【令和8年度最新】マンション管理組合が使える国交省補助金・支援制度まとめ

マンション管理

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国土交通省は、老朽化マンションの管理適正化、長寿命化、省エネ改修、耐震化、再生に向けて、さまざまな補助金・支援制度を用意しています。

令和8年度のマンション関連施策では、単なる補助金だけでなく、修繕積立金の運用に関係する「マンションすまい・る債」、大規模修繕時の資金調達に関係する「マンション共用部分リフォーム融資」、管理計画認定や民間団体の評価制度と連動した金利優遇も重要なポイントになっています。

本稿では、令和8年度国土交通省当初予算のマンション関連資料をもとに、管理組合が確認しておきたい補助金・支援制度を、マンション管理士・FPの視点から分かりやすく整理します。

▼今回のコラムの全体像です(画像クリックで拡大します)

※本記事は、令和6年度版として公開していた記事を、令和8年度国土交通省当初予算のマンション関連資料をもとに全面的に更新したものです。過去年度の制度内容とは異なる場合がありますので、実際に利用を検討する際は、国土交通省、住宅金融支援機構、地方公共団体等の最新情報をご確認ください。

なお、過去に公開した令和7年度版の記事は、制度の変遷を確認する参考記事として残しています。

令和8年度で管理組合が確認したいマンション関連支援制度とは

令和8年度版で、管理組合が特に確認したい制度は次のとおりです。

✅マンションすまい・る債
✅ステップアップすまい・る債
✅認定すまい・る債
✅マンション共用部分リフォーム融資
✅住宅・建築物省エネ等改修推進事業
✅マンション総合対策モデル事業
✅住宅・建築物安全ストック形成事業
✅優良建築物等整備事業
✅まちづくり融資
✅【フラット35】維持保全型

マンション総合対策モデル事業

令和8年度資料では、マンションの管理適正化・再生円滑化に向けた先導的な取組への支援として、「マンション総合対策モデル事業」が示されています。令和8年度の予算額は2,700百万円です。

この事業は、マンションの長寿命化等に資する先導的な取組や、地方公共団体による先導的なマンション対策を支援するものです。支援メニューは、調査・検討等の準備段階を対象とする「計画支援」と、実際の改修・修繕・建替え等を対象とする「工事支援」に分かれています。

計画支援は定額で、補助上限は原則として500万円/年、工事支援は国が3分の1を補助する内容とされています。

マンション管理適正化・再生推進事業

マンション管理適正化・再生推進事業は、マンションの管理適正化や再生を進めるため、専門家による相談体制の整備、モデル事例の形成、制度や取組の周知・普及などを支援する事業です。令和8年度の予算額は70百万円とされています。

ただし、この制度は、管理組合の口座に直接補助金が入るタイプの制度というより、管理組合を支援する法人、民間事業者、専門家相談体制の整備を通じて、管理適正化・再生を後押しする性格が強い制度です。

管理組合としては、「直接使える補助金」として見るよりも、今後の相談体制や支援メニューの背景にある制度として理解しておくとよいでしょう。

既存マンションの長寿命化や性能向上等に関する支援

既存マンションの長寿命化や性能向上は、国土交通省としても課題として認識している事から、施策についても比較的多く準備されています。

具体的には、以下の長寿命化、耐震、省エネに関する各施策になります。

マンションの長寿命化等に関する支援

まず、長寿命化に関する施策についてですが、以下のものがあります。

住宅・建築物省エネ等改修推進事業(性能向上型)

令和8年度資料では、既存マンションの長寿命化や性能向上に関する支援として、住宅・建築物省エネ等改修推進事業の中に「省エネ型」と「性能向上型」が位置付けられています。

性能向上型では、リフォーム前のインスペクション、維持保全計画の作成、劣化対策、耐震性、省エネルギー対策などを組み合わせ、一定の基準を満たす改修を支援する内容となっています。

補助限度額は、評価基準の場合は国と地方で80万円/戸、認定基準の場合は国と地方で160万円/戸とされており、単なる修繕ではなく、マンションの性能を引き上げる改修を後押しする制度といえます。

性能向上型で確認したい主な要件

性能向上型を検討する場合、リフォーム前のインスペクション、維持保全計画の作成、劣化対策、耐震性、省エネルギー対策などが重要になります。

また、単に工事費の補助を受けるというより、改修後の建物性能をどの水準まで引き上げるかがポイントになります。大規模修繕工事のタイミングで、省エネ性能、耐震性、維持管理のしやすさなどをどこまで改善するか、管理組合内で早めに検討しておく必要があります。

マンションの耐震化等に関する支援

住宅耐震化を重要課題として位置づけており、令和3年3月に閣議決定された、住生活基本計画には、平成30年時点で約13%の耐震性を有しない住宅ストックを、令和12年までにおおむね解消する目標を掲げています。

そのため、次のような各施策が挙げられています。

住宅・建築物安全ストック形成事業

マンションの耐震化に関しては、住宅・建築物安全ストック形成事業による支援があります。令和8年度資料では、耐震診断、補強設計、耐震改修等が支援対象として整理されています。

耐震診断および補強設計については、国と地方を合わせて3分の2、耐震改修等については国と地方を合わせて3分の1の補助が示されています。

ただし、耐震化支援は地方公共団体を通じた制度であるため、実際に利用できるかどうかは、マンション所在地の自治体が制度を整備しているかによって変わります。旧耐震マンションや避難路沿道にあるマンションでは、早めに所管の特定行政庁や自治体に確認することが重要です。

住宅・建築物防災力緊急促進事業

令和8年度資料では、耐震診断義務付け対象建築物等への支援として、住宅・建築物防災力緊急促進事業が紹介されています。

マンションについては、地方公共団体が指定する避難路沿道にある建物などに該当する場合、耐震診断や耐震改修等について、通常より手厚い補助率の対象となる可能性があります。

一方で、すべてのマンションが対象になるわけではありません。対象になるかどうかは、マンション所在地の自治体や所管行政庁への確認が必要です。

優良建築物等整備事業

優良建築物等整備事業は、市街地環境の整備改善や高経年マンションの円滑な再生を支援する制度です。令和8年度資料では、優良再開発型のマンション建替タイプと、既存ストック再生型が示されています。

マンション建替タイプでは、調査設計計画費、土地整備費、共同施設整備費などが対象になります。既存ストック再生型では、バリアフリー改修、省エネ改修、維持管理対策改修、防災対策改修などが対象として挙げられています。

補助率は、国3分の1、地方3分の1、民間3分の1とされています。ただし、地方公共団体が補助制度を整備していることが前提となるため、実際の利用可否は自治体確認が必要です。

マンションの省エネ化等に関する支援

地球温暖化対策計画(令和3年10月22日閣議決定)における、今後の家庭部門のCO2排出量の削減目標である、2013年度比で2030年度66%削減を達成するために、建築物の省エネ・省CO2対策を推進する必要があります。

マンションの省エネ化に関する支援としては、住宅・建築物省エネ等改修推進事業や、サステナブル建築物等先導事業などがあります。ここでは、管理組合に関係しやすい制度を中心に整理します。

住宅・建築物省エネ等改修推進事業(省エネ型)

住宅・建築物省エネ等改修推進事業は、地方公共団体と連携し、既存住宅・建築物の省エネ改修を支援する制度です。

令和8年度資料では、省エネ診断、省エネ設計、省エネ改修に係る費用が対象とされています。住宅の場合、省エネ基準レベルでは国と地方で30万円/戸、ZEHレベルでは国と地方で70万円/戸が補助上限とされています。

マンションでは、窓、断熱、設備更新などの省エネ改修が、大規模修繕工事や専有部分・共用部分の改修と関係してくる可能性があります。ただし、国と地方公共団体の協調補助であるため、自治体側の制度整備状況を確認する必要があります。

※ZEH:Net Zero Energy House(ネット・ゼロ・エネルギー・ハウス)の略
外皮の断熱性能等を大幅に向上させるとともに、高効率な設備システムの導入により、室内環境の質を維持しつつ大幅な省エネルギーを実現した上で、再生可能エネルギーを導入することにより、年間の一次エネルギー消費量の収支がゼロとすることを目指した住宅

サステナブル建築物等先導事業

サステナブル建築物等先導事業は、省エネ・省CO2に関する先導的な住宅・建築物プロジェクトを支援する制度です。

令和8年度資料では、先導的な技術等を活用した住宅の実用化に向けた実証事業に対する支援が示されています。補助率は2分の1、補助限度額は3億円/プロジェクトとされています。

ただし、この制度は一般的な管理組合が行う通常の大規模修繕で気軽に活用できるものではなく、先進的な技術や取り組みを伴うプロジェクトを対象としています。そのため、実務的に「すぐ使える補助金」として捉えるよりも、国がマンションの省エネ化や脱炭素化をどの方向に進めようとしているのかを理解するための制度として押さえておくとよいでしょう。

住宅金融支援機構によるマンション関連制度

最後に、住宅金融支援機構によるマンション関連の各種制度について、紹介します。

マンションすまい・る債

マンションすまい・る債は、修繕積立金の計画的な積立てを支援する、マンション管理組合向けの利付10年債券です。

令和8年度の利率は、通常のマンションすまい・る債が2.000%、管理計画認定を取得したマンションを対象とする認定すまい・る債が2.100%、新たに設けられたステップアップすまい・る債が2.050%とされています。

特に注目したいのは、ステップアップすまい・る債です。これは、マンション管理適正評価制度で一定以上の評価を取得した管理組合や、マンション管理適正化診断サービスで一定の診断結果を得た管理組合が対象となる制度です。

つまり、管理計画認定だけでなく、民間団体による評価や診断も、修繕積立金の運用面で金銭的メリットにつながる流れが出てきたといえます。

マンションすまい・る債

マンション共用部分リフォーム融資

マンション共用部分リフォーム融資は、外壁塗装、屋上防水、エレベーター改修など、マンション共用部分のリフォーム工事を対象とした管理組合向けの融資制度です。

令和8年度資料では、次のような金利引下げメニューが示されています。

✅耐震改修工事、浸水対策工事、省エネルギー対策工事を実施する場合:年▲0.20%
✅マンションすまい・る債を積み立てている場合:年▲0.20%
✅管理計画認定を取得している場合:年▲0.20%

これらの金利引下げは併用可能とされており、下限金利は0.1%です。

管理組合にとって重要なのは、工事の直前に融資を探すのではなく、日頃から修繕積立金を計画的に積み立て、すまい・る債の活用や管理計画認定の取得を進めておくことで、将来の借入条件にも差が出るという点です。

マンションすまい・る融資(共用部分リフォーム融資

まちづくり融資

まちづくり融資は、老朽化マンションの再生事業などを資金面から支援する住宅金融支援機構の融資制度です。

マンション再生事業では、建替えや再生に向けた事業資金が大きな課題になります。補助金だけでは対応できない費用について、長期事業資金や短期事業資金の活用を検討する場面があります。

ただし、制度の詳細や利用条件は事業内容によって異なるため、実際に検討する場合は、住宅金融支援機構の最新情報を確認し、専門家を交えて早めに相談する必要があります。

まちづくり融資(長期事業資金)

まちづくり融資(短期事業資金)

【フラット35】維持保全型

【フラット35】維持保全型は、管理組合が直接利用する制度ではなく、マンションを購入する個人が利用する住宅ローンの金利引下げ制度です。

令和8年度資料では、予備認定マンションや管理計画認定マンションを取得する場合、当初5年間、借入金利から年▲0.25%の引下げを受けられる制度として整理されています。

管理組合にとって直接の補助金ではありませんが、管理計画認定を取得しているマンションは、購入者にとって住宅ローン面でのメリットが生じる可能性があります。そのため、管理計画認定は、単なる行政上の評価にとどまらず、マンションの流通性や資産価値にも関係する制度として考えることができます。

【フラット35】維持保全型について

補助金は「工事直前」ではなく、管理計画・積立金・認定制度とセットで考える時代へ

令和8年度の国土交通省マンション関連施策を見ると、国の支援は、単なる補助金の交付にとどまらず、管理適正化、長寿命化、省エネ化、耐震化、再生、修繕積立金の運用、借入時の金利優遇まで広がっています。

特に注目したいのは、管理計画認定、マンション管理適正評価制度、マンション管理適正化診断サービスなど、日頃の管理状態を示す制度が、すまい・る債の利率上乗せや共用部分リフォーム融資の金利引下げと結びつき始めている点です。

これからの管理組合は、補助金を「工事の直前に探す」のではなく、長期修繕計画、修繕積立金、管理計画認定、専門家相談、自治体制度の確認をセットで進めていく必要があります。

補助金や支援制度は、対象要件、申請時期、自治体の制度整備、総会決議の有無によって使えるかどうかが変わります。大規模修繕や省エネ改修、耐震化を検討している管理組合は、早い段階から制度の有無を確認し、管理会社、マンション管理士、建築士等の専門家と相談しながら準備を進めることが重要です。

参考文献

✅マンション管理センター通信 令和8年6月号 
国土交通省住宅局参事官(マンション・賃貸住宅担当) 
令和8年度国土交通省当初予算について-マンション関連-
✅国土交通省 マンション総合対策モデル事業
✅国土交通省 マンション管理適正化・再生推進事業
✅国土交通省 住宅・建築物省エネ等改修推進事業
✅国土交通省 住宅・建築物安全ストック形成事業
✅国土交通省 住宅・建築物防災力緊急促進事業
✅国土交通省 優良建築物等整備事業
✅住宅金融支援機構 マンションすまい・る債
✅住宅金融支援機構 マンション共用部分リフォーム融資
✅住宅金融支援機構 まちづくり融資(長期事業資金)
✅住宅金融支援機構 まちづくり融資(短期事業資金)
✅住宅金融支援機構 【フラット35】維持保全型

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