マンション管理組合が知っておくべき環境省の先進的窓リノベ2025事業の全貌|補助金で賢く窓リフォーム!

マンション管理

※当コラムでは商品・サービスのリンク先にプロモーションを含むことがあります。ご了承ください。

この記事の初回リリース時点で、環境省の「先進的窓リノベ2025事業」が注目を集めています。マンションに住む方や管理組合の役員にとって、「窓のリフォームで補助金がもらえるって本当?」と気になっている方も多いのではないでしょうか。

この記事では、環境省が推進する「先進的窓リノベ2025事業」の概要を、実際に窓サッシ交換で補助金を活用した実績もあるマンション管理士が解説します。特にマンションでの活用ポイントや、カバー工法の具体例を定量的なデータとともに紹介。補助金を活用して快適な住まいを実現するための第一歩を踏み出しましょう!

今回、参考にした記事は以下のとおりです。

先進的窓リノベ2025事業とは?基本を押さえよう

事業の目的をシンプルに理解

「先進的窓リノベ2025事業」は、簡単に言えば「古い窓を断熱性の高い窓に変えるリフォームを国が応援する制度」です。環境省が中心となり、エネルギー消費を減らし、CO2排出を抑えることを目指しています。マンションに住む私たちにとっては、光熱費の節約や部屋の快適さアップにつながる嬉しいチャンス。令和6年度の補正予算で1,350億円が予算化されています。しかも、最大200万円の補助金が受けられる可能性があるんです!

なぜ今、窓リフォームが注目されているの?

最近のエネルギー価格高騰や環境問題への関心の高まりから、家の省エネ化が急務となっています。特に窓は、夏の暑さや冬の寒さが室内に入ってくる「弱点」。古い窓をそのままにしていると、冷暖房の効率が落ちて電気代がかさむ一方です。この事業は、そんな問題を解決しつつ、国の環境目標(2030年までに家庭のCO2排出を66%削減)を達成するための取り組みです。

マンションでも使える?

この補助金はマンションも対象です。

戸建て住宅だけでなく、集合住宅(マンションやアパート)も補助金の対象に含まれます。ただし、管理組合や賃貸オーナー、個人住人など、誰が申請できるかは条件次第。後ほど詳しく説明しますので、まずは「マンションでもチャンスがある」と覚えておいてください。

補助金の対象者は誰?マンションでの活用ポイント

補助対象となる人

この事業で補助金をもらうには、以下の2つの条件を満たす必要があります。

  1. 「窓リノベ事業者」と契約を結ぶ
    「窓リノベ事業者」とは、国が認めた登録事業者のこと。自分でDIYしたり、登録外の業者に頼んだりすると補助金は出ません。マンションの場合、管理組合が業者を選ぶケースが多いので、登録事業者かどうかを確認するのが大事です。
  2. 住宅の所有者等であること
    • マンションの部屋を所有する個人やその家族
    • 賃貸に出しているオーナー
    • 賃借人(借家人)
    • 管理組合や管理組合法人
      特にマンションでは、管理組合が窓のリフォームを計画する場合に補助金申請の主体になれるのがポイント。共有部分の窓(例えばエントランスや廊下の窓)が対象になるかは条件次第なので、後述の「対象住宅」をチェックしてください。

マンション管理組合が動くメリット

管理組合が窓リフォームを主導すると、複数の住戸で一斉に工事でき、コストダウンや補助金の効率的な活用が期待できます。窓ガラスや窓サッシは共用部分として決められている管理組合が大半であることから、管理組合が主体となって実施することが多いでしょう。それによって、工事費においても戸当たりの単価を下げることができるスケールメリットを生かせます。

さらに、マンション全体の価値が上がれば資産価値にもプラス。組合員に対して「補助金でお得に快適になる」と提案すれば、総会でも組合員の賛同を得やすいはずです。

補助金の対象となる住宅と工事

対象となる住宅とは?

補助金が使えるのは「既存住宅」に限られます。具体的には:

  • 建築から1年以上経過した住宅(検査済証の発行日から計算)
  • 過去に人が住んだことのある住宅(現在住んでいる場合もOK)

マンションの場合、新築から1年経っていればOK。ただし、複合用途マンションとして、店舗や事務所として使っている部屋の窓は対象外です。例えば、1階が店舗で2階以上が住居のマンションなら、住居部分の窓だけが対象になります。

マンションの種類による違い

補助額は住宅の「建て方」で変わります:

  • 低層集合住宅(3階以下)
  • 中高層集合住宅(4階以上)
    マンションは通常「集合住宅」に分類されるので、戸建てとは補助額が異なる点に注意。後で詳しく説明します。

どんな工事が対象?

対象工事は、窓やドアを断熱性の高いものに変えるリフォームです。主な工事は以下:

  1. ガラス交換:窓枠はそのままでガラスだけを複層ガラスに
  2. 内窓設置:既存窓の内側に新しい窓を追加
  3. 外窓交換:窓枠ごと交換(カバー工法・はつり工法)
  4. ドア交換:ドアを断熱性の高いものに(窓工事と同一契約が条件)

マンションでは、外壁に面した窓や玄関ドアが対象になりやすいです。ただし、内廊下に面したドア(よくあるマンションの玄関)は「外気に接していない」ので対象外。タワーマンションのドアなどは、外気に面していないことも多いため対象外になるでしょう。

管理組合で共有部分の窓をリフォームする場合は、外気に面しているかを確認しましょう。

注意点:補助額5万円以上が必要

1回の申請で補助額が5万円以上でないとダメ。例えば、小さな窓1つだけだと5万円に届かないことも。マンション全体でまとめて申請すれば、このハードルはクリアしやすくなります。

補助額と上限|マンションでどれくらいお得?

補助額の決まり方

補助額は以下の3つの要素で決まります:

  1. 住宅の建て方(戸建て・低層集合住宅・中高層集合住宅)
  2. 窓の性能(熱貫流率Uw値でP・S・Aの3段階)
  3. 窓のサイズ(大:2.8㎡以上、中:1.6~2.8㎡、小:0.2~1.6㎡)

例えば、外窓交換(カバー工法)の場合、中高層集合住宅(4階以上のマンション)の補助額は以下の通り:

  • P(Uw1.1以下):大266,000円、中181,000円、小112,000円
  • S(Uw1.5以下):大180,000円、中122,000円、小75,000円
  • A(Uw1.9以下):大148,000円、中101,000円、小62,000円

戸建てや低層集合住宅に比べて、中高層住宅は金額が少し高くなる傾向があり、マンションでも十分な補助が期待できます。

補助上限は200万円!

1戸あたり最大200万円まで補助が出ます。マンションの場合、1住戸ごとに見るのか、建物全体で見るのかは申請主体次第。管理組合が全住戸の窓をまとめて申請すれば、200万円×住戸数の大きな金額になる可能性も。ただし、予算が上限に達すると終了するので早めの行動が鍵です。

対象期間と申請手続き

工事着手のタイミング

  • 開始:2024年11月22日以降
  • 終了:予算がなくなるまで(遅くとも2025年12月31日)

工事着手とは「契約に基づく最初の工事開始日」。窓以外の工事(例えば壁の補修)が最初でもOKですが、契約前に始めると対象外になるので注意です。

申請はどうするの?

申請は「窓リノベ事業者」が代行します。管理組合や個人が直接書類を出す必要はなく、業者が手続きから補助金の受け取りまでやってくれます。受け取った補助金は工事費から差し引かれる形で還元される仕組みです。マンションの場合、業者と管理組合がしっかり連携して進めましょう。

その他のポイント|マンションで注意すべきこと

他の補助金との併用

国の他の補助金(例:子育てグリーン住宅支援事業)と重複して同じ窓に使うことはできません。ただし、地方自治体の補助金なら、国費が含まれていなければ併用OK。自治体の制度を調べて二重でお得にしましょう。

管理組合での合意形成

マンション全体でリフォームする場合、総会での承認が必要です。「補助金でコストが抑えられる」「快適性が上がる」と説明すれば、住人の理解を得やすいはず。素人役員でも、この記事を参考に提案書を作ってみてください。

足場の必要性

筆者の経験上ですが、多くのマンションでは室内側からの工事で窓サッシ交換が実施できます。しかしながら、足場が必要となる対象箇所がある場合は注意する必要があります。

改めて足場を立てて窓サッシ改修を行うとなると、膨大な費用が掛かってきます。そのため、足場を設置する大規模修繕工事に合わせて実施することも検討課題となるでしょう。

カバー工法を深掘り|マンションに最適な外窓交換の具体例

ここからは、マンションの窓サッシ交換事例として一般的な「外窓交換(カバー工法)」に焦点を当てて詳しく解説します。マンションでの窓リフォームを考えるなら、カバー工法は施工が簡単で効果も高い選択肢。具体的な補助額やメリットを定量データとともに見ていきましょう。

カバー工法とは?

カバー工法は、既存の窓枠を残しつつ、その上から新しい窓枠をかぶせて取り付ける方法です。ガラスも断熱性の高い複層ガラスなどに交換します。「外窓」とは、外壁に面した施錠できない窓のこと。マンションだとベランダ側の窓や共用廊下に面した窓が該当します。

工事の流れ(イメージ)

  1. 既存ガラスを撤去:古いガラスを取り外す
  2. 新しい枠を設置:既存枠の上に新しい枠をかぶせる
  3. 複層ガラスをはめる:断熱性の高いガラスをセット
  4. 仕上げ:隙間を埋めて完成

はつり工法(枠ごと取り外す方法)に比べ、壁を壊さず済むので工期が短く、マンションにぴったりです。

カバー工法の補助額|定量データで確認

補助額は「住宅の建て方」「窓の性能」「サイズ」で決まります。マンション(中高層集合住宅)の場合:

  • P性能(Uw1.1以下)
    • 大(2.8㎡以上):266,000円
    • 中(1.6~2.8㎡):181,000円
    • 小(0.2~1.6㎡):112,000円
  • S性能(Uw1.5以下)
    • 大:180,000円
    • 中:122,000円
    • 小:75,000円
  • A性能(Uw1.9以下)
    • 大:148,000円
    • 中:101,000円
    • 小:62,000円

例えば、ベランダの大きな窓(2.8㎡以上)をP性能に交換すれば、1箇所で266,000円の補助。10戸分なら266万円となり、かなりお得です。しかも、1戸あたり200万円の上限があることから、多くのマンションでは範囲内に入ることが想定されます。

カバー工法のメリット

  1. 工事が簡単
    壁を壊さないので、騒音や埃が少なく、マンション住民への影響が最小限。工期も1窓あたり数時間~1日程度で済みます。
  2. 断熱効果が高い
    Uw値1.1以下の高性能窓なら、冬の暖房効率が大幅アップ。仮に電気代が月1,000円減れば、年間12,000円の節約に。
  3. マンションに適した施工
    外壁をいじらずに済むので、管理規約や構造上の制約があっても対応しやすいです。

注意点と失敗しないコツ

  • サイズの確認:窓の面積を測って「大・中・小」を把握。補助額が変わるので重要です。
  • 性能証明書をチェック:メーカーが発行する書類にUw値やサイズが書いてあるので、業者に確認を。
  • 外気に接しているか:内廊下側の窓は対象外なので要注意。

実際の例:4階建てマンションの場合

4階以上のマンションで、リビングの窓(2.8㎡)をカバー工法でP性能に交換すると:

  • 1窓当たり最大補助額:266,000円
  • 工事費(目安):約40~50万円

さらに内窓を追加すれば補助額が増えますが、上限が1戸当たり200万円までというのは非常に魅力的かもしれません。

ただし、建物の建て方、対象製品の性能とサイズにより、補助額が決まることから、必ずしもこの額になるとは限らない点に注意が必要です。

カバー工法を選ぶべき理由

マンションでは大規模修繕と絡めて窓リフォームを検討することが多いですが、カバー工法なら個別住戸でも手軽に始められます。補助金を活用すればコストを抑えつつ、快適性と資産価値をアップするでしょう。

まとめ|マンションで先進的窓リノベ2025を活用しよう

「先進的窓リノベ2025事業」は、マンションの管理組合や住人にとって、省エネと快適さを手に入れる絶好の機会です。1戸当たりの補助金最大200万円を活用すれば、仮にカバー工法で窓をリフォームする費用も大幅に下がります。まずは管理組合で話し合い、登録事業者に相談を。2025年12月31日まで(予算がなくなり次第終了)なので、早めに動くのが成功の秘訣です。この記事を参考に、賢くお得に窓リフォームを進めるのをお勧めします。

コメント

タイトルとURLをコピーしました