、管理組合で考えていかなければならない課題が多いでしょう。
100年続くマンションを
マンションに住み続けている限りは、一部の好立地マンションを除き建て替えることは非常に難しく、経年劣化する共用部分を維持管理していかなければなりません。
これはある意味分譲マンションの宿命であるといえるでしょう。
しかしながら、長期修繕計画を適切に作成して、随時見直しながら必要なお金を積立て、実施すべき時に大規模修繕工事やメンテナンスをしっかりと行えば、コンクリート造りであるマンションは、基本的には非常に長く住むことも可能です。
管理組合においても一日でも早くこの点に気づいて、マンションとして対応することが大切です。
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